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2022.09.20

【風前の灯火】の正しい意味は? 由来や使い方なども解説

 

風前の灯火(ふうぜんのともしび)とは、危機が迫っていて追い詰められた状況を表すことわざです。風にさらされて今にも消えそうな火の様子に由来し、物事のはかなさも意味します。今回は風前の灯火の正しい意味や使い方、関連する言葉などをご紹介します。

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風前の灯火の意味は?読み方や由来も解説

風前の灯火 意味

風前の灯火は、「ふうぜんのともしび」と読むことわざです。危険が迫っていて追い詰められているような状況を表す際に用いられます。風にさらされた火の様子に由来する言葉であり、物事のはかなさについて述べる際に使われることもあります。

映画やゲーム、本のタイトルなどにも用いられるため、日常で目にする機会が多いことわざといえるでしょう。「風前の灯火」を正しく使えるように、言葉の意味や由来などを次項から詳しく解説します。

■「危険な状態」を意味することわざ

まずは、風前の灯火が辞書でどのように説明されているか確認してみましょう。

【風前の灯火:ふうぜんのともしび】
風の吹くところにある灯。危険が迫っていて今にも滅びそうなことのたとえ。「組織の存立は今や風前の灯火だ」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

風前の灯火は、物事が危険な状態にあることを指すことわざです。危険にさらされており、今にも滅びそうな状態であるというニュアンスをもちます。

物事だけではなく、人や動物の命が滅びそうであるときにも使えます。例えば「彼女の命は風前の灯火である」は、命が今にも消えゆくことを意味する表現です。

■風にさらされた火の様子に由来する

危険な状態を風前の灯火と表すようになった由来は、風の正面に置いた火の様子です。「風前」は風の当たる場所や風の真正面を、灯火は火をつけた灯りを表します。火をつけた灯りとは、ランプやろうそくなどです。

風の当たる場所に火をつけたろうそくを置くと、ろうそくの火は風によって今にも消えそうになるでしょう。消えかかっている火の様子から、物事が消えてしまいそうな状態を表す言葉として風前の灯火が使われるようになったとされています。

■「風前の灯」「風の前の灯火」も使える

風前の灯火は、風前の灯や風の前の灯火と表記することもあります。どれも同じ意味で使えますが、風前の灯火と表記するのが一般的です。

注意点として、風前の灯火を「空前の灯火」と書くのはよくある誤用です。日本語では空前の灯火という言葉は存在しません。風前を空前と表記しないように、正しい漢字を覚えておきましょう。漢字の使い方に迷った際は、上述した風の当たる場所にろうそくを置く様子をイメージするのがおすすめです。

風前の灯火の使い方と例文

風前の灯火 意味

風前の灯火は、何かに追い詰められている場面で使うのが基本です。物事が置かれている状況のほか、人や動物に対しても使えます。対象とする範囲が幅広いため、使い方を覚えておくとさまざまな場面で適切に使えるでしょう。

なお、風前の灯火はビジネスシーンでも多用される表現です。例えば、上司から「〇〇は風前の灯火だ」と言われた際に正しく意味をつかめるように、使い方を理解しておくと安心です。ここでは、風前の灯火の使い方や例文について解説します。

■追い詰められたときに使うのが基本

風前の灯火が用いられるのは、追い詰められた状況を表す場面です。単に危機が迫っているというよりも、今にも滅んでしまいそうなほど危機的な状態に対して使います。

言い換えると、少しの時間が経過すれば滅びてしまうときや、何かのきっかけで簡単に消えてしまいそうな不安定な状態です。人やものを問わず対象にできるため、人の命や希望のほか、会社の経営状態などが追い詰められている場合にも使えます。

■風前の灯火の使い方を例文で確認しよう

風前の灯火の具体的な使い方を例文で確認しましょう。日常会話やビジネスシーンで使える例文を以下にまとめました。

・会社の経営状態が風前の灯火となっている。
・病院に着いたときにはすでに危篤状態で、祖母の命は風前の灯火という状況でした。
・過去の不祥事が明るみに出た結果、彼女の地位は風前の灯火です。
・私たちの希望は風前の灯火で、もうどうしようもない状況です。
・風前の灯火で危ない状況でしたが、彼女が機転を利かせてくれたおかげで生還できました。

風前の灯火の類義語・対義語

風前の灯火 意味

風前の灯火には、さまざまな類義語や対義語があります。例えば、風前の灯火の類義語には以下が挙げられます。

・風の前の塵(ちり)
・風口(かざくち)の蝋燭(ろうそく)
・絶体絶命(ぜったいぜつめい)
・泥船(どろぶね)に乗る

また、風前の灯火の主な対義語は以下のとおりです。

・堅牢堅固(けんろうけんご)
・灯滅せんとして(とうめっせんとして)光を増す

風前の灯火の理解を深めるためにも、類義語や対義語の意味を知っておきましょう。

■類義語は「風の前の塵」など

風の前の塵は、危険なものが間近に迫っている様子や、物事のはかない様子を表します。風によって塵が一瞬で吹き飛ばされるさまを例えた言葉です。塵を「雲」に変えて、風の前の雲と表現することもあります。

風口の蠟燭は、はかないことや消えやすいことを指します。風前の灯火と同じ意味で使える表現です。追い詰められた状況を表す際は、絶体絶命という四字熟語も使えます。

泥船に乗るも、危機的な状況を意味する表現です。泥船とは、字のごとく泥で作った船を指します。泥で作った船は壊れやすいことから、「今にも沈みそうな泥船に乗る=危険な状態である」という意味で使われます。

■対義語は「堅牢堅固」など

堅牢堅固とは、堅くて丈夫な様子や守りが非常に堅いことを表す四字熟語です。「牢」には「堅い」という意味があり、すぐに滅びたり動じたりしないというニュアンスをもちます。風前の灯火とは異なり、吹けば飛んでいくような危うさはありません。

灯滅せんとして光を増すとは、物事が滅びてしまう前に一時的に勢いを取り戻すことです。灯りが消えてしまう前に、一瞬だけ強く光り輝く様子を例えた表現です。

意味を理解して風前の灯火を使ってみよう

風前の灯火 意味

風前の灯火は、今にも滅びてしまいそうなほど追い詰められた状況を表します。危険が迫っているときや、あるきっかけで簡単に消えてしまいそうなときに使える表現です。対象とする範囲が幅広く、物事以外に人や動物の命にも使えます。

似ている表現には風の前の塵や風口の蝋燭などが挙げられ、風前の灯火と同じように使うことが可能です。また、対義語には堅牢堅固などがあります。風前の灯火の意味や使い方を理解して、さまざまな場面で使ってみてください。

画像/(C)Shutterstock.com

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