「尻に敷かれる」ってどういう意味?
そもそも「尻に敷かれる」とはどういう意味なのでしょうか。初めに言葉の意味から説明します。
家庭内で妻が主導権を握っている状態
「尻に敷かれる」とは、「妻が自分の意に夫を従わせて、思うままに振る舞うこと」を意味します。家庭内で妻が主導権を握っている状態というとわかりやすいでしょう。お金の管理はもちろんのこと、子どもの救育方針からどのようにお金を使うのかといった細々としたことまで、妻がすべて決定します。
世間では「妻が主導権を握る家庭はうまくいく」といった説も。妻に頭が上がらない夫をイメージしますが、本当はしっかり者の妻を信用しているからこそ尻に敷かれているのかもしれません。
「尻に敷く」妻をほかの言葉で表すと?
夫を尻に敷く妻は、ほかの言葉でも言い換えることができます。ここでは、2つご紹介しましょう。
しっかり者の「かかあ天下」
似た言葉には、「かかあ天下」があります。かかあ天下は群馬で生まれた言葉です。群馬は古くから絹産業が盛んなことで知られていて、女性が産業を支え大活躍しました。かかあ天下とは、家計を支えた働き者の女性のことを表しているのです。夫たちの「おれのかかあ(妻)は天下一」という言葉には、一生懸命働き家庭を支える妻への感謝の意も込められているのでしょう。
現代では、少し怖い妻を彷彿(ほうふつ)とさせる言葉ですが、本来の意味は全く反対です。
怖いけど愛情深い「恐妻家」
「恐妻家」も怖い妻を恐れている夫をイメージさせますが、ただ怖がっているというより妻に対する愛情も感じられます。家庭内の主導権は妻が握っていますが、夫は内心喜んでその状況を受け入れているといった感じです。家庭を支えている妻を大切に思うからこそ、あえて主導権を渡しているのでしょう。
怖いくらいにしっかりと家庭を管理している妻がいるからこそ、夫は安心して外で働けるのです。
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「尻に敷かれる」の英語訳は?
ここでは、尻に敷かれるの英語訳をいくつかご紹介しましょう。
・She wears the pants.
・She wears the trousers.
直訳すると「彼女はパンツを履いている」ですが、もともとパンツは男性のみが着る洋服。そのため「パンツを履く人=家庭内の主導権を握っている人」を意味するようになり、「彼女がパンツを履いている=彼女が主導権を握っている」となったのです。
pantsはアメリカ英語、trousersはイギリス英語で同じ意味を表します。 ほかにも「dominate」や「henpeck」を使った表現方法もあり、いくつか例文を挙げましょう。
・She is a leader of our family, and dominates everyone.
彼女が家族の主導権を握っており、すべてコントロールしています。
・To henpeck a husband could be the best way of happy marriage.
夫が妻の尻に敷かれることが夫婦円満のコツです。
夫を「尻に敷く」妻の特徴とは
夫を尻に敷く妻には、どのような特徴があるのでしょうか。結婚前にすでに次のような特徴があると、結婚後に尻に敷かれる可能性があります。
自分の意見をきちんと持っている
男性を尻に敷く妻は自分の意見をきちんと持っています。自分の意見をしっかり主張し、相手の意見になんとなく流されることはありません。夫に対しても同じで、夫と違う意見の場合は強く主張することも。
しかし、きちんとした意見を持っているということはブレない芯があるということ。家族や夫を支えるしっかり者の妻となる可能性が大きいのです。
夫に対しても負けず嫌い
夫を尻に敷く妻は負けず嫌いな人が多いでしょう。対人関係においても勝ち負けで判断してしまうことも。しかし負けたくないとの思いから、勉強や仕事に対して努力を惜しみません。よい方向でこの性格が発揮されると、社会のなかで高いポジションを得る可能性もあります。
ただし男性に対して負けたくないという強い思いがあると、夫に対しても競争意識が芽生える可能性が。お互いに競争意識を持ち夫婦で切磋琢磨し合うのであれば、理想の夫婦となり得るでしょう。
面倒見がよく世話好き
夫を尻に敷く妻は、もともと面倒見がよく世話好きです。夫を自分の子どものように面倒を見る妻は決して少なくありません。このような関係が定着すると、夫は妻に頼りっぱなしになります。妻を母親のように感じてなんでも言うことを聞いてしまうのです。
たしかに夫は妻の尻に敷かれっぱなしという状態ですが、夫にとって何もかも任せられる心地よい関係といえるでしょう。