4:父に、壊れた時計を直してもらう
ここで使っている「直す」は、壊れた時計を元の状態に戻すことを表しています。例えば、イヤフォンが切れてしまったとき、ただ線を繋ぎ合わせるだけでは「直る」とは言えず、線を繋ぎ合わせた上で、きちんと問題なく音が聞こえる状態になれば「直る」と表現することができます。
「治す」の使い方を例文でチェック
次に、「治す」の使い方を詳しくみていきましょう。「治す」は、怪我や病気に関する文章でのみ使える言葉なので注意が必要です。
1:風邪を治す
この場合の「治す」の対象は、人や動物です。人や動物を健康な状態にする際に、「治す」が用いられます。しかし、「風邪を治す」と表すことはできますが、「鼻水」、「せき」、「熱」など、風邪の症状について使うことはできません。症状については、「鼻水(咳)を止める」「熱を下げる」となります。
2:歯医者に行って、歯並びを治す
「歯並びをなおす」という文の場合、身体の一部である歯の状態を今の状態よりもよい状態にすることなので「治す」を使います。
実は方言?「ものをなおす」の意味とは?
「なおす」にはこれまで説明してきた「直す」と「治す」の意味以外にも、別の意味があります。それは、「収納する」「片付ける」「整頓する」などの意味です。
ただし、この意味で使っている地域は、主に関西地方。つまり、使われる地域が限定されている方言です。「部屋が散らかっているから、なおしておいて」というように使います。
最後に
今回は、「直す」と「治す」の違いについて、意味の違いから用法の違いまで詳しく見てきました。「直す」は、あるものの位置や形状を乱れた状態から元の状態に戻すこと、好ましい状態に変えること。それに対して、「治す」とは、人や動物の怪我や病気を健康な状態に戻すことを表しています。
「なおす」対象や、どのような状態にするのかによって、表現の違いがあるということがわかりました。「なおす」を漢字で表記しなければならないときに迷ったら、本記事を思い出してください。
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