3.動揺
動揺はゆれ動くこと、気持ちがゆれ動くこと、社会や組織の秩序が失われることという意味のある言葉です。日常会話だけでなく、政治、経済、文化など幅広い分野で使われる言葉といえるでしょう。
【例文】
・国際情勢が不安定となって、原材料の供給のメドがたたず、多くの製造会社の間で動揺が走りました。
・ピッチャーが投げようとした瞬間、バッターが動揺を誘うようにバントをするポーズを取りました。
・政府の要職についている議員とある団体との癒着が問題となって、与党全体が動揺しています。
「蕩」という漢字を使った熟語2つ
「蕩」という漢字には揺れ動く、酒や遊びなどにおぼれる、豊かに広がっている、洗い流すなど、多様な意味があります。「蕩」という漢字を使った熟語も数多くあり、良い意味で使われるもの、悪い意味で使われるものなど、さまざまです。
以下の2つの熟語も、かなりニュアンスの異なるものと言えるでしょう。
・放蕩
・春風駘蕩
それぞれの言葉の意味と例文をご紹介します。
1.放蕩
放蕩とは思うがままに振る舞うこと、酒や遊びに溺れること、またはそのさまを表す言葉です。かなりネガティブなニュアンスのある言葉といえるでしょう。読み方は「ほうとう」です。
【例文】
・先代社長が地道に働いて築き上げた会社を、二代目の放蕩息子が跡を継いだとたん、業績が急激に悪化して倒産の危機を迎えている。
・世界的な大スターのAは若いころにさんざん放蕩三昧の生活を送ったせいか、年を取るとともに落ち着いてきて、今は仙人のような枯れた暮らしをしています。
2.春風駘蕩
春風駘蕩とは、春の風がのどかに吹く様子、または人の態度や性格がのんびりとしていて温和であることのたとえとして使われる言葉で、読み方は「しゅんぷうたいとう」です。
【例文】
・うちの社長は会社が厳しい状況にあっても、いつも春風駘蕩としているので、従業員も安心してついていくことができます。
・ずっと雨が続いていたのですが、花見をした日だけが春風駘蕩と言いたくなるような陽気だったのは、きっと参加者の日頃の行いが良かったからだと思います。
「揺蕩う」の意味と読み方を知って正しく使おう
「揺蕩う」はゆらゆらと揺れ動いてなかなか位置が定まらない、気持ちが定まらずにためらうという2つの意味のある言葉です。読み方は簡単ではなく、「たゆたう」と読みます。
「揺蕩う」の名詞での表現に「揺蕩い」、「揺蕩」という言葉もあるので、併せて覚えておくといいでしょう。それぞれ読み方は「たゆたい」と「ようとう」です。「揺蕩う」の意味と読み方を知って正しく使ってください。
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