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LIFESTYLE 雑学

2024.06.14

「アングラ」は何の略?詳しい意味から使い方、類語もあわせてご紹介

アングラとは商業性を無視した、独自の主張をする前衛的で実験的な芸術のことです。映画や演劇で主に使われる傾向にあり、非公式や非合法、出所が不明なものやことを指して使われることもあります。意味や使い方をわかりやすく解説します。

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アングラの意味を例文を通してご紹介

アングラとは、地下を意味する英語のアンダーグラウンド(underground)を略した言葉で、商業性を無視し、独自の主張をする前衛的で実験的な芸術や作品に対して使われます。また、非公式や非合法、出所不明などの意味で使われることもあります。

ウォールアート グラフィティ

(c)AdobeStock

【アングラ】あんぐら
《地下の意の「アンダーグラウンド」の略》
1.商業性を無視し、独自の主張をする前衛的で実験的な芸術。または、その作品。1960年代に米国で発生して、日本にも普及した。映画・演劇を主とする。「―芸術」
2.非公式または非合法であること。「―新聞」
3.出所不明であること。「―資金」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

商業性を無視した実験的な芸術

アングラとは、商業性を無視した前衛的で実験的な芸術や、その作品を指すことがあります。芸術を指すときには、「アングラ芸術」と「芸術」をつけることもあります。

・アングラ芝居の劇団として知られているが、近頃人気が高まり、もはやアングラとは呼べないようだ。

・彼女はアングラ芸術では大家と呼べる存在だ。

 

非公式、非合法

非公式や非合法の意味で「アングラ」を使うことがあります。たとえば、駅の売店やコンビニなどの一般的な店舗では販売せず、特定の主義主張に賛同する仲間だけに配布する新聞は、「アングラ新聞」と呼ばれることがあります。

・彼は羽振りがよいようだが、実際のところアングラビジネスで儲けているらしい。

・あるアイドルのファン活動をしているが、表向きには公表していないため、「アングラ応援団」と自称している。

 

出所が不明なこと

出所(でどころ)がどこかわからない状態やもの・ことを「アングラ」と表現することもあります。たとえば、どこから得たのかわからない資金や、出所を公に明かせない資金は「アングラ資金」です。そのほかにも、次のように「アングラ」を使います。

・彼女の情報源はアングラで、表立っていえない何かがあるらしい。

・彼は「ビジネスが儲かっているから」といって資金をばらまいているが、実はビジネスは火の車で、非合法なやり方で得たアングラ資金が潤沢にあるらしい。

 

アングラを使った言葉

次の言葉は、日常生活でもしばしば使われることがあります。それぞれの意味や使い方を見ていきましょう。

積み木とILLEGALITYの文字

(c)AdobeStock

アングラを使った言葉
  1. アングラ経済
  2. アングラマネー

アングラ経済

「アングラ経済(underground economy)」とは、非合法の経済活動や、経済統計に反映されない活動のことです。「地下経済」と呼ばれることもあります。

たとえば、美術品や宝飾品の盗難品の売買や、武器の密売、麻薬取引などはアングラ経済の一部です。また、個人情報を違法な手段で手に入れ、名簿業者に売ることも、アングラ経済といえるでしょう。

なお、すべてのアングラ経済が違法というわけではありません。たとえば、ボランティア活動や家事労働は経済統計に反映されないため、一種の地下経済(アングラ経済)です。アングラ経済は税務当局で把握できないため、脱税の温床となりやすいという特徴があります。

・どうやらあの会社はアングラ経済で資金を得ているらしい。

・アングラ経済が活発化すると、税収が減り、国力が衰退する可能性がある。

 

アングラマネー

「アングラマネー(underground moneyの略語)」とは、脱税や密輸など非合法な経済活動で動き、税務当局が捕捉しておらず、したがって政府の経済統計でも把握されていないお金のことです。「ブラックマネー」と呼ばれることもあります。アングラ経済から生まれたお金とも言い換えられます。

・あの施設はアングラマネーで建てられたと噂されている。

・亡くなった親戚の金庫には、数億円の封が切られていないお金があったらしい。もしかしたらアングラマネーなのだろうか。

 

アングラと類似する言葉・混同しやすい言葉

アングラと混同されやすい言葉としては、次のものが挙げられます。いずれもアングラとは異なる意味の言葉です。

それぞれの本来の意味や、アングラとの使い分けについてご紹介します。

油絵の具でペイントする様子

(c)AdobeStock

アングラと類似する言葉・混同しやすい言葉
  1. アバンギャルド
  2. 前衛
  3. ニューウェーブ、ヌーベルバーグ

アバンギャルド

「アバンギャルド(フランス語/avant-garde)」とは、前衛芸術や前衛派の意味で使われる言葉です。第一次世界大戦後、抽象芸術・シュールレアリスムなどに代表されるヨーロッパで興った芸術革新運動を指します。

元々アバンギャルドとは軍隊用語で「前衛」や「尖兵」のことですが、「先端」や「先駆」の意味でも使われます。アングラとは異なり、「地下」や「非合法」といった意味はありません。しかし、アバンギャルドもアングラもどちらも芸術を指して使われることが多く、しかも王道のものを指していないという共通点もあることから、混同されることがあるようです。

前衛

「前衛」とは、軍隊の前方にあり、偵察・警戒などの任にあたる部隊のことです。また、バレーボールやテニスのダブルスなどで、自陣の前方に位置して攻撃・守備にあたる人を指すこともあります。

芸術において「前衛」という言葉を使うときは、既成の概念や形式にとらわれず、先駆的・実験的な表現を試みることを指すことが一般的です。実験的という点ではアングラと同じですが、「非合法」や「非公式」といったニュアンスがないため、ポジティブな意味合いで使える点が異なります。

ニューウェーブ、ヌーベルバーグ

「ニューウェーブ(new wave)」とは、新しい波のことで、芸術や政治運動において新しく際立った傾向・流行を指します。フランス語で新しい波を意味する「ヌーベルバーグ(nouvelle vague)」と同義です。

アングラは商業的でない芸術を指して使うことが多いですが、ニューウェーブやヌーベルバーグは商業的かどうかよりも、新しいかどうかに注目した言葉といえます。

アングラの意味を正しく理解しよう

アングラは、英語の「underground」を略した言葉です。実験的な芸術という意味でも使われますが、非合法や非公式といったあまりポジティブではない意味でも使われるため注意が必要です。褒めるニュアンスで使うときは、「ニューウェーブ」や「前衛的」といった言葉も検討してみましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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