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知事と市長の発表が違って大混乱
N.Y.市のすべての学校がクローズになって1カ月余りが過ぎました。先日市長は、6月までのスクールイヤー(アメリカの新学年は9月からスタートし、6月で終了する)中に、学校閉鎖の解除はないと発表。直後に知事が「学校の閉鎖に関しては、州全体で足並みをそろえる」と、市長の決定を翻す声明を出したものだから、街中の親たちは「いったいどっちなの?』混乱状況に陥っています。とはいえどちらにしても「来年の9月まで学校をスタートするのは無理かも…」というのが未だ感染の最盛期を抜けられずにいる、この状態を肌で感じている住人たち共通の認識です。
行政の対応に一喜一憂していると、親も子も精神的に追い込まれてしまいます。受験生を抱える我が家では、「学校は9月までクローズ!」と腹をくくって、さらにホームスクーリング体制を見直すことにしました。
プランニング&スケジューリング
まずは、プランニング&スケジューリング。
朝イチにメールをチェックして、各科目の先生からの課題が出そろったところで、本人にそれぞれの課題の所要時間を予測させ、なるべく正常時の学校のスケジュールに合わせて時間割を作成させる。
各科目ごとに先生が会議アプリなどを使用してバーチャルで実施しているティーチャータイムには、なるべく参加して、他の生徒や先生と意見を交換できるようにスケジュールに組み込んでいきます。
こういう自習体制で一番難しいのが時間の管理。今までは、時間について、つい口出ししてしまって息子と喧嘩になっていたので、ここは、テクノロジーの力を借りることに。アレクサのタイマー機能を使って、自動的に音声で本人に時間を知らせるようにセット。
また休み時間やランチタイムなどの息抜きの時間は、なるべくコンピューターから離れ、リラックスするように促しています。
▲自分の部屋のブラックボードにその日の予定を書き込む。本人に書かせることで自覚が生まれる様子。終わった順に消していくのが楽しみらしい
新型コロナについて話し合う時間を設ける
ロックダウン前からの朝のTV習慣である、CNN10 (報道TV局のCNNが子供向けに10分にまとめた時事ニュース)は継続し、今世界で何が起きているかを把握させるようにしています。
またN.Y.の憂うべき状況も説明し、コロナ禍がどのようにして広がっていったかなども話し合います。この状況は本当に忌まわしいけれど、息子にボランティアについて考えさせるいい機会ではあります。背伸びするのではなく、自分のできることを探して小さな社会貢献をするのが大切。スキーをやっている息子は、自分でリサーチし、シーズンを終えたスキーゴーグルを病院に寄付するプログラムに参加しました。
スポーツや芸術系の習い事は可能な限り継続
テニス、空手などのスポーツ系の習い事は、各施設が閉鎖されているので、基本は自主練。コーチと相談して、トレニングメニューを組んでもらったり、憧れの選手の試合のビデオを見たり、有名選手のインスタライブに参加したりなどして、テンションを下げない工夫をしています。
小学校1年生から続けているピアノも、ここで挫折してはもったいないので、フェイスタイムを使ってマンツーマンのレッスンを継続中。
また、ロックダウンしてからというもの親も本人も普段よりも時間に余裕ができたので新しいスポーツや趣味にも挑戦できます。我が家では、バトミントン、インラインスケートを新たに息子用に購入しました。ソーシャルディスタンスが保てるスポーツを吟味しながらではありますが、鬱々としがちな毎日をなんとかポジティブに過ごす工夫です。
▲分からないことがあると、すぐにサーチエンジンに頼りがちな12歳。辞書や参考書などの紙の資料をめくって調べる習慣も身に着けさせたい。
休校の終わりが見えないことで、一時、親子ともに茫然とした気持ちになりましたが、心を鬼にして仕切り直し! あえて平日は、少し厳しいぐらいに時間を管理してルーティンをつくることで、かえって週末のお友達とのゲームタイムや屋外の運動の時間を楽しみにする心のメリハリが戻ってきたように思います。
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高久純子
ファッション雑誌編集者を経て渡米。N.Y.をベースにファッション、ライフスタイルビジネスのコンサルティングを手掛ける。12歳の男の子のママでもある。Instagram:@junko901nyc