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「貫禄」の意味と類語
「貫禄」には「人間的な重みや風格」という意味合いがあります。「身に備わった威厳」を表すため、類語にも同様の表現が並びます。「貫禄」は体格を指す場合もあるため、使用時は注意しなくてはいけません。大人のマナーを身に付けるためにも、まずは「貫禄」の正しい意味を理解しましょう。
■「貫禄」は「人間的な重みや威厳」を意味する言葉
「貫」という漢字は、かつては土地面積を表示する単位として用いられていました。租税対象であった、米の収穫高を示す表に使用されていたのです。
室町時代には、武家の所有する米の総量を表すものでもありました。また、「禄」には「官に使える者に与えられる給与」という意味があります。つまり、「貫禄」は所有地の大きさや給与の額など、武士の値打ちを表す言葉として用いられていたのです。
「貫禄のある人」は、土地や米を多く所有する武士を指す言葉でした。やがて、財力ではなく、人間的な重みや威厳がある人が「貫禄がある人」と言われるようになっていきます。体格の大きな人はどっしりとした風格を感じさせることから、「貫禄たっぷり」など、相手を揶揄する表現としても使用されるようになりました。
■「貫禄」の3つの類語
「貫禄」には「人間的な重み」に通ずる3つの類語があります。シーンに応じて言い換え表現ができるよう、例文とともにチェックしていきましょう。
1.「威厳」
「威厳」は「近寄りがたいほど堂々としておごそかなこと」を意味する言葉です。「近寄りがたい」という感情には、相手への尊敬の念が込められています。主に大きな業績を成し遂げた人や、権威のある人に対して使用する言葉です。
・いつかは社長のような威厳を身に付けたいものだ。
・上司の威厳を保つためにも、日々自己研鑽を重ねる意識が重要だ。
2.「品格」
「品格」は「気高さや上品さ」を表す言葉です。「品位」と置き換えられることもあります。礼儀作用やマナーが身に付き、内面からも上品さが現れる人に用いることが多いでしょう。「貫禄」が人間の重みを表すのであれば、「品格」は立ち振る舞いの優美さを表す言葉だといえます。
・恩師のように品格を持ち合わせた人物になりたい。
・年齢に合わせた品格を身に付けたいものです。
3.「見識」
「見識」には「物事を深く見通し、本質をとらえる」という意味合いがあります。「気位(きぐらい)」といった「自分で自分の品位を重んじる」という意味も持つ言葉です。優れた判断力を持っていたり、確かな考えや意見を有したりする人に使用します。
・彼は経験が浅いにも関わらず、見識を備えた人物だ。
・彼女はやけに見識が高いように思われる。
「貫禄がある」「貫禄がつく」を使った例文
「貫禄」という言葉は「貫禄がある」「貫禄がつく」といった表現で用いられます。
「貫禄がある」は、堂々としている人や威厳のある人に対して使用するフレーズです。目上の人への褒め言葉にもなります。相手に「貫禄がありますね」と伝えるときには、なぜそう感じるのか合わせて表現すると良いでしょう。
・いつも落ち着いた貫禄がある仕事ぶりに憧れます。
・さすがリーダーにふさわしく、いつも貫禄がありますね。
「貫禄がつく」は、年齢や経験とともに「貫禄」が身に付いた様子を表す言葉です。主に、上司から部下へと使用します。
・お疲れ様。すばらしいプレゼンだったよ。君も貫禄がついてきたね。
・入社から3年がたち、どうやら彼も貫禄がついてきたようだ。
「貫禄がある」のはどんな人?3つの特徴
「貫禄がある」と言われる人は、自分に自信があったり堂々としていたりと、いくつかの共通点があります。態度だけでなく、体格を指して「貫禄がある」と言われるのも特徴です。
仕事で多くの人と関わっていると、「貫禄があるな」と感じる人に出会うこともあるのではないでしょうか。また、自分自身も「貫禄がある人」に近づきたいと感じるかもしれません。ここでは、どんな人が「貫禄がある」と周囲から思われるのか3つの特徴をご紹介します。
1. 自分に自信がある人
「貫禄がある」と周囲から言われる人は、人間的な重みを感じさせる人です。多くの失敗と成功を繰り返し、培ってきた自信が現れている人ともいえるでしょう。
自分に自信がなく、思い切った意見が言えなかったり、行動に移せなかったりしている間は「貫禄がある人」とはいえません。自分に自信があるからこそ、トラブルが発生したときにも慌てることなく、冷静な判断ができると考えられます。
2. 堂々としている人
「貫禄」の類語に「威厳」という言葉があるように、「貫禄がある」人は堂々としています。トラブルにも動じることなく、落ち着いてどっしりと構える人が多いでしょう。周囲からの信頼も厚く、頼られることの多い人物です。