自分らしさとは
そもそも自分らしさとは、どのような状態を指すのでしょうか。混同しやすい「個性」や「自分勝手」と比べながら、自分らしさの意味を考えてみましょう。

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個性との違い
「個性」とは他人が思う「その人らしさ」のことで、当人が認識している「自分らしさ」とは異なります。例えば、目立つ服装の人を「個性的」と思うのは周りの人だけで、着ている当人は自分のことを個性的とは思っていないでしょう。好きな服を着て出かけたら、たまたま周りにそう思われただけなのです。
反対に同じ服を着ていても、もっと目立つ人がいたり似たような服装の人が多かったりすると、個性的と思われないこともあります。個性は何かと比べたときに他人が感じるものであり、自分で演出するものではないのです。
この場合は「洋服を選ぶセンス」や「流行や周りの様子に関係なく好きな洋服を着る」といったことが、その人の自分らしさです。自分らしくいることが個性的と思われることもあれば、思われないこともあります。

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自分勝手とも違う
自分勝手とは、自分さえよければ他人に迷惑をかけても構わないと考え、行動することです。しかし、一般的に人は自分だけでなく、家族や友人など周りの人にも同じように幸せでいてほしいと願うもの。自分勝手な行動によって他人に迷惑をかけ自分だけが成功しても、最終的には誰も幸せになれないと分かっているものではないでしょうか。
このため自分らしく振る舞うときは、自然に周囲との調和を大切にするのです。自分の意思を尊重しながらも他者も思いやるのが「自分らしさ」であり、自分勝手とは意味が大きく異なります。

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ありのままでいられない理由
ありのままでいられたら、もっと楽に生きられるかもしれないと思っている人は少なくないのではないでしょうか。自分らしくありのままでいるのは、簡単に見えて意外に難しいことなのです。

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ありのままでいられない理由を見ていきましょう。
周りに合わせているから
世の中にはさまざまな意見や価値観が存在します。その中には、古いしきたりから世間の常識、親の教育方針まで、ありのままの言動を制限するものもたくさん含まれます。
例えば、「女性は家で子育てするもの」という周りの時代錯誤な雰囲気に逆らえずに働きたいのを我慢したり、家業を継ぐことを期待されて好きな仕事に就けなかったりする状態は、ありのままとはいえません。
好きな人に「長い髪の女性が好み」と言われたからと、自分の好きなようにヘアスタイルを変えられなくなってしまったろという人もいるでしょう。周りの意見に合わせて自分がやりたいことをできないため、ありのままでいられないのです。
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他の人と比較しているから
他の人と比較して行動するのも、ありのままとはいえません。いつも自分の行動を他の人と比較していると、「あの人よりも上手にできた」「みんなと違うことをしてしまった」など、結果ばかりを気にするようになってしまう可能性も。
仕事のやり方や服装の好み、育児の方針など、生活スタイルはそれぞれ違うのは自然なことで、人と比べるものではありません。他の人のやり方を参考にするのは構いませんが、無理に真似したり、勝とうとしたりすると自分らしさが失われて心から楽しめなくなってしまうかもしれません。

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自分の気持ちを否定しがちだから
ありのままでいるというのは、自分の気持ちに正直な状態です。しかし生きていれば、自分の気持ちを否定してしまうこともよくあるもの。
例えば何かを決めるときに「本当はこうしたい」という気持ちがあったとしても、「それはよくないことだ」「間違っているかもしれない」などと自問自答を繰り返しているうちに、当初の望みが何だったのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
その結果、元々持っていた素直な気持ちは押し込められて、自分らしくない決断を下してしまうことにつながるのです。世間的には正しい決断だったとしても、自分で自分の気持ちにブレーキをかけているので、本人にとってはありのままではいられない状態といえます。

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自分らしさはどうしたら見つかるの?
自分らしさは本人が一番知っているようでいて、改めて問われるとはっきりと答えられない場合もあります。この機会に、何が自分らしさなのかを具体的に考えてみてはいかがでしょうか。

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好きなことや得意なことから見つける
好きなことや得意なことは人によって違い、好きになった理由も人それぞれ。このため「なぜ他のことよりも好きなのか」または「なぜ他の人よりも上手にできるのか」を考えることは、自分らしさを見つけるヒントになります。
まずはノートに好きだと思う事柄や得意分野を書き出してみましょう。思いつかない場合は過去の記憶をたどってみても構いません。家族や親しい友人に聞いてみるのもアリです。書き出したら、そのことをするとどんな気持ちになるのかを考えます。
料理が好きな人を例にすると、作った料理を食べてもらうことに喜びを感じるのか、自分でレシピを工夫するのが楽しいと思うのかによって、自分らしさは変わってきます。食べてもらうことがうれしい人は、人に何かをしてあげることに興味があり、レシピを工夫する人はもの作りに興味があると考えられます。どちらがよいということではなく、どちらもその人の自分らしさです。

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嫌だと思うことから見つける
自分らしさは、嫌だと思っていることからも見つかります。好きなことと同じように、人からされて嫌なことや、自分が嫌だと思っていて人にはしたくないことなどをリストアップしてみましょう。
次に、自分が嫌なことに対して普段どのように対応しているのかを振り返ります。例えば「悪口を言う人が嫌だ」と思っているなら、「その人とは関わらないようにする」「その人のためを思って悪口はよくないと意見する」のように、自分ならどうするかを考えていきましょう。
関わらないようにする人は「他人は他人」という考えの持ち主であり、意見する人は「他人を放っておけない世話好きな人」と考えられます。そしてどちらも、その人の自分らしさなのです。
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自分らしくありのままでいる方法
自分らしさが分かっていても、ありのままでいられない現実もあります。自分らしく自由に生きるコツを見ていきましょう。

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