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2024.02.05

「受領」とは?似た言葉との違いや日本史における意味などを簡単に解説

 

「受領」とは、物や金を受け取ることなどを指す言葉です。今回は、さらに詳しい意味や受理・拝受との違い、受領書の概要、使い方・例文、日本史における受領を簡単にご紹介します。あわせて、類語・言い換え表現・対義語表現も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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「受領」とは?簡単に基礎知識を解説

「受領」とは、物や金を受け取ることなどを指す言葉で、読み方は〈じゅりょう〉です。取引先から商品などを受け取ったことを証明する書類を「受領書」と呼ぶなど、ビジネスの場でよく利用されています。

受領書 イラスト

(C)Adobe Stock

はじめに、受領とはどのような言葉か、簡単に基礎知識を確認していきましょう。まずは言葉の意味や受理・拝受との違い、受領書とはどのような書類か、使い方・例文、日本史における受領とはどのようなものかを解説します。

■意味は物や金を受け取ることなど

【じゅ‐りょう受領‐リヤウ】
(名)スル
1.物や金を受け取ること。「会費を―する」
2.ずりょう(受領)
3.江戸時代、優秀と認められた職人・芸人などが栄誉として国名を付した一種の官位を名のることを許されること。また、その人。竹本筑後掾(ちくごのじょう)など。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

受領とは、「何かを受け取ること」です。受け取るものは「書類」「品物」「お金」など、さまざまなものが当てはまります。一般的には、相手に対して正式に品物などを受け取ったと伝えるときに使う場合が多いです。

「領」には「納める」といった意味があります。ただ物を受け取るだけではなく、それを自分のものにするようなニュアンスがある言葉です。

また、受領は基本的に文語表現として使われるものの、ビジネスシーンなどでは会話のなかで用いる場合もあります。

■受領と受理・拝受との違い

受領と似た言葉に、「受理」「拝受」があります。受理・拝受の意味は、以下のとおりです。

〈受理〉
書類などを受け取って処理すること。

〈拝受〉
「受け取る」という意味の謙譲語。自分がへりくだることで目上の人をたてる表現。

 

受領・受理・拝受は、どれも正式に受け取ることを意味します。受領と拝受との違いは、拝受がさらに丁寧な表現であることです。受領と受理との違いは、受け取るものの違いと、受理に「受け取ったあとで正式に処理する」という意味が含まれていることです。

[名](スル)受けること、受け取ることをへりくだっていう語。「お手紙拝受いたしました」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

■受領書とはどのような書類?

受領書とは、企業が取引先から商品などを受け取ったと証するために発行する書類です。受領書の発行に法的な義務はありません。しかし、発行することで、正式な証拠を残せること、スムーズに取引を進めやすくなるなどのメリットがあります。

受領書に記載すべき項目は、発行日や取引相手名、発行者名、受領した商品名、受領した商品の金額などです。受領書は直接渡すだけでなく、メールやWeb上で発行することもあります。

■受領の使い方・例文

受領の使い方を、簡単な例文で確認しておきましょう。

・請求書を受領いたしました。早めに振込みをさせていただきます。

・確かに見積書を受領いたしました。ご対応いただき、ありがとうございました。

 

受領は、言葉そのものは敬語ではありません。ビジネスシーンや目上の相手に用いる場合は、「受領いたしました」などの形にしましょう。

受領を敬語として使う場合に、受領いたしましたのほかに「受領しました」の形で用いることがあります。この2つは、どちらも敬語として正しく使える表現です。丁寧さに違いがあるため、相手が社内の人なのか社外や目上の人なのかで使い分けると良いでしょう。

ただし、受領の使い方には注意点もあります。もしも「相手の気持ち」を受け取ったと伝えたい場合には、受領いたしましたではなく「頂戴いたしました」などと表現するように気をつけてください。

■日本史における受領とは?

日本史における受領には、「品物などを受け取ったこと」とはまた異なる意味があります。

平安中期以降、実際に任国に赴任して政務を執った国司の最上席の者のことをいいました。この場合の受領は先述の意味での読み方と異なり、〈ずりょう〉と読みます。

ず‐りょう〔‐リヤウ〕【▽受領】
1 《前任者から引き継ぎを受けて事務を執る意》平安中期以降、実際に任国に赴任して政務を執った国司の最上席の者。通例は守かみ・権守ごんのかみ。時には、介をもいう。じゅりょう。ずろう。→遥任
2 院宮や公卿に与えられた国司の推挙権。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

なお、任国に赴任せずに都にいるままで代理人だけを派遣し、収入だけを得た国司は「遙任(ようにん)」と呼ばれました。

主に平安時代、国司に任命された者が現地に赴任せず、京にいて収入だけは得ていたこと。権官ごんかんなどに多い。遥授。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

受領の関連語をチェック!

あわせて、受領に関連する以下の言葉を確認しておきましょう。

PCメール イラスト

(C)Adobe Stock

〈類語・言い換え表現〉
・いただく
・受け取る
・頂戴
・賜る
・拝領

 

先述の拝受も、受領と言い換え可能な表現です。また、相手に受け取りを依頼する場合には「査収」「納める」などと表現します。

〈対義語表現〉
・授与
・提出
・納品
・納入

 

それでは、受領の関連語やその意味などを解説します。

■受領の類語・言い換え表現

受領の類語・言い換え表現は、以下のとおりです。

・いただく
「もらう」の謙譲語。自分を下げて相手を持ち上げる表現。

・頂戴(ちょうだい)
目上の人から品物などをもらうこと。「もらう」の謙譲語。

・賜る(たまわる)
目上の人から品物をもらうこと。

・領収(りょうしゅう)
金品を受け取ること。口語でもよく利用される表現。

・受納(じゅのう)
贈り物を受け取ること。一般的に文語表現として使う。受け取ってほしい相手に「ご受納ください」のように用いることが多い。

・拝領(はいりょう)
大切なものや大事なものをもらうこと。

 

このように、物や金を受け取ることを意味する受領と似た表現は複数あります。

■受領の対義語表現

受領の対義語表現は、以下のとおりです。

・授与
賞や証書を授けること。

・提出
書類・資料などを差し出すこと。

・納品
商品やサービスなどを相手に送ること。

・納入
金品を納めること。

・交付
証明書や公的文書を相手に送ること。

 

これらの言葉は、利用シーンや授受の対象によって使い分ける必要があります。たとえば、証明書や公的文書を送る際は交付を、商品やサービスなどを送る際は納品を使いましょう。

受領という言葉を理解しよう

流通 イラスト

(C)Adobe Stock

受領とは、物や金を受け取ることなどを意味する言葉です。似た言葉の受理・拝受との違いは、表現の丁寧さや受け取るものの違い、受け取ったあとで正式に処理するという意味が含まれているかどうかです。

また、日本史における受領には、「任国に直接赴任して徴収した税を都に送っていた国司」という意味があります。

類義語・言い換え表現や対義語表現が複数あるため、それぞれの意味を理解して正しく使い分けましょう。
これからも、気になった言葉があれば、それ自体の意味や関連語などを確認して理解を深めましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock

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