何時から何時まで?終日の意味や誤用を解説
終日は日常会話やビジネスシーンで幅広く使われる言葉で、一般的な読み方は「しゅうじつ」です。しゅうじつ以外では、以下のように読まれることもあります。
・ひもすがら、ひすがら
・ひねもす、ひめもす
平安時代初期には、朝か夜まで一定の状態が続くことを表す言葉としてひねもすが使われていました。のちに中国から漢語の終日(しゅうじつ)が伝わった際に、終日をひねもすと読むようになったことが語源とされています。
ここでは、終日のケース別の意味や全日との違いなどを解説します。
■【ケース別】終日の意味
まずは、終日が辞書でどのように説明されているのかを見てみましょう。
【終日:しゅうじつ】
一日中。朝から晩まで。まる一日。ひねもす。「終日机に向かう」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
このように終日は、朝が来て夜を迎えるまでの間を意味する言葉です。ただし、はっきりとした時間帯が定義されているわけではなく、どのような場面で使うかによって示す時間帯が変わってきます。
例えば、ビジネスの場面で使う際は、勤務中を意味するケースが多いです。始業してから終業するまでと考えるとわかりやすいでしょう。
お店やレストランでは、営業時間を終日で表すことがあります。24時間営業のお店もあれば、朝に開店して夜までに閉店するお店もあるため、具体的な時間帯はお店ごとに異なります。
日常生活では、自分が起きている間を表す際に用いられるのが一般的です。例えば、一日中テレビを見ていたと伝える場合は「終日テレビを見ていた」と表現できます。
■終日と全日の違いとは?
終日と混同されやすい言葉として、全日(ぜんじつ)が挙げられます。まずは辞書での説明を確認しましょう。
【全日:ぜんじつ】
1.すべての日。毎日。
2.まる一日。一日中。終日。「全日ストライキ」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
全日は、毎日や丸一日を表す言葉です。終日とは異なり、特定の時間帯を示すわけではありません。何時から何時と定義されているのではなく、その日付自体を表します。両者はまったく異なる意味をもつため、正しく使い分けられるようにしておきましょう。
■終日のよくある誤用と注意点
終日を使う際に「終日中」と表現するのは誤用です。なぜなら、終日にはすでに一日中という意味が含まれており、意味が重なってしまうためです。
また、ビジネスの場面で終日を使う際は、明確な時間帯を指定できないと理解しておきましょう。上述のとおり、終日にははっきりとした定義がないため、自分と相手の間で認識にずれが生じる可能性があります。
特に重要度の高い仕事においては、認識のずれがトラブルにつながることもあるため、時間を伝える際は細かく指定するのが無難です。
ビジネスで使える終日の例文4つ
終日はさまざまな言葉と組み合わせて使えるのが特徴です。例えば、ビジネスシーンでは以下のような表現が多用されます。
1.終日対応可能
2.終日運休
3.終日営業
4.終日仕事
終日を正しい意味で使えるように、それぞれの例文を理解しておきましょう。ここでは、ビジネスで使える終日の例文についてわかりやすく解説します。
1.終日対応可能
終日対応可能は、始業から終業までの間に対応できると伝える際に用いられます。一日中対応できるという意味ではないため、相手に終日対応可能と言われた場合でも、勤務時間外に連絡するのはマナー違反です。また、勤務時間中であっても、始業直後や忙しい時間帯に連絡するのは避けましょう。
終日対応可能の具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
・ご相談は終日対応可能です。
・来週の水曜日でしたら、終日対応可能です。
2.終日運休
終日運休は、交通機関が終電や最終便まで運休することを表します。早朝や前日の段階で終日運休とアナウンスされている場合は、その日の便は運行されないという意味です。主に、台風などの災害やトラブルが発生した際に用いられることが多い表現です。
終日運休を使った例文には以下が挙げられます。
・トラブルが起こったため、電車が終日運休となっているようです。
・台風の接近により、飛行機が終日運休になりました。