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2022.10.05

育休じゃなくて育業!最近耳にする〝育業〟とは? 育児休業取得の現状とその背景

今年東京都により、育児休業の新たな愛称として発表された「育業」。育児休業取得の現状など、その背景をまとめました。

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「育業」って聞いたことある?

みなさんは「育業」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 最近ニュースなどで耳にしたり、新聞やWebの記事で目にした人も多いかもしれません。「育業」とは、育児休業を取得しやすい社会の気運醸成のため、東京都が育児休業の「休む」というイメージを一新する愛称を募集し選ばれたもの。今回は、この「育業」とは何なのか、言葉が作られた背景含めご紹介します。

育児休業の現状とは

今年4月から改正「育児・介護休業法」が段階的に施行され、有期雇用における育児休業の取得要件の緩和や産後パパ育休制度など、法制度の面での環境整備が進められています。とはいえ、実際のところ育児休業取得率は男性13.97%・女性85.1%と、特に男性では1割強にとどまっているのが現状*¹ 。また女性の取得率は8割以上といっても、取得率の算出は就業を継続する人が対象であり、第1子の出産を機に退職する女性は30.5%に上ります*² 。本記事を読んでいる子どもがいる女性の中でも、自分は育児休業を取ったが夫は取らなかった、あるいは育児休業を取れる環境ではなく退職したという人も多いのではないでしょうか。

東京都の調査で育児休業の課題として特に多く挙げられたのが、「代替要員の確保」と「休業中の賃金補償」*³ 。その中で東京都では今年、男性の育児休業を推進する企業への助成金を大幅に拡充するとともに、夫婦交替などでの育児休業を後押しするため、補正予算により新たな助成金を創設するなど企業の取組への支援が始められました。

育業

しかし課題はそれだけではなく、同調査では「職場がそういう雰囲気でない」「男性自身に育児休業を取る意識がない」「社会全体の認識の欠如」「前例 (モデル) がない」「キャリア形成で不利になる懸念」「上司の理解が進まない」といった声も多く挙がっており、社会や職場からの理解が得づらいことなども育児休業取得に躊躇する人、取得できない人が未だに多い要因となっていることがわかります。

*¹ 厚労省「令和3年度雇用均等基本調査」
*² 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」
*³ 東京都産業労働局 令和3年度「女性活躍推進法への対応等 企業における男女雇用管理に関する調査」従業員調査

育休のイメージを一新? 新愛称「育業」

このように育児休業への理解がまだまだ進んでいない中、昨年12月19日に東京都が開催した「こどもスマイルムーブメント キックオフ・アクション」における出演者の議論の中で出されたのが、「『育児休業』という名前が良くない」、「休んでいる、楽しているかのような印象を与える」という意見。実際には出産後の育児に苦労が多いことは想像に難くなく、仕事以上に大変なんていう話も聞きますが……。また、こどもスマイルムーブメントの参画企業・団体からも「育児休業にポジティブな印象を与える呼称があるとよい」という声が。

これらの意見を踏まえ、今年4月東京都は、育児休業の「休む」というイメージの一新を図る愛称を募集。8,825件の応募の中から選ばれた愛称「育業」が6月に発表されました。

〈育業のコンセプト〉

・育児は、「未来を担う子供を育てる大切で尊い仕事」です。
・「業」には、「仕事」という意味のほか、「努力して成し遂げること」という意味があります。苦労も大きいが、その分、幸せも大きいのが育児であり、育児は正に育「業」です。
・業務にチームワークが重要であるように、育児には周囲の協力が不可欠で、育児休業には職場の理解が必要です。育児休業は、皆で協力し合う「育業」であると言えます。
・「育児のために仕事を休む」のではなく、「大事な仕事である育児に取り組む」と考えるマインドチェンジを進め、男女を問わず望む人誰もが「育業」できる社会を目指しましょう。
(東京都)

また今月には、改正「育児・介護休業法」が施行。東京都はこれを契機に育業の理念をさらに広く浸透させ、誰もが育業しやすい社会を目指す取組を進めようとしており、その一環として「育業」のロゴマークを発表。

また、今後は企業・国・インフルエンサーとのコラボにより、ロゴマークを活用した「育業」推進キャンペーンが実施されることも発表しています。

育業 育業とは

子育てのために女性だけがキャリアを中断する、男性はキャリアのために子育ての時間を諦めると、育児に関して男女ともにほとんど一つの選択肢しかない状態が続いている現在。果たして、性別を問わず望む人誰もが育児休業を取得しやすい社会の気運が生まれるきっかけとなるのか、今後の展開に注目です。

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