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2022.06.23

「名画観察」で子どもの読解力と表現力が伸びる訳|正しい読解を邪魔する「思い込み」を解放する



文章を書くのも読むのもなんだか苦手、テストでは問題を読み違えてばかりで点数が伸びない……。そんな子どもの国語力は、どうしたら身につくのでしょうか。今回は、国語専門の教室で小学生~高校生を長年指導し、一流難関校への合格者や全国テスト上位の成績者を毎年輩出している『国語の成績は観察力で必ず伸びる』の著者、久松由理さんに話を聞きました。国語の苦手な子どもたちが足を引っ張られているのは、意外なポイントでした。

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今でこそ、学校の名簿は男女混合のアイウエオ順ですが、ひと昔前までは男子が先、その後に女子、というのが当たり前でした。男女の役割分担など、小さい頃、家庭や学校生活の中で知らず知らずに刷り込まれた価値観は、大人になっても私たちの行動や考えを支配しますから、上のように「おばあさん」が先にくる文章を読むと、一瞬「えっ?」と戸惑い、読み間違えそうになりますよね。

ジェンダーの問題に限らず、私たちは実にさまざまな思い込みや先入観を持っていて、この主観が強すぎると、人の話を聞いたり、文章を読んだりした時、自分と価値観の違う人の言葉を、さっと受け入れることができません。この傾向は、社会経験の少ない子どもほど顕著で、「本当かな?」と疑ったりしている間に、授業がどんどん進み、よけいに理解できなくなってしまうのです。

自分の価値観で解釈すると誤読する

また、主観の強い子は、見聞きした物事を自分の価値観で解釈してしまうので、文章の意味内容を誤読することも多いのです。

先ほど挙げた例は、まさしくそのパターン。「アヒルの子どもはみんな可愛い」と強く思い込んでいる子は、まさか「みにくいアヒル」が「醜いアヒル」を意味しているとは思いません。瞬時に「見にくいアヒル」だと、自分の理解しやすいように解釈してしまうというわけです。

国語が苦手な子の頭の中では、このような誤解が頻繁に起きているのですから、国語のテストで良い点が取れるはずがありません。ですから、まずは子ども自身に「あなたのものの見方、解釈の仕方は、ちょっと違うんだ」ということに気づいてもらわなくてはいけません。でも、そんなことを小さい子どもに教え、理解してもらうのは、なかなか大変ですよね。

そこで、私の国語教室では、名画を使ってその子の思い込みや先入観をとる「絵画観察トレーニング」を授業に取り入れ、客観的な視点を養ってもらっています。

『国語の成績は観察力で必ず伸びる』153ページより『国語の成績は観察力で必ず伸びる』153ページより

例えば、上の絵。ジュゼッペ・アルチンボルドの「オルトラーノ」という有名な作品ですが、この絵の観察作文を書かせると、最初はみんな次のようなことを書いてきます。

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