真珠婚式とは?
両親や祖父母の結婚記念日を祝った経験がある方なら、「金婚式」や「銀婚式」などメジャーな結婚記念日をご存じの方は多いかもしれません。しかし、実はその有名な記念日以外にも毎年結婚記念日にはその年にちなんだ名称が存在するのです。
「真珠婚式」とは、結婚30周年をお祝いする記念日のこと。「真珠婚式」の由来は、宝石である真珠です。
イヤリングやピアス、ネックレスによく使われている「真珠」にちなんだ結婚記念日には、意味があります。真珠は、時間をかけて海の中でゆっくりと年輪のように層を重ねて誕生するもの。この真珠のように、30年という長きに渡る夫婦の歳月を重ねて、いつまでも若く、健康長寿で暮らせるよう願いを込めてお祝いするものが「真珠婚」です。
結婚記念日をお祝いする習慣は、元々はヨーロッパが由来とされており、以前の日本では結婚記念日を祝う風習はありませんでした。国民に広く知られることとなった大きなきっかけは、1894年(明治27)に明治天皇が銀婚式のお祝いをしたこと。これを機に、国中に結婚記念日を祝う習慣が広がったのではないかといわれています。
ここでは、結婚記念日の名称一覧や、真珠婚式におすすめのプレゼントや過ごし方を紹介します。
結婚記念式一覧表
結婚記念日には、それぞれ年数に応じた名前がついています。結婚記念日の初めは柔らかいものからスタートし、徐々にしっかりとした固いものに呼び名が変化していきます。
なかなか全部は覚えられないので、一覧表で確認しながらその年の名称にちなんだプレゼントを贈るのも楽しいイベントになりそうですね。
基本的に、結婚記念日は年齢の数え方と同じ。結婚した年を始まりの「0年目」として翌年から「1年目」「2年目」というように数えていきます。
1年目「紙婚式」
2年目「藁(わら)婚式(綿婚式)」
3年目「革婚式」
4年目「花婚式」
5年目「木婚式」
6年目「鉄婚式」
7年目「銅婚式」
8年目「ゴム婚式」
9年目「陶器婚式」
10年目「錫(すず)婚式(アルミ婚式)」
11年目「鋼鉄婚式」
12年目「絹婚式」
13年目「レース婚式」
14年目「象牙婚式」
15年目「水晶婚式」
20年目「磁器婚式(陶器婚式)」
25年目「銀婚式」
30年目「真珠婚式」
真珠婚式を迎えた両親へ贈るおすすめのプレゼント
大切な両親が真珠婚式を迎えたなら、子供の立場からお祝いをするときっと喜ばれますよ。感謝の気持ちを伝えるには言葉で「おめでとう」と伝えるのも素敵ですが、せっかくなら何かスペシャルなギフトを贈るのはいかがでしょうか。考えぬいて選んだものは、きっと両親も喜んでくれるはずです。
ペアの物
普段から夫婦で使ってもらえるようなペアアイテムを選ぶ方も。人気があるのはペアグラスで、毎日使える定番のプレゼントです。お祝いなので、ハイブランドのものをセレクトするのもよいでしょう。
ペアグラスは雰囲気やデザインも様々。これからの長い人生も、二人で寄り添って生きてほしいという願いも込められます。
お酒
お酒好きな両親なら、夫婦で楽しめるような個人の好みに合ったお酒を選びましょう。お酒だけでなく、一緒におつまみになるようなものをセットで贈るとそのまま楽しんでもらえそう。きっといい夫婦の時間になるはずです。
体験型チケット
真珠婚式を迎える頃の両親であれば、なかなか二人だけでデートする機会がない方がほとんどではないでしょうか? せっかくの機会に、水入らずで思い出を作ってほしいのなら、体験型のチケットをプレゼントするのもおすすめです。
体験型のチケットは、ホテルでのマッサージや陶芸、乗馬体験など内容も様々。普段の会話から行きたい場所や興味のありそうなものをさりげなくチェックして、両親が楽しんでくれそうなものを調べておくことが大切です。
真珠婚式のおすすめの過ごし方
真珠婚式を迎えられる夫婦は、仕事が落ち着いていたり、子育てがひと段落していたりと、時間にゆとりができている方も多いかもしれません。これからの二人での生活を楽しむために、記憶に残るお祝いをしましょう。
「真珠婚式だから、こうしなければいけない」など明確なルールは存在しません。それぞれの夫婦に合った形でお祝いするのがベストです。
真珠婚式にちなんだ旅行に行く
思い切って海外旅行や国内のリゾート地など、お気に入りのところへ出かけるのももちろん素敵ですが、せっかくなら真珠婚式にちなんだ旅はいかがでしょうか? 真珠の養殖地として有名な三重県鳥羽市では、市内ホテルのチャペルで真珠婚式が行われているようです。
式では、本当の結婚式さながらの誓いのセレモニーやお祈り、賛美歌の合唱などが行われます。式後は夫婦の思い出やこれからのことを語って、真珠の母貝であるアコヤ貝に感謝の気持ちをつづり交換しあうようです。普段なかなか言えない感謝の気持ちを伝えることができるユニークなセレモニーは、生涯忘れられない、スペシャルな思い出になることでしょう。
特別な食事を楽しむ
お祝いには、特別感のあるおしゃれなレストランやホテル、料亭などで食事を楽しむのも一つ。結婚式を挙げた当時のホテルなど、思い出の場所での食事も素敵です。
記念撮影する
長年連れ添った夫婦の歩みの節目に、プロカメラマンによる記念撮影もおすすめです。夫婦二人だけでもよし、家族みんなで撮影するのもよし。思い出の場所でのロケーション撮影や、自宅での普段通りの日常の風景を撮影してもらうのも記念になりますよ。
最後に
なかなか聞くことはないかもしれない真珠婚式ですが、せっかく迎えたのなら、普段伝えることができない感謝を相手に伝えられるよい機会です。特別なお祝いをして、思い出深い記念日にしてください。
執筆
吉川沙織(よしかわ・さおり)
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。ライター所属:京都メディアライン
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