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端材とは?
ホームセンターなどで見かける、木の端材。さまざまなサイズのものが安価で売られているため、「これを使って何かつくれないかな」と考える人も多いのでは? 近年では、余った端材を使った環境に優しい取り組みも注目されています。
そこで、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でリフォームやインテリアを提案されている堂本章弥さんに、端材についてお話をうかがいました。
「端材(はざい)」とは、材料から必要な部分を取った後の残り部分のこと。木材の場合、通常、山から伐採した丸太を板や柱などに加工する際に、樹皮や端っこの部分は削り取られます。余分な端材は細かく粉砕され、燃料になるほか、ホームセンターなどでDIYの素材として販売されることも。
ちなみに、端材とよく似たものに「廃材(はいざい)」があります。先述したとおり、木の端材は木材を加工するときに生じる余った部分のこと。材質や形はバラバラですが、品質には問題がないため、違う形で再利用されることが一般的です。
一方、廃材は、建物の解体などで出た廃棄される木材・材料のこと。多くはチップにして木質ボードや製紙用の原料として利用されます。質が悪いものは燃やされ、エネルギー源として使われることも。
端材の入手先
端材を使って何かつくりたいけれど、どこで購入したらよいかわからないという方も多いはず。端材といえばホームセンターで買うというイメージがありますが、ほかにも入手方法があります。
1:通販
端材は、アマゾンや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトからも購入することができます。車で持ち帰れないような大きいサイズでも配送してもらえるため、便利です。中には、端材専門の通販サイトもあるため、比較してみるのもよいでしょう。
2:フリマアプリ
メルカリやPayPayフリマなどの大手フリマアプリでも、端材が販売されています。個人間の取引のため、通販より安い価格で入手できる可能性も。
3:ホームセンター
ホームセンターは通信販売とは違って、購入前に商品を手にとって確認できる点がメリット。ただし、店舗によって品揃えに差があるため、せっかく足を運んだのに希望のものが見つからなかったということもありえます。
4:木材屋
建築会社や木材屋の中には、業務中に出た端材を無料で提供しているところもあります。ただし、会社まで自分で取りに行くことが条件であることが多いようです。また、業務の合間に端材の引き渡しを行うため、日時が決まっている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
端材を使ったDIYアイデア
ハンドメイドやDIYブームもあり、端材を使ってものづくりをしてみたいという方もいるのではないでしょうか。比較的安価で購入できる端材を使って、欲しいものをつくることができればうれしいですよね。さっそく端材を使ったアイデアをチェックしていきましょう。
1:棚
端材の活用法として、大きめの板を組み合わせて棚をつくるのが人気です。本棚のほか、雑貨をディスプレイするための棚、雑誌を見せて収納できる棚などのアレンジも可能。脚にキャスターをつければ、可動式の棚にもなり便利です。棚のデザインを自分好みに変えられるところも、DIYのメリットですね。
2:小物・雑貨
ウッドプレートやコースター、オブジェなどの雑貨類をつくることもできますよ。木材の表面にペンキを塗れば、カラフルな色や柄をつけることも可能です。また、ステンシルシートを使って英語のロゴなどを入れても、おしゃれなインテリアに変身します。
3:おもちゃ
端材を使って、子供のおもちゃをつくる人も。キューブ状の端材にペンキで柄をつけ積み木にしたり、動物をつくったりできます。中には、おままごとセットをつくったり、人形用のベッドをDIYする人も。子供が喜びそうなアイテムを一緒に考えたり、つくる時間を楽しんだりしているようです。
4:キッチンアイテム
普段使うキッチンアイテムを自作してみては? たとえば、調味料をいれるスパイスラックなどはキッチンにあると便利なアイテム。同じ入れ物をふたつつくって重ねておいたり、2段のものをつくるのもよいでしょう。
自宅のキッチンに合うサイズのものが見つからない場合には、手づくりしてみるのも一案です。また、中にはキッチンペーパーやラップ類を収納できるキッチンラックをつくる人も。DIYが得意な方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
木材の種類
つくりたいものによっては、適切な木材を選ぶことも大切です。ここでは、代表的なスギとケヤキ、ヒノキの特徴について見ていきましょう。
1:杉(スギ)
スギはスギ科の常緑高木。木材として生産されている量が多く、建築材として下地材にも多く使用されます。木目が美しく、ほかの木と比較してやわらかいことが特徴です。そのため、ノコギリやカンナなどで加工しやすいので、初心者の人でも作業しやすい素材といわれています。ただし、その反面、凹みや傷がつきやすいデメリットもあるようです。
2:欅(ケヤキ)
ケヤキは非常に硬い木材なので、耐久性に優れています。木目が力強く美しいことから、日本では最良の広葉樹として扱われてきました。年月とともに色が濃くなり、磨くことでツヤが増すため、経年変化も楽しめる木材です。建築材や家具材として使われ、特にお寺の建築では欠かせないもの。和家具の材料としても使われ、和ダンスや机、ちゃぶ台としてもケヤキが用いられています。
3:檜(ヒノキ)
ヒノキは、抗菌効果や防虫効果があるとされ、土台や柱など住宅の構造部に使用されることが多いです。耐久性に優れ、伐採直後から強度が増していき、200年ほどがピーク。カンナなどで表面の仕上げを行うと美しい光沢が出ます。また、ヒノキ特有のよい香りが漂うことも。風呂桶や櫛、金槌、彫刻をつくるときにも欠かせない材料となっているようです。ほかの木材と比べると高価という面も。
最後に
この記事では、端材の特徴やDIYでの活用方法、入手先などを紹介しました。端材は、ネットやホームセンターで安価に手に入れられるので、「何かつくってみたい」と思ったときにぴったりの材料です。ぜひアイデアを活用して、素敵なアイテムをつくってみてはいかがでしょうか。
監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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