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「目は口ほどに物を言う」の意味は?
コロナ禍により、注目されるようになった「目は口ほどに物を言う」。そもそもこの言葉の正しい意味を知っていますか? まずは、言葉の意味を解説しましょう。
■意味
最初に、「目は口ほどに物を言う」の意味を辞書で見てみましょう。
情のこもった目つきは、口で話すのと同じくらい気持ちを表現する。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「目は口ほどに物を言う」とは、「目だけで気持ちが伝わる」という意味です。つまり、何も言わなくても目つきだけで感情が読み取れるということ。なお、「目は口ほどに物を言う」は、「目も口ほどに物を言う」という表現でも使えるようです。
特に、コロナ禍によりマスク生活が一般的になった今、「目は口ほどに物を言う」を実感している方も多いのではないでしょうか。マスクをしていると口元が見えないため、自ずと目元に注目してしまいますよね。すると、「疲れているのではないか」「生き生きとして楽しそうだな」などと、目つきから相手の状況や気持ちを察したことがある方も少なくないはず。「目は口ほどに物を言う」は、本心は隠せないという意味にもとれるでしょう。
視線でわかる心理とは?
「目つきで感情があらわれる」という意味の「目は口ほどに物を言う」。つまり、目つきを見れば、相手の心理が読み取れるともいえるのではないでしょうか。ここでは、視線でわかる相手の心理をいくつか紹介します。ただし、色々な説がありますので、あくまで参考としてチェックしてみてください。
目が右に動く・目が左に動く
心理学である「NLP」が提唱する考え方に、相手の目の動きによって気持ちを探る「アイ・パターン」というものがあります。これによると、目が右側に動く場合は、何か想像をしているとき。一方、左側に動く場合は、何かを思い出しているときなのだそうです。たとえば、「昨日どこに行ってたの?」などと何かを問いかけたときに、目が右側に動いた場合は、相手が嘘をつこうとしている可能性があるのだとか。一度、試してみると面白いかもしれません。
目が泳ぐ
話しているときに、相手の目線が左右にキョロキョロ動くことがありますよね。このとき、相手は恥ずかしさを感じていたり、緊張している可能性があります。ここで、高圧的な態度をとったり、まくしたてたりすると、さらに相手を緊張させてしまうことも。相手の目が泳いでいる場合は、こちらがゆっくりと落ち着いたトーンで話してみると、相手の緊張をやわらげることができるかもしれません。
目をじっと見てくる
誰かと話しているとき、目線をそらさず、目をじっと見てくる人っていますよね。男性が女性の目を見つめる場合は、その女性に好意を持っているケースが多いよう。相手に興味を持っていることはもちろん、自分の好意をアピールしたいという気持ちもあるようです。
使い⽅を例⽂でチェック
続いて「目は口ほどに物を言う」を使った例文を紹介します。日常会話はもちろん、ビジネスシーンでも使える表現ですので、例文を見て、使い方をマスターしましょう。
「目は口ほどに物を言うという通り、先方が当社を好意的に思っていないのは明らかだった」
「本心は隠せない」という意味合いを含む「目は口ほどに物を言う」。ビジネスの場面では、大人のコミュニケーションとして、ネガティブな事柄についてはっきりとした物言いは避けることも。ですが、相手の目元を見れば、こちらのことを不審に思っていたり、乗り気ではないことが伝わることもあります。そうしたシーンをあらわした例文です。
「目は口ほどに物を言うというように、あなたが本当は落ち込んでいるってわかるよ」
この例文では、本当は気持ちが沈んでいるのに、口では「大丈夫」と言う人に対して、「本当は落ち込んでいるのがわかるよ。無理しないでね」ということを伝えています。
「目が泳ぐのでどうも怪しいなと思ったら、彼は昨日嘘をついて女の子と会っていたそうだ。目は口ほどに物を言うとはこのことだ」
「目は口ほどに物を言う」は恋愛のシーンにおいてもよく使われる表現ですね。男性はもちろん、女性であっても、その人の本心は目にあらわれてしまうもの。この例文のように、嘘も目元にあらわれてしまうことが多いので、ご注意を。
類語・四字熟語・⾔い換え表現は?
「目は口ほどに物を言う」の類語には、「目は心の鏡」「成るか成らぬか目元で知れる」「以心伝心」などがあります。それぞれの言葉の意味や、「目は口ほどに物を言う」との違いについても紹介しましょう。
目は心の鏡
「目は心の鏡」は、「目を見れば、相手の心のようすがわかる」という意味のことわざです。良いことを考えていれば、相手の目が明るくなったり、悪いことを考えていれば、相手の目が曇ったりと、目だけで相手の状態がわかるということをあらわしています。語源は中国の思想書『孟子』にあるのだとか。
「目は心の鏡」は、「心のようす」をあらわしますが、「目は口ほどに物を言う」は「気持ち」をあらわします。この点が多少違いますが、ほぼ同じ意味で使えるでしょう。