熟年夫婦はあまり会話がない?
子供が自立すると、夫婦二人で過ごす時間が増え、それまであまり意識していなかったパートナーとの会話や関わりが気になりはじめるかもしれません。夫婦二人で楽しく過ごしたいと思っていても、会話が弾まず悩んでいるというケースもあります。
長く連れ添った熟年夫婦になると、お互いのことをよくわかっているつもりになり、大切なことほど伝えていないということも。しかし、長年そのスタイルでコミュニケーションを取ってきたのに、急に変えるというのも難しいですよね。
一方で、老後のことを思うと、夫婦二人で無理なく楽しく過ごせたらと願う人も多いはず。それにはどのような方法があるかを見ていきましょう。
熟年夫婦が無理なく楽しく暮らすには?
熟年夫婦が無理なく楽しく暮らすには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。家族の形が変わる中で、まずは夫婦の現在地を確認し合うところからはじめてみましょう。
まずは、夫婦の「現在地」を確認する
熟年夫婦が仲良く暮らすには、やはりお互いの協力が欠かせません。子供がいる生活スタイルと、夫婦二人の生活スタイルとでは、さまざまなことが変わるのが自然。いずれ来る仕事のリタイアを意識し、夫婦二人が快適に暮らすにはどうすればよいかを知っておくことが大切です。
まずは、今の暮らしを振り返りながら、自分たちの理想とする暮らしについて考えてみてはいかがでしょう。理想を実現するためには、まず今がどうなのかを知ることが大切です。
今、仕事や家事、趣味に割いている時間がどれくらいなのか、それぞれが書き出してみます。表形式で書き出してみると、どのような時間の使い方をしているかがよくわかり、比較もしやすいですよ。
その後、理想の時間の使い方を書き出してみます。出来上がったら、現実と理想の表を見比べて、以下のことを考え言語化してみてください。
・現実と理想のギャップはどうだったか?
・そのギャップを埋めるため、必要なのは何か?
また、表を見ながら、「本当はこれがやりたい」「もっと〇〇したい」のような思いが出てきたら、それも書き出しておきます。
相手に気持ちを伝えてみる
作成した表を見ながら、パートナーと話す時間を持ちましょう。もしギャップがあまりないのであれば、それはパートナーのおかげかも。その点はしっかりと認め、感謝の気持ちを伝えるといいですね。
もし、ギャップがあるという場合は、自分がこれからどのように暮らしていきたいか、それを素直にパートナーに相談してみましょう。また、新しく発見したことや、自分でも意外に思う気づきがあれば、それも伝えるといいですね。
もちろん、パートナーの話にもしっかりと耳を傾けます。おそらく、そこで初めて知るパートナーの姿や思いがあるはずで、新鮮な気持ちになれるのではないでしょうか。
熟年夫婦が無理なく楽しく暮らすには、「家のこと」シェアが欠かせない
熟年夫婦になると、「家のこと」をどのようにシェアしていくかで、お互いの不満の募り方が変わります。特に家事は、毎日のことですから、お互い気持ちよくシェアしたいもの。その点もしっかりと話し合っておきたいところです。
どちらかが経済的な負担を担い、どちらかが家事を担う、そのようなスタイルで結婚生活を送ってきた人も多いと思いますが、老後のことを考えると、最低限の家事はそれぞれができるようにしておきたいもの。そのことも視野に入れ、「家のこと」シェアを進めていきましょう。
まずは、どんな「家のこと」があるかをシェア
家事を含む「家のこと」にはどのようなものがあるか、それを夫婦でシェアすることからはじめましょう。洗濯や掃除には、各家庭の手順やルールがあるもの。その辺りも少しずつ共有しておくとよいでしょう。また、名前のない家事についても、しっかりと共有を。些細なこと、と思うことほど、実はしっかりと生活を支えてくれているものです。
「家のこと」をシェアするには、やはり書き出して一覧にするのがわかりやすいでしょう。「家のこと」を可視化することで見えることもありますから、ぜひやってみてください。すべて書き出せたら、パートナーに意見を聞きながら、家事の難易度をチェックし、分担について話し合います。普段あまり家事をしない相手に任せる場合は、負担の少ないものから徐々に任せていくのがおすすめです。
2人でやりたい“パラレル家事”
パラレルとは「同時並行」という意味です。夫婦二人が同時に別の家事をこなすと、効率的に家事を進めることができます。
たとえば、「一人が食事の用意をしている間に、もう一人が食卓を整える」や「一人が玄関を掃除している間に、もう一人が窓ガラスを拭く」などのようにしておくと、とても効率的。
避けたいのは、一人が家事をしているのに、もう一人がダラダラと過ごすこと。自分がゆっくりしたいときは、相手もそうであると意識し、協力してその時間を作れるようにしたいですね。
家事も身軽に
常に豪華な料理が並び、家はピカピカ、服はしっかりとアイロンがかけられている。それは当たり前の光景ではありません。家事が好きでそうしたいというのであれば別ですが、そうでないなら、もうそんなに頑張らなくてもいいのではないでしょうか?
熟年夫婦二人の生活に、それほど完璧な家事は必要ないかもしれません。生活スタイルの変化に合わせて、家事も断捨離することを検討してみましょう。
服はノーアイロンタイプに替えていく、毎日している拭き掃除を週3回に減らすなどしても、生活はそれほど変わらないはず。負担になっている家事を徐々に手放し、身軽になっていきましょう。
参照:内閣府男女共同参画局|夫婦が本音で話せる魔法のシート「○○家作戦会議」
熟年夫婦だから考えたい、自分たちの未来とは?
熟年夫婦になると、老後のことをやはり考えなければなりません。自分たちがどのような未来を送りたいか、それを意識して夫婦の在り方を再度考えてみるのも。特に家事については、どうシェアするかを話し合っておきましょう。
家事の分担については、それがささいなことだとしても、相手は何かしらの負担を感じるもの。相手が自分のペースで慣れていけるよう、気長に見守るのがベターです。
また、家事や経済的なことについて、他の家庭と比べるのはNG。これをされて、よい気分になる人はいません。大切なのは、自分たちのペースで心地よい関係性を作り上げること。お互いに配慮しながら、良好な関係で老後を迎えましょう。
最後に
長年連れ添った熟年夫婦になると、老後のことを視野に入れて関係性を再度見直す必要があります。夫婦二人の生活になれば、「家のこと」をしっかりシェアし、お互いに最低限の家事はできるようにしておきたいもの。ぜひ一度、じっくりと話す時間を持ち、未来について話してみてください。
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