真面の読み方や意味は?
まずは、クイズです。「真面」は、どのように読むのでしょうか?
ヒントは、まっすぐに向かい合うという意味があり、普段の会話でもよく出てくるフレーズです。誰でも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
答えは・・
「まとも」です。
正解を聞くと、「こんな漢字を書くのか」と驚いた人も多いのではないでしょうか。文章で書くときもほとんどひらがなで、漢字を知っている方は少ないかもしれません。
ここでは、真面の意味や言葉の由来についてご紹介します。
■真面の意味
真面は主に正しさやまじめな様子を表す言葉ですが、その意味合いはさまざまです。大きく分けて次のような3つの意味があります。
【真面】
[名・形動]《「真(ま)つ面(も)」の意》 1 まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。「—に風を受ける」「—に相手の顔を見る」 2 策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。「—に戦ってはとても勝てない」 3 まじめなこと。正当であること。また、そのさま。「—な人間になりたい」「これは—な金だ」 [派生] まともさ[名]
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
相手と真正面に向かい合うときや、策略を練ることなく正々堂々と戦うときなどに「真面」を使います。また、人や物事が正しい状態であるときに「真面」と形容することも多いでしょう。
道徳的な正しさや、公正であることを表すときに使われる言葉です。
■真面の由来
真面は、「真つ面(まつも)」という言葉が転じた言葉です。「真つ面」の「真」は、正確な状態にあることを表し、「つ」は「の」という意味を表す助詞で、これが「と」に転じて正道であり、まじめであることを表しています。「真つ面」が「まとも」に転じて、漢字表記では「真面」になりました。
また、真面は「真艫(まとも)」が由来であるという説もあります。真艫とは船の真後ろのことで、真艫に受けた風は追い風となり真正面に進みます。
その様子は順風満帆であり、最も効率の良い正しい在り方です。それが真面の意味に通じることから、語源であるとされています。
「真面」の例文
真面を使った例文をいくつかご紹介します。例文を通して、真面の持つ複数の意味を確認しましょう。
〈まっすぐに向かい合うという意味〉
・冷房の風を真面に受けて体がすっかり冷えてしまった
・後ろめたい思いがあり、相手の顔を真面に見ることができなかった
・ボールが真面に鼻に当たってしまった
・真面にライトを照らされて、しばらく目を開けていられなかった
・正面に回って真面に目を見られたので、思わずうろたえてしまった
〈策略や駆け引きをしないという意味〉
・あのチームはあまりに強すぎて、真面に戦って勝てる相手はいない
・真面に勝負しなければ、本当の実力はわからない
・彼は人の話をよく聞かないので、真面に話し合っても無駄なだけだ
・真面な採点をされていれば、彼女の勝利は間違いなかった
・あのとき真面に交渉していれば、今のような状況にはならなかった
〈まじめであることや、正当という意味〉
・1日でも早く、真面な人間になることを願っている
・彼は長年、事務員としてまともに働いてきた
・真面に作業をしていれば、今ごろはすべての業務を終えていたはずだ
・これは真面なお金なので、安心して受け取ってほしい
・労働をせずにお金を稼ごうとするのは、真面な考え方ではない
「真面」の類語
真面にはいくつもの意味がありますが、それぞれによく似た言葉があるのが特徴です。真面は主に、以下のような意味で使われます。
・回避したり妥協したりしない
・高潔で正しい様子
・常識的な感覚である
・ちょうど正面にある、正面に向かっている
意味ごとによく似た言葉を覚えておけば、会話などで表現の幅が広がるでしょう。
ここでは、真面の類語について意味ごとにご紹介します。