ストレスや時期は関係ある?髪の毛が抜ける原因とは
ホルモンバランスと貧血
予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんによると、抜け毛や切れ毛、白髪といったトラブルは、女性の場合ホルモンバランスと貧血が大きく関係していると言います。
「日本女性が1日に必要とする鉄分は11mg、経血量が多い場合は16mgですが、働く女性では6.74mg(※1)、子育て中のママは821mg(※2)とかなり不足している状態。結果的に、400ccの献血ができない女性は約4割(※1)と多くの女性が貧血を抱えています。また、ヘモグロビンに異常がなくとも貯蔵鉄が枯渇している“隠れ貧血”は約3割おり、貧血ではなくとも鉄欠乏の女性は1,000万人と推測されています。
貧血になると毛母細胞に酸素と栄養素が十分にゆき届かず、髪がボリュームダウンして地肌が見えてくるといった〈びまん性脱毛〉をまねく可能性が高まります。また、アメリカでは「造血の栄養素」と呼ばれるビタミンB12や、頭皮を含む健康な皮膚をつくるのに欠かせないビオチンといったビタミンB12の不足が白髪を増長させるとして、医師などから摂取が推奨されています。具体的な対策は、肉や魚、貝類などを積極的に食べること。これによって、新陳代謝を活性化させて美髪をつくるといわれる亜鉛もとれます。
手軽さや価格を重視するとつい不足させてしまうのが動物性たんぱく質です。調理が面倒でも、冷凍あさり/牡蠣や鯖の缶詰/牛のしぐれ煮などを買い置きしておけば、手軽で便利。さらに、Fe(鉄)が添加されているヨーグルトやおやつも美髪に強い味方になってくれます。
なお、甲状腺ホルモンの低下が脱毛や貧血を促進することもあるので、髪の悩みに加えて疲れやすさや体型の変化、月経異常をともなう場合には、ぜひ一度血液検査を受けてみてください。血液中の栄養状態も含めてチェックできる女性のための検査プランには、個別の食事指導が受けられるものもあります。」(細川さん)
※1「「Will Conscious Marunouchi「まるのうち保健室」調査」Copyright© 2015 三菱地所株式会社・一般社団法人ラフデリAll Rights Reserved.」
※2「こどもすくよか白書」Copyright© 2019 一般社団法人ラブテリAll Rights Reserved.
産後は抜け毛が増える?
美容ライターの有田千幸さんによれば、女性ホルモンのバランスが変わる産後はとくに抜け毛に悩まされる可能性があるそう。
「私、髪の毛は多い方だし、最近は染めたりパーマしたりもしていないし、大丈夫なはず…と勝手に安心していたのですが、そういう問題ではなく女性ホルモンのバランスが変わることによるものだそう。」(有田さん)
女性ホルモンのバランスによる抜け毛は、髪質やヘアケアに関わらず、抜け毛に悩まされる可能性があるそうです。
頭皮の状態が原因の可能性も
抜け毛や髪痩せ、白髪など、髪のトラブルの原因は頭皮にある可能性も。頭皮のコンディションを知るためには頭皮の「色」に注目!
【青白い頭皮】健康な状態
青白く透けたような色は、頭皮が健康な証拠。皮膚の表面のキメが整ったうっすら艶を感じる状態であれば、豊かな髪が生まれる理想的な頭皮コンディションと言えそうです。
【黄色い頭皮】地肌が酸化した状態
黄色い頭皮は、体の内側や外側からの「酸化」のサインの可能性が。酸化が進むと「エイジング毛」と呼ばれる独特なうねり毛が生えやすくなり、髪のツヤも低下してしまいます。加齢によって抗酸化力が衰えている場合もありますが、紫外線やストレス酸化も原因になります。
【赤い頭皮】炎症を起こした不健康な状態
赤い頭皮は「炎症」を起こしている可能性大。寝不足や疲れなどによる一時的な可能性もありますが、慢性的な炎症の場合は抜け毛や髪痩せ、白髪を引き起こしてしまうことに。
【茶色い頭皮】要注意!黄色と赤のダブルパンチ
黄色い頭皮と赤い頭皮が合わさった「茶色い頭皮」はさらに注意!「エイジング毛」と「抜け毛」「白髪」が合わさって現れるダブルパンチ状態です。
頭皮炎症の原因は人によってさまざま。乾燥による肌のバリア機能の崩れが原因なら保湿ケアを、皮脂が変質して頭皮を刺激している場合は、皮脂を取り除くケアを。また、元々頭皮表面に存在する「細菌群」が髪のトラブルに影響している可能性も。赤みの強い頭皮は「コリネバクテリウム」という菌が増加することで細菌群のバランスが崩れてしまい、これが抜け毛や髪の痩せ細りの原因に。適切なヘアケアアイテムを使用して、細菌群のバランスを正常な状態に近づけましょう。
頭皮ケアは、現在生えている髪だけでなく、これから生えてくる髪のためにも重要なこと。抜け毛に悩む人はぜひ頭皮の状態にも注目してみて。