「ぴえん」とは?
「ぴえん」は、若者を中心に使われるようになったネットスラングです。比較的、語感から意味を想像しやすい言葉だといえますが、意味や由来、広まった背景などを詳しく解説します。
泣きたい気持ちを表す言葉
「ぴえん」とは、悲しいことやつらいことがあったとき、泣きたい気持ちを表す擬態語の一つです。また、うれし泣きという意味でも使えます。
ネガティブな意味だけでなく、泣きたいくらい感激しているシーンでも使えることが特徴。汎用性が高く、軽いノリで使用できるといえるでしょう。
ただし、号泣ではなく、目をうるませるくらいの比較的ライトな表現である点は注意したいところ。悲しみが深く、立ち直れないほど落ち込んでいるシーンではほとんど使われません。
言葉の由来
「ぴえん」は、2018年ごろから使われ始めたとされる、オノマトペの一種です。オノマトペとは、動作・音・声などを音声化したものを指します。
小さな子供の泣き声や、マンガなどに使われる「ぴえーん」という泣き声の伸ばし棒を省略した結果、「ぴえん」となったようです。
若者は略語を好む傾向にあり、特にSNS上ではできるだけ短い言葉を使うことが少なくありません。了解を「り」と略すような感覚で、「ぴえーん」を「ぴえん」と略したと考えられています。
広まった背景
「ぴえん」が広まった背景には、SNSの普及が挙げられるでしょう。女子中高生たちがLINEやInstagramなどのSNS上で使い始めたことがきっかけで、急速に広まったと考えられます。
2019年には「JC・JK流行語大賞2019」の言葉部門で1位を獲得しました。残念な気持ちを共有したいときに便利な表現であるため、女子中高生たちに限らず多くの人が使い始め、大人たちの間にも広がっていったといえます。
2020年ごろからは辞書にも掲載されるようになり、一般的な認知度が高まりました。
出典:JC・JK流行語大賞
「ぴえん」の使い方と例文
「ぴえん」は、悲しい、あるいはうれしい気持ちを表したいときに使う言葉です。使い方はシンプルですが、例文を交えて使い方を紹介します。
ぴえんの使い方
「ぴえん」とは、軽いノリで使われやすい表現であり、深刻な感情表現には使用しないことがほとんど。主に、文末に「ぴえん」を付けて使うのが多いです。自虐ネタのリアクションとして「ぴえん」と単体で返すケースや、画像などに「ぴえん」を添えて使うケースも。
使用するシーンは、ちょっとうれしいとき・悲しいとき・落胆したとき・感謝を表したいときなどです。日常のちょっとした失敗や、つまずきに対してよく使われます。
軽い自虐ネタに対して使われることが多く、他人の重大な失敗や不幸については使用しません。使うべきタイミングを間違えないよう注意したいところです。
ぴえんを使った例文
例文を見ると、言葉の使い方をより深く理解できるでしょう。「ぴえん」を使った例文を紹介します。
【例文】
・テストの点数が悪くて、ぴえん
・ドラマのラストで感動した、ぴえん
・友人がアイスおごってくれた〜ぴえん
・ダイエットしてるのに体重増えてたんだけど…ぴえん
・今日の体育マラソンじゃん! ぴえん
日常でありがちな悲しい出来事に対して使用するのが一般的です。使う際には、笑いにつながるようなネタに対して用いましょう。思いもよらず感激したときや、友情・愛情を感じたときにも、うれしくて涙が出そうという意味で使える汎用性の高さが魅力といえます。