義父が他界し高齢になった義母と同居へ
結婚3年目の香代さん(仮名)の夫は13歳年上で、すでに50代。結婚が遅かったことや夫の年齢を考慮し、子作りはせずに夫婦だけで暮らしてきました。しかし最近になって義父が他界。高齢になっている義母のひとり暮らしは不安が多いという理由から、義父母が建てた家で同居生活をスタートさせることに…。
「私は40歳のときに結婚したので、結婚がかなり遅かったほうだと思っています。夫とは4年近く付き合って結婚しましたが、お互いに仕事優先の日々を送ってきたので、夫の本当の性格まではしっかり見ずに結婚してしまったのかもしれません。
夫婦だけで生活をしているときには特に問題はなかったのですが、同居を始めてから、夫が極度のマザコンだったことに気づきました」
妻の行動にいちいち文句を言う義母…それを擁護するマザコン夫
義母はもともと自分勝手な性格で、同居前もたびたび香代さんの行動にケチをつけてきたそうです。同居を始めてからは、さらに義母の行動がエスカレート。朝から晩まで香代さんの家事を監視し「やり方がおかしい」「なんでもっと丁寧にできないのか」などと文句を言い続けるのだそうです。
「今はテレワークメインで仕事をしているので、朝から晩まで義母と同じ屋根の下にいます。仕事の合間に家事をするので、正直そんなに丁寧に家事ばかりしていられない。でも義母はそんな私のやり方が気に入らないようなんです」
夫に状況を説明し「あなたからもお義母さんに言ってもらいたい」と伝えたところ、夫は逆ギレ。「お袋とは血が繋がっているけれど、君とは他人。なぜ家族に俺が文句を言わないといけないの? 俺たちは両親が建てた家で暮らしているんだし、むしろ君がお袋の言うことを真摯に受け止めるべきだろう」と怒られたのだとか…。
「夫の言い分には、まったく納得いきません。夫の話を聞いていると、まるで私は居候の立場で他人を住まわせてあげているという言い方をしてくるんです。私はきちんと妻としての役目を果たしているつもりですので、こんな言われ方をして絶句するしかありませんでした…」
義母の言動がエスカレート。孤立する妻
そんな生活をもう半年以上も続けているという香代さん。最近では、義母の行動もエスカレートし、夫と義母が結託して香代さんが孤立する構図になっていると話します。
「義母と夫で私の悪口を言っていたり、休日に私を置いてふたりだけで出かけたり。なんだかもうバカらしくて、あのふたりに何かを言う気にもなれません。最近ふと、夫は自分の親の介護要員が欲しくて私と結婚したのかなって思うようになりました。ご縁あって結婚したのでもう少しだけ頑張ってみますが、おそらくこの感じだと状況は悪くなる一方。そんなに親子で結託したいなら、親子だけで暮らせばいいのにって思ってしまいます。
子どもがいないのが幸いなので、離婚をしようか真剣に悩んでいます」
年齢差のある結婚だと、将来の介護を見据えて結婚を決める人もいると聞きます。香代さんのケースがこれに当てはまるかはわかりませんが、夫の行動を見る限り、そう受け取られても仕方ないでしょう。こういったケースでは夫婦の絆より親子の絆を重視する夫が多いため、話し合いを繰り返しても改善しないどころか、かえって夫と義母の結託が強まる例も少なくありません。すぐに離婚とはいかなくても同居生活を解消し、環境を変えることが叶えば、今よりも状況がよくなりそうですが…。こういうタイプの夫が義母との生活を快く解消する可能性も低いと言わざるをえません。
取材・文/並木まき