皆無とは?
皆無は「かいむ」と読みます。まったく存在しないという意味です。ただ無いことを表すのではなく、まったく無いことを強調しています。何かが存在する可能性があることを前提に、それらが無いということを表します。
「全然ない」という名詞・形容動詞として使う方法が一般的です。
ここでは皆無の意味や、正しい使い方をみていきましょう。
■まったく存在しないこと
皆無とは、まったく存在しないということを表します。「皆」は「残らず」「全部」という意味があり、「無」は「存在しない」ということです。2つの漢字を合わせ、「まったく無い」という意味になります。
下に打ち消しの語を伴い、「まったく」「さっぱり」という副詞的な使い方もありますが、現代ではほとんど使われていません。
■皆無の正しい使い方
皆無は、「〇〇が皆無である」という使い方が一般的です。〇〇に入る事柄が完全に無いことを表します。また、完全に無ではないものの、限りなく無に近い場合は「皆無に等しい」「ほぼ皆無」といった使い方をすることもあります。
「皆無」という言葉には「まったく」という意味合いが含まれているため、「まったく皆無」「完全に皆無」という使い方はしません。二重表現になり、誤った使い方です。
まったく何も無いことを伝えたい場合には、「皆無」というだけで伝わります。
皆無の例文
皆無を使った例文をいくつかみていきましょう。
・これだけ点数がリードされたら、逆転できる可能性は皆無です。
・この問題を解けた生徒は、全校の中でもほぼ皆無だった
・彼のプランに賛同した人は皆無に等しかった
・偏差値が低くても、今から勉強すれば合格の可能性は皆無ではない
・多数の企画案が持ち込まれているため、自分の案が採用される可能性は皆無に等しい
・彼の仕事に関する知識は皆無だったため、一から教育するのは大変だった
皆無の類義語
皆無には、次のような類義語があります。
・絶無(ぜつむ)
・虚無(きょむ)
・零(ぜろ)
・空虚(くうきょ)
・欠乏(けつぼう)
・無一文(むいちもん)
これらの類義語と皆無は何も存在しないことを表す点で共通していますが、使う場面は異なります。皆無と一緒に覚えておけば、表現の幅が広がるでしょう。
ここでは、特に皆無とよく似た3つの類義語を解説します。
絶無
絶無とは、「まったく無い」という意味です。「絶」は「遠く隔たる」「この上なく」という意味があり、「無」は「存在しない」ことを表します。
皆無とほぼ同じ意味ですが、「絶無」の「絶」は物事を断ち切るという意味があり、少しの可能性も否定しています。無いことをより強調している表現といえるでしょう。
(例文)
・競争率が高すぎて、彼がその会社に入社できる可能性は絶無といえる
・彼には人望がなく、支持している社員は絶無に近い