【お悩み】AIが台頭しても、自分で稼いで食べていける子に育てるには?
「AI(人工知能)が発達したら、事務職から運転士、会計士や税理士といった専門知識が必要な仕事でさえも、AIが行うようになるのではないか?」という話を最近よく聞きます。これからの時代、自分で稼いで生きていける子に育てるために、親は何をすべきでしょうか?(37歳・子ども4歳/女、1歳/女)
【Dr.アグネス・チャンの答え】”人間らしい”感覚や発想をもつ子どもが幸せになれる
突拍子もない突然のひらめきや、だれかを愛する気持ち、何かを分かち合いたくなる欲望など。理屈では説明できない感情や感覚こそ、AIにはないものです。そんな“人間らしさ”こそ、これからの子どもの強みになると思うんです。
無駄をそぎ落として効率化を図ったり、蓄積された膨大なデータの中から正解を導き出せる能力、…つまりこれまで人間が懸命に勉強して手に入れてきた、学校や社会で優秀だと思われてきた能力は、近い将来、AIに代替されるようになるでしょう。記憶力や正確性ではAIにかないません。点数や成功にこだわる人間は、AIに負けます。
だとすれば人間にしかない、何もないところからモノをつくっていく意欲や好奇心、ひとことでいえば“人間らしい”生きている実感がモノをいうのでは?それを育むために、子どもたちにはありったけの愛情をかけて、人生が楽しいものだと伝えるしかないと、私は思います。
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撮影/田中麻以 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
アグネス・チャン著
定価:1,400円(税抜)
発売元:小学館
教えてくれたのは…
アグネス・チャン
歌手・エッセイスト・教育学博士/ 1955年、香港生まれ。1970年代より日本で歌手として活躍し、上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年、アメリカのスタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、1994年に教育学博士号を取得。長男、次男、三男も母校スタンフォード大学に合格して話題となる。現在、ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協会ほほえみ大使など芸能活動のみならず幅広く活躍。2018年春の叙勲で旭日小授章を受章。2019年4月出版の著書『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』(小学館)には、AI時代の家庭教育のヒントが満載!