参照とは?
「参照」は、「さんしょう」と読みます。照らし合わせて参考にするという意味です。照らし合わせるものがあるときに使います。
さん‐しょう〔‐セウ〕【参照】
[名](スル)照らし合わせて、参考にすること。参看。「付図を参照する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
実際に目で見て確認できる資料やデータに対して使う言葉で、人の意見や音声など見えないものには使いません。
敬語では、「ご参照ください」という表現を使います。
ここでは、参照の意味や敬語表現について解説します。
目に見える情報を照らし合わせる
参照は、情報を整理する際や考えを深めるときの手がかりとして、ほかの情報と対比することです。資料やデータなど、目に見える情報に対して使います。
参照の「参」は「比べ合わせる」という意味で、「照」は照らし合わせるという意味があります。
例えば、論文を書く際に書籍や資料を参考にした場合、それが参照であり、末尾に「参照書籍・資料」として掲載することもあります。
敬語表現は「ご参照ください」
「参照してください」の敬語表現は、「ご参照ください」です。接頭語の「ご」を付けた丁寧語で、「〜ください」は何かを要望するときに使う補助動詞となります。
ほかにも「ご参照いただけます」「ご参照いただけますでしょうか」という表現が敬語として使えます。
なお、「ご参照してください」という表現は間違いです。「ご〜する」は自分の動作に対する謙譲語で、相手の動作に対して使用しないため、注意しましょう。
「引用」「参考」との違い
参照には、「引用(いんよう)」「参考(さんこう)」などよく似た言葉があり、使う場面によっては、どれを使っていいのかわからないことがあるかもしれません。
それぞれ意味や使う場面、状況は異なります。意味の違いを把握し、正確に使用しなければなりません。
「引用」「参考」の意味や参照との違い、例文をみていきましょう。
引用との違い
「引用」とは、人の文章や言葉を、自分の作成した文章や話などの中に引いて用いることです。参照は資料やデータをもとに確認するという意味ですが、引用は出典を明記し、自分の文章と明確に区別して元の文章をそのまま載せることを表します。
いん‐よう【引用】
[名](スル)人の言葉や文章を、自分の話や文の中に引いて用いること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
引用では、自分の文章よりも引用元の割合が高くなってはならず、引用元の表現を改変することは許されません。
(引用の例文)
・文章を引用する際は、どこからどこまでが引用にあたるのか明示してください
参考との違い
「参考」とは、何かをしようとするとき、他人の意見や事例・資料などを引き合わせ、自分の考えを決める判断材料にすることです。
さん‐こう〔‐カウ〕【参考】
[名](スル)何かをしようとするときに、他人の意見や他の事例・資料などを引き合わせてみて、自分の考えを決める手がかりにすること。また、そのための材料。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
参照は目に見える資料やデータを対象にするのに対し、「参考」はそれらに限定されません。人の意見や考えなど、形のないものも参考の対象になります。
参照と「参考」のどちらを使用するかわからない場面では、「参考」を使用するとよいでしょう。
(参考の例文)
・結論を出すには、多くの人の意見を参考にした方がよい
参照の例文
参照を使った例文をいくつかご紹介します。例文をみて、参照の理解を深めましょう。