お人好しな人とはどんな意味?
お人好しには、善良な人間という意味がありますが、他人から「あなたってお人好しだよね」といわれると、素直に喜べないものです。優しい人とお人好しな人はどこに違いがあるのでしょうか?
良い人すぎて利用されやすい
「お人好し」には「善良で、おとなしい人」という意味がありますが「騙されやすい人」というマイナスのニュアンスも含んでいます。心が純粋すぎて疑うことを知らず、すぐに相手を信じて心を許してしまい、都合よく利用されたり、裏切られたりしやすいのです。もし、「あなたはお人好しだから」といわれた場合、それは性格の良さを褒められているだけではないかもしれません。場合によっては「あなたは世間知らずで騙されやすいんだから」と、たしなめている意味が含まれているのです。お人好しの類語は「好い鴨」です。好い鴨には「こちらの思うとおりに利用できる人」という意味があります。
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優しい人との違い
「お人好し」と「優しい」は、性格が善良である点では共通していますが、根本的な意味合いや、他人に与える印象は大きく異なります。「優しい」には、おとなしくて性格が穏やかという意味の他に「相手に対する思いやりや配慮がある」という意味があります。言い換えれば「相手のためになるか」を自ら考え、行動しているということです。一方、お人好しな人は、必ずしも相手のためを考えながら行動しているわけではありません。自分の意思がなく、相手の言いなりになって動いている部分があります。性格が優しい人の周りには、その人を心から慕う人が集まりますが、お人好しな人の周りには、その人を利用しようとする人や、甘えたい人も集まってきます。
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お人好しと呼ばれる人の特徴
人の良さも、度を過ぎるとマイナスになってしまいます。お人好しと呼ばれる人に共通する三つの特徴を確認しましょう。
人を信じやすい
お人好しな人の大きな特徴は「人を信じやすいこと」です。誰かに「これは儲かる副業だよ」といわれれば、「儲かるならやってみようかな」と、相手の言葉をすぐに信じてしまいがちです。初対面でも警戒心が弱く、相手が「自分はこんな人間だ」といったその言葉を、鵜呑みにしてしまうのです。人を信じることは大切ですが、信じすぎてしまうと痛い目に遭います。特に、相手が「人を利用して利益を得よう」と思っている場合は、恰好のターゲットになる可能性があるので注意しましょう。お人好しな人は、子どものように心が純粋で、自分の周囲には悪い人はいないと思っているのかもしれません。
断れない
お人好しな人は、相手の頼みを断れないのが特徴です。気が進まなくても、残業をお願いされれば引き受けてしまいますし、セールスマンに「もう1年契約しましょうよ」と押されれば、負けてしまいます。断れない裏には「相手にどう思われるか」を過度に気にしたり、「相手との関係を悪くしたくない」という考えなどが潜んでいる場合があります。心根が優しいので、相手に対する申し訳なさも感じています。なかには「大変そうだから協力してあげよう」という自己犠牲の精神を持つ人もいますが、結局は相手にうまく利用されてしまうのです。自分で決断するのが苦手で、周囲には「優柔不断」と思われている傾向があります。
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もめ事が嫌い
お人好しな人は、もめ事が嫌いで、何事も穏便に済ませたいと思っています。波風が立たないように願う「平和主義者」で、職場やママ友のグループでは、つかず離れずの中立的な立ち位置をキープしているかもしれません。他人と議論を交わしたり、主張をぶつけ合ったりするのを避けるために、他人の意見にすぐに賛同してしまうことも。友だちが間違っていることをしていたら、叱ってあげるのが通常です。しかし、もめ事が嫌いなお人好しは、相手のやり方が間違っていても、はっきりと注意ができません。
メリットはどんなところ?
「お人好しは損ばかり」と思われがちですが、本当にそうでしょうか?人の性格は一長一短で、お人好しの魅力が評価されることもあります。
周りから好かれやすい
平和主義で争いごとを好まないお人好しな人は、周りから好かれやすいです。誰に対しても分け隔てなく接し、周囲に敵をつくりません。一緒にいると居心地が良く、優しくて穏やかな空気をつくる存在です。見返りを期待して動く人が多い世の中で、自分を顧みずに他人に手を差し伸べられる人なので「人格者」と思われることもあります。ピンチを救われた人は、心から感謝をするようになり、「この人が困っていたら自分も手助けをしよう」という気持ちが芽生えるようになります。お人好しな人の周りには、「相手を騙して利用しようとする人」が集まりやすいのは事実です。しかし、それと同じくらい味方も集まってきます。
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信頼を得やすい
仕事では人が嫌がることを率先して行い、残業をお願いしても快く引き受けます。中途半端で投げ出すことはせず、どんなにつらくても自分1人でやり遂げようとします。こうした態度は「責任感がある」と見なされ、上司や部下の信頼を勝ち取ります。目先の利益や自分のことしか考えられない「器が小さい人」と比較すれば、お人好しな人はある意味、人のわがままにも寛大な「器の大きい人」です。自分を犠牲にしてまで他人を優先する態度は、プライベートにおいても「あの人は信じられる」と評価されます。
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