虚無
虚無は、何もなく虚しいという意味です。可能性がないことを表す皆無に対し、虚無は「虚しい」という人の感情が含まれています。すべてのものに意味や価値を感じない気持ちを「虚無感」と表すこともあります。
(例文)
・長い間目標にして頑張ってきた志望校に合格できなかったため、虚無感に陥っている
・災害が起きた現場に入ったボランティアは、現地の悲惨な状況をみて虚無に襲われた
零
零は数字の0と同じ意味で、何もないことです。零は「れい」とも読み、「おちる」「こぼれる」という意味もあります。
零のもともとの意味は「雨だれ」や「静かに降る雨」で、それが「こぼれる」「したたる」という意味になり、さらに「あまり」という意味になったとされています。「あまり」が数に用いられて「端数」「ごく小さな数」を表すようになり、それが「何もない数」、つまり「ゼロ」を意味するようになったということです。
数字の0はまったくないことを表しますが、零は「零細企業」という表現があるように、「わずかに」「規模が小さい」という意味を持たせることもあります。
(例文)
・寒いと思って温度計をみたら、零と表示されていた
・あのチームは今年に入ってまだ一度も勝利がなく、零敗を更新している
皆無の対義語
皆無には反対の意味を持つ対義語もあります。一例として、次の言葉があげられます。
・充満(じゅうまん)
・豊富(ほうふ)
・充溢(じゅういつ)
・横溢(おういつ)
・潤沢(じゅんたく)
・豊穣(ほうじょう)
「何も無い」という意味の皆無に対し、満ち溢れているという意味の言葉です。ここでは、特によく使われる2つの対義語について解説します。
充満
充満とは、一定の空間などに、あるものが満ちることです。主に、ガスのような気体や雰囲気が満ちていることを表します。何も無いことを意味する皆無に対し、何かが満ちているという点で対義語となります。
(例文)
・窓を閉め切っていると澱んだ空気が充満するので、定期的に換気してほしい
・パーティーには多くの人が集まり、終始和やかな雰囲気が充満していた
豊富
豊富とは、量や種類が多く、豊かにあることです。幅広い対象に使われる言葉で、具体的なものだけでなく、「心が豊かになる」など、抽象的なものごとを表現するときにも使われます。
(例文)
・その国には豊富な天然資源に恵まれており、経済的な繁栄をもたらしている
・その店は在庫を欠かすことなく、常に豊富な種類の商品を揃えていると評判だ
皆無の意味を正しく覚えよう
皆無とは何も存在しないという意味で、まったく無いことを強調した言葉です。皆無という言葉のなかに「まったく」というニュアンスが含まれているため、「まったく皆無」「完全に皆無」という使い方は二重表現となります。
皆無には絶無や虚無、零といった類義語、充満や豊富といった対義語があるため、一緒に覚えると皆無の理解がより深まるでしょう。
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