成るか成らぬか目元で知れる
「成るか成らぬか目元で知れる」はあまり聞き慣れない表現ですね。この言葉の意味は、「相手が承知するかしないかは、目元でわかる」ということ。恋愛においてよく使われることわざで、「告白せずとも、成るか成らぬか目元で知れる」などと言うこともあります。「成るか成らぬか目元で知れる」は、相手に返事をもらうときに使う言葉ですので、「目は口ほどに物を言う」よりは使う場面が限られるでしょう。
以心伝心
「以心伝心」は「いしんでんしん」と読みます。意味は、「言葉にしなくてもお互いの心が通じること」。文章では、「結婚して40年になる両親は、以心伝心の仲だ」などと使います。「以心伝心」はたいてい、ポジティブな意味合いで使われる言葉。ですが、「目は口ほどに物を言う」はポジティブだけではなくネガティブな意味合いで使われることもあります。この点が違いといえるでしょう。
「目は口ほどに物を言う」の対義語
「目は口ほどに物を言う」の対義語はありません。
対義語がないことを踏まえた上で、対義語に近しい言葉としては「隔靴掻痒」や「言い勝ち功名」が挙げられるでしょう。
隔靴掻痒
「隔靴搔痒(かっかそうよう)」は「自分の思い通りにならず、もどかしいこと」「じれったいこと」「歯痒い思いをする」という意味で使える言葉です。気持ちが上手く伝わらずもどかしい時に使える言葉ですから、目だけでも気持ちが伝わる「目は口ほどに物を言う」とは対義語に近いと言えます。
隔靴掻痒
かっか‐そうよう〔カククワサウヤウ〕【隔靴×掻×痒】
《「無門関」序から。靴の上から足のかゆいところをかく、の意》思うようにならないで、もどかしいこと。核心にふれないで、はがゆいこと。「—の感」
〈引用(小学館 デジタル大辞泉)より〉
言い勝ち功名
「言い勝ち功名(いいがちこうみょう)」は多少筋が通っていない話でも、まくしたてて話した者が勝つことをたとえた言葉です。目は口ほどに物を言うは、何も言わなくても目つきだけで感情が読み取れるのに対し、言い勝ち功名は言葉数の多い者が勝つことを意味しますから、ある意味対極の表現といえるでしょう。
こう‐みょう〔‐ミヤウ〕【功名】
手柄を立てて、名をあげること。また、その手柄。「けがの—」「—を争う」
〈引用(小学館 デジタル大辞泉)より〉
「目は口ほどに物を言う」の英語表現とは?
「目は口ほどに物を言う」にはたくさんの英語表現がありますが、いくつかピックアップして紹介します。
The eye is the window of the mind.
「window」は「窓」、「mind」は「心」という意味。「The eye is the window of the mind.」というフレーズで、「目は心の窓」という意味になります。「目は口ほどに物を言う」の英語表現としてぴったりですね。
The eyes say more than the mouth.
「more than」は「〜以上」「〜よりも」という意味の英語です。「The eyes say more than the mouth.」を直訳すると、「口よりも目のほうが多くを語る」となります。
Eyes speak more eloquently than lips.
「eloquently」は聞き慣れない英語ですね。意味は、「雄弁に」です。「Eyes speak more eloquently than lips.」というフレーズを訳すと、「口よりも目のほうが雄弁に話す」。つまり、「目は口ほどに物を言う」の英語表現となります。
最後に
「目で気持ちが伝わる」という意味の、「目は口ほどに物を言う」。最近は、マスクにより、目元からしか相手の表情を読み取れなくなってしまいました。そのため、この言葉を実感する機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。マスク生活では、より自分の目の表情にも注意して、コミュニケーションをとっていきたいですね。
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