【目次】
・そもそも自己肯定感とは
・自己肯定感が低い原因
・自己肯定感が低いことで起きること
・自己肯定感を高める方法
そもそも自己肯定感とは
自分を肯定的に受け止める感覚
自己肯定感とは一般的に「自分のことを肯定的に受け入れる感覚」のことを言います。
自己肯定感が高い人は、さまざまな出来事をポジティブにとらえられますが、自分を否定的に思うことが多い自己肯定感が低い人は、ネガティブにとらえがち。
結果的にマイナス思考に陥ったり、無気力になったりしやすいと言われています。
基本的には幼少期の親子関係で培われる
臨床心理士/公認心理師、吉田美智子さんによると、自己肯定感は基本的に幼少期の親子関係で培われるのだそう。
「自己肯定感というのは、〝どんな自分でもOK〟と感じることで、基本的には幼少期の親子関係で培われます。生まれてからの数年間、赤ん坊や幼児は人の役に立つことはなく、ただお世話をしてもらい、愛してもらうことでスクスク成長します。オムツが濡れたら替えてもらい、お腹が空いて泣いていたらご飯をもらえる。〝オムツを濡らしたらダメ〟とか〝働きもしないでご飯が欲しいとは?〟なんて言われないでしょう? この絶対的な肯定感が、〝どんな自分でもOK〟のベースです」(吉田さん)
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自己肯定感が低い原因
過去の成功体験が少ない
過去の成功体験が少なく、考え方の根本がネガティブな人は自己肯定感が低い傾向に。
「どうせ自分には無理だろう」「自分なんて…」が口癖で、自分を否定する気持ちがどんどん大きくなってしまい、そういった考え方が癖になってしまう人が多いよう。
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コンプレックスを抱えている
大きなコンプレックスを抱えていたり、他人の評価ばかりを気にする幼少時代を送ってきた人は、自己肯定感が低くなりがち。
「自分はダメな人間なんだ」と思い込んでいる可能性があります。
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幼少期に問題がある
心理カウンセラー大嶋信頼先生によると、子供は母親の言葉を真に受けてしまうそう。そのため、例えば
「どうして、あなたは、あの子よりもできないの?」
「あなた、あの子に比べて全然ダメね」
など否定的な言葉で周りの子と比べられることが多いと、自己肯定感が低下してしまうのだそう。
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自己肯定感が低いことで起きること
マイナス面ばかり目がいく

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自己肯定感が高い人と低い人の差はズバリ「どこを見ているか」の違い。
例えばうまくいかなかったことや失敗したという経験に対し、自己肯定感が高い人は「失敗が成功のもとになる」と情報のプラス面を見る習慣があるのに対し、自己肯定感が低い人は、情報のマイナス面ばかりをみてしまいがち。
マイナス面ばかりをみているとますます自信を失い、「できない自分」が作られていき、悪循環に陥ってしまいます。
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メンタルが弱くなる
心理カウンセラー・吉野麻衣子さんによれば、メンタルの問題の多くは「自己肯定感が低いこと」が関係しているのだそう。
恋愛なら「こんな自分を好きになってくれる人はいない」とあきらめたり、仕事を任されても「自分にできるのかしら」「失敗したらおしまいだ」と極端に考えたりしてしまうそう。
結果的に失敗が怖くてチャレンジできなくなり、成功体験が生まれず、思考もネガティブになりがちに…。
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理想が高くなる
吉野さんによると、自己肯定感が低い人は、自分のレベルの低さを誤魔化そうと理想が高くなる場合があるそう。
「自分自身の自己肯定感が低く、自信がない場合も、理想を高くして自分のレベルに見合わないものを手に入れる(恋人、結婚相手、身に着けるものなど)ことで、自分のレベルの低さを誤魔化して解決させようとする事も多々あります」(吉野さん)
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自己肯定感を高める方法
5つの口癖を止める
メンタルコーチ、人財教育家、飯山晄朗さんによると、もし使っていたら今すぐやめたい「否定形の言葉」があるそう。
1. 「自分なんて〜」
「『自分なんて何にもできない』『自分なんてこんなものだ』という言葉は物事をすぐに諦めてしまう人の典型的な口癖です。物事のマイナスの側面ばかりを見てしまって不安や不満といった否定的な感情になりがちなので、対処法としては、マイナス面を一旦受け入れて、それから『だからこそ』と考えてマイナス面のプラスになる部分を見つけます。
