■“生命保険”で使用される「保障」
死亡や病気、障害などの状況に陥った場合に、経済的な損失を防ぐために加入する生命保険で使われるのは、保障という言葉です。入院や死亡など保険事故が発生した際に保険会社から給付金や保険金の支払いを受けられる保険期間は、保障期間とも呼ばれます。
生命保険で具体的に受けられるサービスには、死亡保障や医療保障、収入保障などが挙げられます。このうち死亡保障は、契約者が亡くなったときにあらかじめ契約で決められた死亡保険金が支払われ、遺族が経済的に困窮しないように保護するものです。
「保証」と「保障」のほかに「補償」もある
保証と保障のほかに、同じく「ほしょう」と読む補償という言葉があります。「償う」という意味の漢字が含まれており、なんらかの損失が生じたときに、その分を埋め合わせすることをあらわします。
保険の分野で補償が使われるのは、自動車保険や火災保険、旅行保険などです。自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合、事故相手への賠償や損失を補償します。また休業補償では、たとえば業務上の事故によって休業を強いられたときに、減少した収入のすべてまたは一部を補い、損失を埋め合わせします。
・休業に対する補償を受けられたため、なんとか生活することができた
・自動車保険の見直しにあたって、本当に必要な補償に絞ろうと考えている
・今回の台風で大きな損害を受けたが、火災保険のプランが補償を受けられるタイプだったため、助かった
「保証」と「保障」を正しく使い分けよう
保証は間違いがないことを認め、大丈夫だと約束することを意味します。保証を使った言葉としては、保証書や保証人などが代表的です。
一方で保障は、権利や地位などがなんらかの脅威や損害に脅かされないように保護することをあらわす言葉です。保障を用いた言葉には、安全保障や社会保障などが挙げられます。保険においては、保証は個人年金保険で、保障は生命保険で使われることが一般的です。
そのほか補償も「ほしょう」と読み、損失が生じたときにその分を埋め合わせするという意味をもちます。
保証と保障は読み方が同じであるため混同しやすい言葉ですが、意味は異なることに注意が必要です。保証と保障のそれぞれの意味を正しく理解し、使い分けましょう。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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