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2024.01.05

「鍋奉行」とはどんな人? そのほかにもある鍋に関するポジション名を紹介

冬になると、家族や友人と鍋を囲む機会が増えますよね。そんなときに登場する「鍋奉行」。鍋を食べる手順などを仕切り出す人をいいます。本記事では、そんな鍋奉行について、意味や読み方、また、そのほかの鍋にちなんだ役職なども紹介していきます。

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「鍋奉行」とは?

何人かで鍋を囲む際、あれこれと仕切ってくる人っていませんか? そう通称「鍋奉行」と呼ばれる人たちです。まずは鍋奉行の意味などを見ていきましょう。

「鍋奉行」の読み方や意味は?

鍋奉行」は「なべぶぎょう」と読み、鍋を食べる際、火加減や具材を入れる順序、タイミング、食べ方などをあれこれと指示してくる人」のことです。

そもそも「鍋奉行」の「奉行」って何のこと?

「鍋奉行」の「奉行(ぶぎょう)」とは何のことなのでしょうか? それは、鎌倉時代以降の武家が権力を持っていた時代に存在した役職の名前です。本来、君主などの命を受けて、物事を執行することを「奉行」と言っていましたが、転じて、その役目をする人を「奉行」または「奉行人(ぶぎょうにん)」と呼んでいました。

「鍋奉行」の語源や由来は、明らかではありません。しかし「奉行」は、かなり力を持った存在であり、絶対的な権力で鍋を取り仕切る様子を、鍋奉行と、喩えて言ったのではないか、と考えられています。

鍋を食べる家族

(c)Adobe Stock

「鍋奉行」の使い方を例文でチェック

鍋料理の知識などが豊富な場合もありますが、指示が細かかったりするため、周囲からは面倒に思われがち。そのため鍋奉行は、嫌味を込めて使われることが多いでしょう。しかし本人が、「私は鍋奉行なので」と言うことで、「鍋料理の調理は全部任せて欲しい」ことを示すことができるでしょう。

【例文】

・上司が鍋奉行なので、食べるのにも気を使い食べ終わる頃には疲れる…。

・鍋奉行の彼女がいると、何にもしなくても美味しい鍋が食べられて嬉しい。

・私は“鍋奉行”なものですから、ここから先は私にお任せてください。

「鍋奉行」のほかにもあった! 鍋に関するポジション名

大勢で鍋料理を囲む際、「鍋奉行」以外にも、武家時代の役職に当てはめていうものがあるようです。みなさんはいつも鍋をする際に、どんな役職になりがちですか?

「鍋将軍」

「将軍」は組織のトップ、奉行よりも偉い人のことです。鍋奉行は自ら手を動かして鍋料理を作りますが、「鍋将軍」は口だけ。偉そうに指示だけして、手は出さない人のことをいうようです。

「待ち奉行」・「待ち娘」

「町奉行」をもじっていう「待ち奉行」。この役職は、ひたすら鍋ができあがるのを、何もせずに待っている男性のこと。できた鍋を食べるというのが「待ち奉行」です。そして「待ち娘」は、その女性版のこと。鍋奉行が作った鍋料理を「美味しい!」と言って、ひたすら食べるだけの人のことを言います。

「灰汁代官」

灰汁代官(あくだいかん)」は、鍋に肉類を入れた場合に出てくる「灰汁」を、とり除く係の人のことを言います。「浮いてくる灰汁が気になる!」 という神経質な人がやる場合が多いのでは?

ちなみに「代官」とは、地方行政官のような役割で、主に年貢の取り立てなどを行なっていた役職です。時代劇などに出てくる悪者といえば「悪代官」。そんな「悪」と「灰汁」をかけて言われている言葉です。しかし灰汁をとってくれる人は悪者ではなく、鍋を美味しくしてくれる良い人ですよね。

黒い鍋

(c)Adobe Stock

「火消し」

「火消し」は、火加減を調節する係の人のこと。グツグツと鍋が煮だってきたら火を弱め、新たに具材を追加したら、火を強めたりと、常に火加減を見ている、火の番人とも言える人のことを指します。たまたま、ガスを調節するつまみの前に座ると、この役職になることも少なくありません。

「上様」

別名「勘定奉行」とも言われ、鍋にかかった料金を素早く割り勘して、集金する係りの人のこと。また、領収書をもらう際、宛先を「上」としてほしい人のことを言う場合もあります。

「鍋奉行」がいるメリットは?

うざく思われがちな「鍋奉行」ですが、決して悪いことだけではありません。いることで助かることもあります。

美味しい鍋が食べられる

鍋に強い思い入れがある鍋奉行は、美味しい鍋を作るための知識も豊富です。そのため、鍋奉行がいることによって、いつもの鍋より美味しいものが食べられることも多いでしょう。

遠慮がちになる場面で仕切ってくれる

例えば、そんなに親しくない人たちと鍋を囲む際、なかなか先に箸をつけられなかったり、どの具材を食べても良いものかなど、気を使うこともありますよね。遠慮していたら全然食べられなかった、なんてことはありませんか?

しかし、そんなときに鍋奉行がいると、「この鶏肉はもうできているから食べて」「この野菜も一緒に食べて」「食べてる?」など、鍋料理を配ってくれたり、その場を仕切ってくれるでしょう。

食べ方などのアドバイスをくれる

鍋料理に様々な工夫を凝らしている鍋奉行は、「この鍋には意外とこの食材が合う」「このタレで食べると美味しい」など、ワンパターンになっていた鍋料理でも、新たな楽しみ方のアドバイスをしてくれることもあります。

こんな「鍋奉行」は嫌われる

鍋への情熱が強すぎて、周りを振り回すような人は一緒に食べていて疲れますよね。こんな鍋奉行は嫌われるかも⁉︎  

偉そうに指示だけする「鍋将軍」

鍋奉行は自らその場を仕切って、美味しい鍋を作ってくれます。しかし、その中には、周囲に指示だけして、他人を動かすような「鍋将軍」が…。命令するかのように指示をされると、動かされている人は、あまり良い気持ちはしませんよね。

嫌がる家族

(c)Adobe Stock

ウンチクが長い

鍋の知識が深い鍋奉行は、食材をはじめ、鍋の文化など、ウンチクを語りがち。「知識を披露したい」、「もっと鍋の魅力を知って欲しい」という気持ちはわかります。豆知識として少しだけ言うのであれば問題ないでしょう。しかし、それがあまりに多すぎると、「授業ですか?」「食べている気がしない」などと思われることも少なくありません。

食べるのを急かされる

食材の火加減や食べるタイミングに気を使うことが多い、鍋奉行。食材が最高に美味しいときに食べて欲しい、という気持ちから、「はい、今これ食べて!」「すぐ食べなきゃ!」など食べるのを急かしてしまうことも。そんなことばかりだと、「好きなタイミングで、ゆっくり食べさせて」と、相手を疲れさせてしまうかもしれません。

最後に

家族や友人などと、楽しく食べる鍋は格別ですよね。そんな鍋を愛している鍋奉行。「うざい」と言われがちですが、いると助かることも多いのです。いきすぎると嫌われてしまいますが… 。また、「鍋奉行」以外にも役職もあります。「いるいる!」と思われた方も多いのでは? 鍋をする際に、それぞれに役職をつけてみるのも面白そうですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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