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2024.01.03

無病息災を祈る七草粥|いつ食べるの? なにを用意するの? すべて解説

お正月明けに食べるお粥、「七草粥」にはどんな意味があるのでしょうか? 本記事では、七草の由来や、七草粥のレシピ、具材に用いる植物の種類、秋の七草など、七草にまつわる話を詳しくまとめました。今年は、ご自宅で七草粥を作ってみてはいかがでしょうか?

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年末年始の食べ過ぎによる不調や、体重増加がお正月後には気になりますよね。消化に良いお粥を口にすると、ごちそうで疲れた胃腸が休まりますよ。行事食の七草粥について、詳しくまとめました。七草の種類、また覚え方などについて、ご参考にしてください。

七草粥とは?

「七草粥」とは、無病息災を願い、お粥に春の七草を添えたことから呼ばれるようになりました。草の種類は地域によって違いがありますが、一般的なのは「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」の7種です。

七草粥っていつ食べるの? 

松の内の最後の日にあたる、1月7日が七草粥を食べる日です。

 七草

(c)Adobe Stock

松の内とは、正月飾りである門松がある期間を指します。お正月にお迎えした年神様の依代であった松を片付けて松の内が明けると、新年も普段の生活に戻るのです。その最終日の朝に、お粥を食べて無病息災を祈るのが、七草粥です。

松の内は、伝統的には元日から1月15日を指しますが、近年では短縮化されて7日までとされる場合が多いそう。ちなみに、1月15日には、小豆を入れたお粥、小豆粥を食べる地域があります。疲弊した胃腸を、消化に良いお粥で労わりたくなる時期と重なるのかもしれませんね。

七草粥の由来

七草粥とは、新しい年を迎えるにあたって「自然の芽吹きをいただき、活力を得よう」という信仰から始まりました。「ごちそうが続いて弱った胃腸を休ませるため」というのは俗説で、もともとは、中国の五節句のひとつ、人日(じんじつ)に起源があるといわれています。

七草を浸しておいた水で手を濡らしてから爪を切ると、悪い風邪にかからない、ともいわれ、これを七草爪と呼びます。病気をせずに一年を過ごせるよう、家族の健康を祈る気持ちが表れています。

七草粥の材料とレシピ

七草粥の季節には、スーパーでも七草パックが市販されるので、購入すると手軽です。または、手に入りやすく身近な、すずな(大根)と、すずしろ(かぶ)を使って作る方法もあるので、気楽に作ってみては? レシピをご覧ください。

七草粥

(c)Adobe Stock

材料(4人分)

米…1カップ
水…1000〜1200ml ※米の5倍が目安です。
熱湯…1カップ
塩…ひとつまみ(約1g)
かぶ…1個(約50g)
かぶの葉…40g
大根…50g
大根の葉…20g

作り方

【1】かぶと大根は皮をむいて、さいの目に切ってください。 それぞれの葉をよく洗い、 細かくみじん切りにします。

【2】 米を洗い、水けをきります。

分量の米と水を鍋に入れ、1時間くらいおいてから炊き始めると、ふっくらと柔らかい仕上がりになります。

【3】鍋に米と水を入れ、 蓋をして中火で沸騰するまで加熱します。

火加減は、煮え立つまでは中火、煮立ったらごく弱火にして、重湯を拭きこぼさないように注意しながら炊きます。

【4】鍋の中身が沸騰したら、かぶと大根を加え、 ごく弱火にして約20分加熱します。

【5】  葉のみじん切りと塩を入れます。サッと混ぜると七草の色が青く映えるので、火がとおったところで火を止めます。

葉を加えた後、お好みで熱湯1カップを加えてから全体を混ぜると、さらりとした仕上がりに。

【6】 全体を軽く混ぜ、お茶碗に盛りつけてください。

ポイント

土釜を用いて炊くと、熱伝導が低いことから米がゆっくりと加熱され、ふっくらとした甘みを感じるお粥になります。一方で保温性が高いことから、ぬめりが出て焦げやすくなるので、あまりかき混ぜずに炊くことが大切です。

七草とは

七草について、詳しい由来や歴史についてまとめました。

ザルに乗った七草

(c)Adobe Stock

歌と覚え方

1月6日の夜、あるいは当日の早朝に、まな板の上に材料を並べ、次のように歌いながら包丁やすりこ木でまな板を叩く風習があります。

「七草なずな、唐土(とうど)の鳥が、日本の国へ、渡らぬ先にあわせてバタバタ、ストントンヨ」

意味は、「田畑を荒らす害鳥は、遠くに追い払え」というような内容でしょう。表現は少しずつ違いがあるものの、全国でほとんど同じ言葉が用いられ、七草粥の具材を調理する際に歌われました。

その他、七草の種類を覚えやすい方法としては、短歌の「五・七・五・七・七」に乗せる方法があります。

「せり・なずな、ごぎょう・はこべら・ほとけのざ、すずな・すずしろ、これぞ七草」

この短歌は、室町時代初期に作られた源氏物語の注釈書『河海抄』に記されたといわれています。口ずさみながら、新春の植物を愛でた当時の人々の様子が浮かびますね。

春の七草、種類

春の七草は、ごく身近で手に入りやすく、食用になる植物が選ばれます。これを七草粥に使うことから地域ごとにその種類は変わり、近くに自生する野草を、7種類に限らず用意し、具材に用いていました。

次に挙げる七草は、関東地域での例です。難しい漢字と共に、別名も一緒にチェックしてください。

芹 せり
薺 なずな(ペンペングサ)
御形 ごぎょう(ハハコグサ)
繁縷 はこべら(ハコベ)
仏の座 ほとけのざ(タビラコ)
菘 すずな(カブ)
蘿蔔 すずしろ(ダイコン)

松の内にはまだ七草が揃わない地域も多く、すべて集めるのは容易ではありません。この時期に収穫できる大根だけですませる場合も多いものです。

比較的手に入りやすいせりや、プランターの隅っこに生えたはこべらなどは、普段から食にとりいれやすい植物ですよね。野草には土から得た強靭な生命力が溢れていますから、七草粥を正月7日だけにせず、サラダなどに加えて常時使うと健康的です。

秋の七草

七草とは、もともと秋の七草を指しました。春とは違い、行事は特にありませんが、秋の花が咲き乱れる野原を散策しながら鑑賞する植物として親しまれています。

女郎花 おみなえし
尾花 おばな(ススキ)
桔梗 ききょう
撫子 なでしこ
藤袴 ふじばかま
葛 くず
萩 はぎ

最後に

年末年始のごちそうで、胃腸が疲れている時期にお粥を口にする行事があるのは、理にかなっています。7種の野草を用意するのは大変ですから、無理せずに手に入る数種でお粥を炊いて食べれば健やかな日常を送れることでしょう。七草粥とは、新しい年の健康を意識するためにも、とりいれたい行事です。

レシピ制作/もぱ
TOP画像/(c)Adobe Stock

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