デビュー35周年を記念したプロジェクトが始動
鮮やかな絵、個性豊かなキャラクター、リアルで臨場感のあるストーリーで人々を魅了する漫画家・安野モヨコさん。恋に生き、幸せを探し続ける女性を描いた『ハッピー・マニア』、「働くとは何か」を問う『働きマン』、ちいさなふたりの魔女の友情や恋のゆくえを描いた『シュガシュガルーン』など代表作も多数あり、愛読書の一つという人も多いのではないでしょうか。
そんな安野モヨコさんのデビュー35周年を記念し、2024年6月から「安野モヨコ選集」プロジェクトがスタート! 順次展開予定の中、第1弾では遊郭の世界を丁寧に描き、映像化もされた『さくらん』が刊行されます。
▲安野モヨコ選集 さくらん ¥2,090
発行:小学館クリエイティブ 発売:小学館
『さくらん』とは?
2001年から2003年まで「イブニング」(講談社)にて連載された時代劇漫画。嫉妬が渦巻く江戸・吉原遊郭で生きる花魁、きよ葉の物語です。
8歳で身売りされたきよ葉は、花魁として生きる術を身につけて吉原の花形へ。しかし型破りなきよ葉は、幾度となく罰を受け、傷めつけられ、貶められます。気の強さの影に、折れそうで、でも苦しいほどにまっすぐな心が見え隠れする。生きる世界は違えど共感でき、「自分らしく生きよう」と力をもらえる作品です。
今回の選集は、すべて原稿から再スキャン。最新の印刷技術でカラーもモノクロも原稿から版面を細部まで美しく再現されています。
見どころ1:単行本未収録の第二章が読める
2005年に特別掲載されたものの単行本に収録されておらず〝幻〟ともいわれた第二章(計3話・計67ページ)を収録。まさに『さくらん』の完全版ともいえるんです!
これまで華美でパワフルな印象のカバーが多かった『さくらん』ですが、今回の選集ではどこか物憂げな表情で落ち着いた着物を身につけたデザイン。読む前と読んだ後では、その佇まいの解釈が変わるかもしれません。
見どころ2:和風美人のカラーイラスト
安野モヨコさんがセレクトした江戸の美人画を巻末に特別収載。また、見事なカラーページも多数あります。耽美な世界を存分に味わえる予感です。
気になる第2弾&第3弾は?
『さくらん』に続く第2弾では、強烈で怖い女ばかり集め、単行本初収録作品も含めた『プレイボーイ団地&脂肪と言う名の服を着て』が8月下旬に、『ハッピー・マニア』の男子版ともいわれ、第3弾ではモテに向かって大暴走する男子高校生を描いたギャグ恋愛作品『花とみつばち』全4巻が11月下旬に刊行されます。
2025年には第二期も刊行予定。そろえたくなる美しい装丁もポイントです。最新のデジタル技術によって美しく鮮やかな仕上がり、ここでしか読めない初収録&特別収録ページなど、スペシャルな選集をぜひチェックしてみてください。
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