街中が虹色に染まる!?「プライドパレード」参戦レポート
今年で44年目を迎えるシアトルプライドパレードにたまたま居合わせた私。全くもって参加するつもりはなかったのだけど、私をゲイタウンからホテルまで運んでくれたUBERドライバーのナンシーに勧められ、これもまた運命と思い参戦してみることに!そこには日本ではあまり体験できない歴史を感じるようなシーンや様々な人種が集まるアメリカならでは光景が・・・。
ゲイフレンドリーな街シアトルへ
とあるお仕事で週末にシアトルへ。仕事を終え、シアトルのCapitol Hillにあるゲイクラブで1杯引っ掛けて、ダウンタウンまでUBERで帰ることにした私。ドライバーのナンシーからのどこから来たの?何しに来たの?といった鉄板の質問にアンサーしてるうちに、その翌日に行われる「シアトルプライドパレード」の話に。ナンシーは両親が離婚してから、一緒に住む双子の叔父(ゲイ)と叔母(レズビアン)に育てられ、叔父の彼氏と叔母の彼女の4人が親代わりだったそうな!ここまで聞いただけでもとってもレインボーなお話なんだけど、ナンシー自身も子供を連れてプライドパレードによく参加しているんだって。もうなんてLGBT先進国なのかしら!そんな話に触発され、私も思い切ってパレードを見に行ってみることにしたわ。
街全体がレインボーに包まれる1日
朝11時からの開始に関わらず街全体がお祭りムード。レインボーのコスチュームを身に纏った高校生くらいの団体や、パレードでマーチするであろうフロートを用意している人たちでメインストリートは大賑わい。サイドストリートは沢山の人で埋まり熱気ムンムンの中、司会者のドラァグクイーンが登場。まずは、オーランドでの乱射事件などの悲しい事件で命をなくした方々への黙祷でパレードがスタート。思わず私もウルっときてしまったわ。
その一方で、「You must born again (生まれ変わりなさい)」などと書いたプラカードを持ち、反同性愛を訴える団体が登場。一瞬イヤな気分になったけれど、彼らへ立ち向かうLGBT当事者ではないストレートの若者がいたことに心打たれたわ。他人事としてではなく、自分たちのコミュニティーの問題として捉えているその姿勢がこの街そのものなんだなって。
パレードを盛り上げる企業もアメリカならでは
パレードには、スターバックス、マイクロソフト、グーグル、UBERと名だたる企業が参加。企業だけじゃなく、シアトル警察、消防署、WNBAのシアトルストーム、デンタル協会など本当に様々な団体が街を挙げてのパレードに加わっているの。シアトルの地下鉄は「RIDE WITH PRIDE」と韻を踏んでるキャッチコピー!「プライドと一緒に乗ろう」なんてとってもイキよね。
印象的だったのは、様々なカラーのキャップや、ピンバッチ、ステッカー、レインボーのブレスレットなどを配りながらパレードする団体が多かったこと。サポーターをワクワク楽しませようとする姿勢があるの。警察官が楽器を演奏しながらマーチングしたり、消防士達も水鉄砲で水をかけながら歩いたり。日本ではなかなかお目にかかれない光景よね。街が1つのコミュニティーとして盛り上げている印象を受けたわ。
参加することが1番の意思表示!?
参加者はLGBT当事者だけでなく、パレードに参加している企業の社員さん、団体の職員さんやその家族・友人が多く、街をあげての応援ムードでとってもピースフル。LGBTだけでなく、お互いの違いをそれぞれ認め合って、1つのコミュニティーとして支え合って生きましょうよ、と訴えているかのように感じられたパレードだったの。「黒人はマイノリティー。黒人でゲイなら更にマイノリティーなの?」と訴えている人、「移民でゲイ」とプラカードに書いて歩いている人、「私は2人のママがいます」と書いたカードを持って参加してる子供と、本当に多種多様でみんながプライドを持って参加してるの。そこには、「LGBTだから」といった1つの観点からだけでなく、アガペーのように全ての人の違いを「受け入れる愛」が溢れていたわ。そして、こうしたパレードに参加している若者の数にも驚きよ。子供の頃から参加していたら、LGBTの存在を否定することなく、かつ特別視することもなく当たり前のこととして受け入れられそうよね。
セクシャルマイノリティーって左利きの人と同じくらいの割合でいるんですって。でも、LGBTだけじゃなく、どんな人でもみんなが少しずつ協力・理解しあって、お互いの違いを受け入れて更に住みやすい世界になるきっかけがこのパレードかしら、なんて柄にもないこと思っちゃったわよ。お互いの違いを否定することではなく、認め合い、補っていくことの素晴らしさを教えてもらった気がするわ。だって、LGBTじゃなくても、みんなそれぞれ何かコンプレックスがあったり、隠したいことがあったり、触れられたくない点もあるはず。まずはあなたから歩み寄って他人の違いを受け入れることで、あなただって人から受け入れて認めてもらえるんじゃないかしら?そして、このパレードに参加することが、「私は違いを受け入れる」という意思表示になるんじゃないかしらね。
Let’s make our world better together♡人と違うということは、とってもスペシャルなことだと私は信じているわ。
BE YOU-TIFUL 「BE YOU あなたらしく」と「BEAUTIFUL 美しく」をかけたFacebookのキャッチコピーを皆様に。あなたらしくが1番美しい。他の人と違っていてもね。
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Keisui Suzuki
アラフォー独身GAY。飲食業界歴は、もはやうん十年。とある上陸系バーガーレストランのPRマーケを経て、今や年間100日以上は旅をしているデジタルノマド。独G(自)の目線で物事をご紹介していきます。keisui