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2023.10.11

自分を「卑下する」のはよくないってホント?正しい意味と使い方を再確認しよう

謙虚さを示すために、あえて自分を「卑下する」人は少なくありません。しかし、自分を卑下するときには注意が必要です。本記事では「卑下する」という言葉についての意味から、自分を卑下する人の心理や付き合い方まで詳しくご紹介しますので参考にしてください。

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「卑下する」の意味と使い方とは

はじめに「卑下する」という言葉の意味や使い方からご紹介しましょう。自分を卑下するのは謙虚さを示そうとする場合が多いですが、状況や相手によってはかえって傲慢な印象を与えかねません。自分を卑下する場合は、自分の意図がきちんと伝わるように注意する必要があるのです。

卑下する 意味

(C)Shutterstock.com

「自分は劣っている」とへりくだる意味

「卑下する」は「自分は劣っている」とへりくだる様子を表した言葉です。本心から「自分は劣っている」と思っているわけではなく、あえて自分を低く見せて謙遜さを示そうとするときに使います。 「卑下」の「卑」という漢字には「身分や地位が低い」「心が貧しくいやしい」といった意味があり、「卑賤」「卑怯」「卑屈」といった熟語で使われます。  

「卑下する」の使い方

次に「卑下する」の使い方をご紹介しましょう。「卑下する」を使う場合は、いくつか注意すべき点があります。   

自分自身に対して使う

「卑下する」は、他人に対して使う言葉ではなく、自分自身に使う言葉です。「あなたは、まだまだ足りない点が多いですね」といったように、相手の評価を下げるような場合には「卑下する」とはいいません。   

多用しないようにする

「卑下する」は多用しないようにしましょう。自分を卑下することは、謙遜を表しているとはいえネガティブな言葉を使うため、本当に自信がないように見えます。

たとえば、上司から「最近、よく頑張っているね。これからも期待しているよ」と高く評価された場合に、あなたが「いえいえ、私の能力ではありません。まだまだ全然足りていないので……」と強く卑下しすぎると、上司は「本当に自信がないのかも……、これは見込み違いだったかな……」と思うかもしれません。

このような場合は、自分を卑下した後に「お褒めのお言葉をありがとうございます。至らない点はまだありますが、今後も期待に応えられるようにさらに精進いたします」というように、やる気や責任感を見せることが大事です。自分への賞賛は、素直に受け取ることも大切。

周りの人は、あなたの努力や能力を認めているからこそ賞賛しているのです。 なにより、自分のことを高く評価してくれた相手への感謝を忘れていはいけません。「自分を見てくれている」「気にかけてくれている」という事実に対して、「気にかけていただいてありがとうございます」と伝えるのは大人としてのマナーでしょう。

また、あまりにも多用しすぎると、かえって自慢しているに見えることもあるため注意が必要です。

卑下しつつ自慢することを「卑下自慢」といいます。たとえば、営業成績がいつもトップの営業マンが「自分は営業の能力がないから……。努力していないから、もっと頑張らないと」と言うと、「努力していないのに営業成績がトップ」と自慢しているように聞こえるかもしれません。

また、頑張っているのに成績が残せない人からすると「嫌味かな……」と捉えられても仕方ありません。

「卑下する」の例文

「卑下する」の例文をいくつかご紹介しましょう。

・自分のことを卑下することを「かっこいい」と思う人もいるが、それは大きな間違いだ。
・彼女は自分のことを卑下してばかりだ。彼女の能力なら、もっと自信を持っていてもおかしくはないのに。

自分を「卑下する」人の心理とは

なぜ人は、自分のことを卑下するのでしょうか。ここでは、自分を卑下する人の心理について、いくつかご紹介しましょう。

卑下する 意味

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コンプレックスがある

自分のことを卑下する人のなかには、本当に自信のない人もいます。なんらかのコンプレックスがあるために、素直に自分を認めることができないのです。 このような人も、本心では自分のことを認めたいと思っているもの。しかし自信があるように振る舞うこともできず、ついつい自分を卑下してしまうのでしょう。

また、ダメな自分をあらかじめ知っておいてもらいたいと、過剰に卑下する人もいます。「自分には期待しないでほしい」といった心理が隠れているのかもしれません。

周りに対する承認欲求が強い

自分を卑下するのは、周りに対する承認欲求が強いから……ということも。

たとえば、本当はとても頭が良いのに「私は頭が良くないから、いい大学に行けない」と言う場合は、周りから「そんなはずはない。あなたは頭がいいからきっといい大学に行けるよ」と自分を褒めてもらいたい気持ちが表れているのかもしれません。「そうじゃないよ」と、自分を認めてもらうためにあえて卑下する人もいるのです。

自分を否定して相手を持ち上げたい

自分を否定して相手を持ち上げたい場合も、自分のことを卑下する傾向にあります。たとえば「私はあなたよりすごい人間ではないから」と言うと、相手は必然的に「すごい人間」となります。ストレートに褒めるのではなく、ワンクッション置いて褒めるときに使います。

「卑下する」の3つの類語とは

ここでは、「卑下する」の類語を3つご紹介しましょう。

控えめな態度を表す「謙遜」

「卑下する」の類語には、控えめな態度を表す「謙遜」があります。「謙遜」とは、「へりくだること」「控えめな態度を取ること」という意味。「謙遜」も控えめな態度を取って相手を持ち上げるという意味が含まれますが、「卑下する」は「謙遜」より過剰に自分の価値を下げるという印象を相手に与えます。

たとえば「そんなに謙遜しないでくだいね」と「そんなに卑下しないでくださいね」では、ニュアンスが異なるのが分かるでしょう。「そんなに卑下しないでくださいね」のほうは、「そこまで自分の評価を下げなくてもいいのに」といった意味も暗に含まれています。

控えめで素直な性格を指す「謙虚」

「謙虚」 控えめで素直な性格を指す「謙虚」も「卑下する」の類語です。「謙虚」は、「控えめでつつましく傲ったりしないこと」を指します。「謙虚な人ですね」と言われて、嫌な気持ちになる人はいないでしょう。

「卑下する」には、自分の能力をあえて低く評価するといった意味合いが含まれますが、「謙虚」は本心から「自分はまだ足りていない」といった気持ちを表します。

「自分を低く見積もる」という行為は同じですが、それが本心からきているのかどうかという点で「卑下する」と「謙虚」は異なるでしょう。  

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