こちらの提案を前向きに考えてほしいとき
自分が提案する側である場合、取引先や顧客には提案を前向きに検討してもらいたいものです。この場合は「ご検討」という言葉を使うと、丁寧さが伝わりやすいでしょう。
例文
・新システムの導入について、ご検討いただければ幸いです。
・新たな案を提案させていただきたく存じます。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
再び依頼するとき
いったん断られた相手に、再度検討を依頼する場合は「よかったらもう一度考えてほしい」「面倒をかけることになるが、再度検討してほしい」という意味を込めて、次のように表現します。
例文
・先日ご高覧いただいた内容を改善しました。もしよろしければ、再度ご検討いただけますと幸いです。
・御社のご要望を反映した上で、再度、提案書を作成しました。あらためてご検討くださいませ。
先方からの提案を断りたいとき
先方の提案を断る場合は、「せっかく提案してくれたのに申し訳ない」の気持ちを込め、次のように表現します。
例文
・社内で慎重に検討しましたが、残念ながら今回は見送らせていただくことになりました。申し訳ございません。
・提案いただいた内容を社内で検討しましたが、費用面で折り合いがつかず、今回は見送ることにしました。誠に申し訳ございません。
「検討する」の言い換え表現
「検討する」を言い換えたい場合に使える表現を紹介します。「熟考する」や「一考する」、「考慮する」について、意味や例文を見ていきましょう。
よく考える「熟考する」
「熟考する」は十分に考える、よく思案するという意味を持ちます。さまざまな情報を比較しながら何日もかけて考えたり、念には念を入れて何度も考え直すことをいいます。
例文
・熟考した結果、やはり旅行の計画は断念することにした。
・君が熟考して出した答えのはずだから、僕はとことん応援するよ。
一度考える「一考する」
「一考する」は文字通り一度考えてみるという意味の言葉です。ざっと思いを巡らすだけではなく、よく考えるという意味合いになります。
例文
・弊社が提案したプロジェクトについて、ぜひご一考ください。
・競合がまだ少ないため、この分野への進出は会社として一考の価値があるだろう。
よく考える「考慮する」
「考慮する」は、「物事についていろいろな要素を含めてよく考えること」を指します。「よく考える」というところが、「検討する」と共通していますね。
例文
・このプロジェクトのスケジュールは、クライアントの要望を考慮した上で設定しました。
・顧客のニーズを考慮した結果、サービスのラインアップの拡充を決定しました。
「検討する」の英語表現
「検討する」を英語で表す場合の表現を紹介します。さまざまな表現がありますので、状況に応じて使い分けてください。
考えるという意味の「検討する」を、英語で表現するときは「think about~」や「consider~」という単語を使います。「熟考する」「よく考える」という意味を強調したい場合は「consider」が適しているでしょう。これは、じっくり考えるというニュアンスを含んでいます。
例文
・I will think about the plan.(計画について検討してみます)
・I am considering whether to present the problem at the meeting or not.(会議でその問題を出すかどうか検討中です)
文脈によっては、「review」や「discuss」などの単語を使うこともあります。
例文
・We must review the development project.(その開発について検討し直す必要がある)
・We will discuss the subject.(その問題について検討する余地がある)
「examine」や「investigate」を使うのもいいかもしれません。「examine」は詳細に調べることを意味し、「investigate」は系統立てて調べることを意味します。どちらも、「検討する」の文脈で使うことができるでしょう。
例文
・The examination of the draft budget was left to him.(予算案の検討は彼に一任された)
・We will make a report after conducting a further investigation.(さらに検討してから、ご報告します)
最後に
「検討する」という言葉について、理解は深まりましたか? 適切な言葉選びができると、相手との信頼関係も強化されるように思います。シチュエーションにあわせて「検討します」を上手に使いこなしてみてください。
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