『いつも自分がどう思われているか気になって仕方がない』という場合には『だからこそ、場の空気を的確に読むことができるんだ』など。『だからこそ』を使うことで、どんなマイナスだと思うことでも、そのマイナス面のプラスの側面を見つけることが可能です。」(飯山さん)
2. 「〜すべきだ」「普通は〜だ」
「友人にこうなってほしい。社員にこうなってほしい。子どもにこうなってほしい。このように、人に変わってほしいと願っている人が多いですね。ただ、なかなか自分の期待どおりに人は変わりませんし、それは当然です。
なぜなら人は皆、自分の価値観を持っているからです。相手には相手の世界がある。このことを認めようとせず、『普通こうするでしょう』『こうあるべき』などと、自分の価値観が正しいと思って正論を振りかざすと、相手と衝突してしまいます。
まずは相手を認め自分が変わればいい。『すべきこと』など本来ありません。『人は変わらないものだ』と考えて、自分を変化させていきましょう。」(飯山さん)
3. 「〜してはいけない」
「『〇〇してはいけない』と言うと、『〇〇してしまう』ことがよく起こります。ダイエットのために『おやつを食べてはいけない』と言われると逆に食べたくて仕方なくなるものです。なぜ、そうなるかというと、脳は否定形の言葉をイメージするのが苦手だからです。『〇〇してはいけない』と言われると、逆に〇〇の部分を強くイメージしてしまうのです。ならばどうすればいいのか。それは脳が否定形の言葉のイメージが苦手なので、逆に肯定形の言葉を使えばいいのです。
『焦っちゃいけない』なら『落ち着いていこう』。『お菓子を食べてはいけない』なら『野菜を食べよう』。肯定形の言葉はプラス感情を生み出してプラス思考にさせます。『〇〇してはいけない』ではなく『〇〇しよう』の心がけが大事です。」(飯山さん)
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4. 「〜をしたい」
「『〇〇をしたい』という言葉には『条件が整ったら』という言い訳が入っています。この逃避の思考パターンは意識して変えないと、繰り返してしまい、いつまでも『したい』ことは達成できません。意識して『〇〇をする!』と決めて行動するようにしましょう。
ポイントは『ワクワクする』ことです。成功するからワクワクするのではなく、ワクワクしながら取り組むから成功するのです。誰から言われなくても行動し続けることができるのは、取り組むことにワクワクしているから。すべては『する』と決めることから始まります。するという勇気を持ち、ワクワクしながら取り組めるようになりましょう。」(飯山さん)
5. 「すみません」
「謝罪の場面では必要な言葉ですが、自分が悪いことをした訳ではないとき、些細なことで『すみません』と口癖のように反射的に言ってしまう人がいます。例えば、エレベーターを降りるときに開くボタンを押してくれたときに『すみません……』と言ってしまうことありませんか?
そうではなく『ありがとうございます』と意識的に変えてみてはいかがでしょうか。感謝の言葉を口にすると、脳幹から『ドーパミン』や『エンドルフィン』といった報酬系のホルモンが分泌されることがわかっています。この報酬系ホルモンが分泌されると、脳が快反応を起こし肯定的な状態になります。そうするとパフォーマンスも向上するわけです。」(飯山さん)
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自己肯定感が身に付く2つの習慣
吉野さん曰く、自己肯定感を身につけるには
・ありのままの自分にOKを出すこと
・信頼できる人との繋がりを持つこと
この2つのことが大切なのだそう。
「自己肯定感の回復に大切なことはふたつ。ひとつめは、〝ありのままの自分にOKを出すこと〟。満たされない自分も自分なんだと、そんなときもあるよねくらいに否定をせず見守れるようになること。そしてふたつめは〝信頼できる人との繋がりを持つこと〟。家族や友人、もちろん子どもだってOK。心が満たされないことを直に言わなくても、たわいもない話をするだけでも心は軽くなるはずです」(吉田さん)。
「心が満たされない」って思うことはある?100人に聞いたアンケート結果と専門家による解決方法を紹介
心身を健康にする
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一般的に心の健康と体の健康はリンクしやすい、と言われています。体が安定していれば精神も整いやすく、精神が安定していれば体の調子も整いやすいのだそう。
まずは規則正しい生活がすべての基盤。体を健康にすれば、心も理想的な状態に近づきやすくなるはずです。
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