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2024.08.24

「恣意的」とはどんな様子のこと?意味や類義語をわかりやすくご紹介

恣意的とは、気ままで自分勝手な様子のことです。日常会話にも使うことがありますが、どのように使うのか具体的な例文を通して解説します。また、「作為的」や「意図的」などの似ている意味の言葉についても、例文を通してわかりやすくご紹介します。

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恣意的とは?意味をわかりやすく解説

恣意的(しいてき)とは、気ままで自分勝手な様子、あるいは論理的な必然性がなく、思うままにふるまう様子のことです。それぞれの意味を例文を通してご紹介します。

手を挙げて発言する女性

(c)AdobeStock

【恣意的】しいてき
気ままで自分勝手なさま。論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

気ままで自分勝手な様子

「恣意的」の「恣」は、「ほしいまま」とも読み、思いのままにふるまう様子や自分のしたいようにする様子を指します。また、「意」は、心の中の思いや気持ち、考えのことです。つまり、自分が思うようにふるまうことが「恣意」であり、「~な様子」を意味する「的」につなげて使います。

・彼女の恣意的な発言で、せっかくまとまりかけていた話し合いが一気に混乱した。

・ビジネスにおいて恣意的な提案や判断は好ましくない。

・彼女が校長として赴任して以来、規則を恣意的にねじ曲げているような気がする。

 

論理的な必然性がない様子

「恣意的」は、論理的な必然性がない様子を指して使われることもあります。たとえば、次のように使います。

・このクラスの子どもたちは、皆、ピンクかブルーの靴下を履いている。何か意図があるのかと思ったら、別段、恣意的な目的はないようだ。

・調査対象の抽出方法が恣意的なため、この調査自体に意味がなくなっている。

・彼の話はいつも恣意的で、聞くだけ時間の無駄だ。

 

恣意的と類似する意味の言葉をご紹介

「恣意的」と類似する意味で使われる言葉や、混同されがちな言葉としては、次のものが挙げられます。

それぞれの意味やニュアンスの違いについて、例文を通して解説します。

ミーティングで発言する女性

(c)AdobeStock

恣意的と類似する意味の言葉をご紹介
  1. 作為的
  2. 意図的
  3. 意識的
  4. 故意
  5. 殊更

作為的

「作為的(さくいてき)」とは、故意に行う様子や、不自然さが目立つ様子のことです。しばしば、「恣意的」と同じ意味の言葉として使われることがあります。

しかし「恣意的」には、「自分勝手な」や「場当たり的な」といったネガティブなニュアンスが含まれることがあるのに対し、「作為的」は必ずしも否定的な意味合いが含まれているわけではありません。相手の行為を指して表現するときは、ニュアンスに注意をして使い分けるようにしましょう。

・彼の文章は自然というよりは作為的で、読者を感動させようという思いが透けて見える。

・彼女は一見無邪気に見えるが、わたしには作為的に思える。

・あの雑誌は信用できない。作為的にニュースを切り取って報道している。

 

意図的

「意図的(いとてき)」とは、ある目的を持って、わざとそうする様子のことです。故意に何かを行うという点では「作為的」と同じですが、「意図的」には「不自然だ」というニュアンスはない点が異なります。

次の文章を比べてみましょう。

・彼女の話し方は作為的だ。

・彼女の話し方は意図的だ。

 

いずれも、彼女は自然な話し方をしていないと考えられます。しかし、「作為的」では「話し方がわざとらしい」というニュアンスがありますが、「意図的」は「何らかの理由があって不自然な話し方をしている」というニュアンスを含んでいます。

たとえば、「同情をひくために悲しみをこらえているような話し方」や「何度も同じフレーズを繰り返して、聴衆に印象づけようとしている話し方」などは、意図的といえるでしょう。

意識的

「意識的(いしきてき)」とは、自分でわかっていて、わざとする様子のことです。「故意」とも言い換えられます。

・彼女は意識的に声のトーンを上げた。

・彼は意識的に上目遣いで話している。そうすると実際以上にかわいらしく見えるからだろう。

・意識的に間違った答えを書いた。

 

故意

「故意(こい)」とは、わざとすることや、その気持ちのことです。

・本当に彼は間違えたのだろうか。故意に正しくないものを選択したような気がする。

・彼女は故意にわたしにぶつかってきた。

 

また、自分の行為から一定の結果が生じることを認容しながら、特定の行為をする心情のことを指すこともあります。

・揉め事になるのはわかっていて、故意に車をぶつけたと思われる。

・彼女は故意にドレスを汚して、まるで自分が被害者であるかのようにふるまった。

 

殊更

「殊更(ことさら)」とは、考えがあってわざとすることや、その様子を指す言葉です。

・母は養子をとって以来、わたしに殊更につらく当たる。

・授業中、先生は関税自主権について殊更に強調した。おそらく今度のテストに出るのだろう。

 

また、「殊更」は「わざわざ」や「とりわけ」といった意味でも使われます。

・殊更行かなくても、ついでのときで構いません。

・今年の冬は殊更寒い。

 

恣意的と反対の意味で使われることがある言葉

「恣意的」とは反対の意味で使われる言葉としては、次のものが挙げられます。

それぞれの使い方を例文を通して解説します。

ミーティング風景

(c)AdobeStock

恣意的と反対の意味で使われることがある言葉
  1. 機械的
  2. 規則的

機械的

「機械的(きかいてき)」とは、 機械が動くように、意思を持たずに決まった動作を行う様子です。「恣意的」のように思うままにふるまうのではなく、何の意図も働いていないと思われるときに使われます。

・機械的にページをめくった。

・あの受付スタッフは機械的な受け答えをすることで知られている。

 

また、個々の状況を考慮せず、一律に物事を処理する様子も「機械的」と表現されます。

・機械的にグループを分けた。

・彼女の対応は機械的で、平等といえば平等だが、人間味がない。

 

規則的

「規則的(きそくてき)」とは、一定のきまりに従っている様子や規則正しい様子のことです。何らかの意図が働いていないという点で「機械的」と似ています。

・規則的なフォーメーションが美しい。

・彼女は規則的にカードを並べた。

 

恣意的を正しい意味で使おう

「恣意的」は、「作為的」や「意図的」と混同して使われることが多い言葉です。ニュアンスや意味の違いを覚えて、正確に使うようにしてください。

また、ネガティブなニュアンスが含まれることもあるため、使うときには注意が必要です。とくに他人の言動に対して使うときは、相手に誤解されることがないようにしましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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