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2024.01.22

「郷に入っては郷に従え」とは? ことわざの使い方や類語、英語表現を解説

 

「郷に入っては郷に従え」は、「よその土地へ行ったら、その土地の風習を尊重しそれに従った方がいい」という処世術を表しています。ビジネスシーンでは、部署異動や転職をした時に、新しい環境での立ち振る舞いの教訓として使われることがありますね。本記事では、「郷に入っては郷に従え」の意味や使い方、類語などを解説します。

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新しい会社に就職した時に、先輩から「郷に入っては郷に従えだよ」と教えられたことはありませんか? ビジネスシーンでは、部署異動や転職をした時に、新しい環境での立ち居振る舞いの教訓として使われることもあるため、正しい意味を押さえておきたいですね。

本記事では、「郷に入っては郷に従え」の意味や使い方、似た意味を持つことわざなどを解説します。

「郷に入っては郷に従え」の意味

「郷に入っては郷に従え」は、「ごうにいってはごうにしたがえ」と読みます。「豪に入れば郷に従え」と書く方もいるようですが、誤用ですので、注意しましょう。正しい意味を辞書で確認していきます。

その土地に住むにはそこの風俗・習慣に従うのが処世の術である。
[補説]「郷に入(い)りては」の音便化であるから、「はいっては」とは読まない。また、「郷に行っては郷に従え」とは書かない。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

よその土地へ行ったら、その土地の風習を尊重しそれに従った方がいいという意味のことわざです。転じて、現在では転職などで新しい職場に入社する際に、「今までのやり方を押し通すよりも、新しい職場のやり方に習った方がいい」という時などに使われます。

働くひと

(c)Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「郷に入っては郷に従え」は、実際にどのようなシーンで使うことわざなのでしょうか? 日常生活で使われるパターンを3つ紹介します。

1:転職先では納得できないことも多いが、「郷に入っては郷に従え」だと割り切って働いてみようと思う。

転職や部署移動などでは、すでにある組織やチームの中に入っていくことになります。中には、仕事の進め方に疑問を感じたり、前職の経験を踏まえて「こうした方がいいのでは?」と口を出したくなる場面もあるでしょう。

しかし、まだ付き合いの浅い段階で口を出してしまうと、人間関係がギクシャクしてしまう可能性も。そんな時に、「郷に入っては郷に従えだ」と自分に言い聞かせて、その場の環境に馴染むように心がけることもあるでしょう。

2:東京から地方に移住して、まだ半年。田舎暮らしは慣れないことも多いが、郷に入っては郷に従えという気持ちで生活している。

引越しや移住をした時にも、このことわざはよく使われます。引っ越しをすると、住まいや人間関係、職場の環境などが一気に変わります。特に、都会から田舎に引っ越してくるとあまりの環境の違いに驚き、慣れるまで時間がかかる人もいるでしょう。

ついつい便利な暮らしと比較をしてしまいがちですが、「郷に入っては郷に従え」で、今の環境を楽しむ心がけも大切かもしれませんね。

引越しする家族

(c)Adobe Stock

3:新しい会社に入ったら、まずはその職場の仕事の仕方を覚えること。郷に入っては郷に従えだよ。

「郷に入っては郷に従え」は、新しい環境に馴染むための処世術を意味することわざ。そのため、職場の先輩や上司などに、例文のように「まずは、郷に入っては郷に従えだよ」と教えられることもあるでしょう。積極的にコミュニケーションをとって、人間関係を円滑にすることは、仕事をスムーズに進めるコツの1つと言えるかもしれません。

類語や言い換え表現は?

「郷に入っては郷に従え」のように、住んでいる場所の慣習に従うことの大切さを説くことわざは案外たくさんあるようです。豆知識として一緒に覚えてみてはいかがでしょうか?

1:俗に入っては俗に従え

「俗に入っては俗に従え」は、「ぞくにいってはぞくにしたがえ」と読みます。「郷に入っては郷に従え」と響きがよく似ていますね。ことわざの意味は、「住んでいる所の習慣・風俗に従うのが処世の術である」ということ。こちらも同じく、新しい環境に馴染むための処世術といえますね。一般的には、「郷に入っては郷に従え」の方がよく用いられます。

(例文)
・俗に入っては俗に従えというように、まずは新しい職場のやり方を取り入れてみることが大切だよ。
・俗に入っては俗に従えとはいうものの、どうしてもその地域の慣習には馴染めない。

2:所の法に矢は立たぬ

「所の法に矢は立たぬ」は、「ところのほうにやはたたぬ」と読みます。「その土地の定めには、たとえそれが道理に合わなくても従わざるをえない」というたとえです。「所の法」とは、「その土地の定めや慣習のこと」。

よそから移り住むことで、その土地ならではの風習や文化の違いに気づきやすいもの。中には、時代に即していない決まりややり方に対して、「非効率的なのでは?」と感じられることもあるでしょう。しかし、大多数がそれを受け入れている環境では、自分もまたそのやり方に従わざるをえないということを表したことわざです。

(例文)
・今月は繁忙期で仕事が忙しいのだが、村の集会に出なくてはならない。所の法に矢は立たぬということだ。
・とりあえず、地域の祭りには参加しておいた方がいい。所の法に矢は立たぬと言うでしょう。

一本道

(c)Adobe Stock

3:国に入ってはまず禁を問え

「国に入ってはまず禁を問え」は、「くににいってはまずきんをとえ」と読みます。「他国に入ったらまずその国の法律や規則を知り、それに従うようにすること」という意味です。「国」という言葉が使われていることから、自分の住んでいたところとは全く文化の異なる場所や、海外に行ったときに使われる傾向があるでしょう。

ちなみに、「国に入ってはまずその法を聞く」ともいいます。

(例文)
・国に入ってはまず禁を問えというように、海外に行ったらその国の法律や規則を知ることが大切だよ。
・アメリカに留学した時には、国に入ってはまず禁を問えを心がけて生活していた。

英語表現は?

「郷に入っては郷に従え」の英語表現としては、「When in Rome do as the Romans do.(ローマではローマ人のするようにせよ)」が挙げられます。

土地には、それぞれ長年培ってきた文化やそこで暮らしている人たちの守っているルールが根付いています。見知らぬ土地に足を踏み入れた時には、その国の文化や人々を尊重し、同じように振る舞うことが大切だという意味のことわざです。

海外旅行へ出かけたり、留学するときに頭に入れておきたい言葉ですね。

最後に

「郷に入っては郷に従え」は、「よその土地へ行ったら、その土地の風習を尊重しそれに従った方がいい」という処世術を表しています。新しい環境に身を置くと、今までとの環境の違いや慣習の違いが目につき、素直に受け入れられないこともあるかもしれません。

しかし、自分のやり方や価値観との違いを指摘するよりも、まずは、メンバーとコミュニケーションをとり、その場の空気感や雰囲気を掴んでいくといいでしょう。周囲からの協力を得て、新しい環境でも自分の能力を発揮できるといいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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