髪の毛がチリチリになるのはなぜ?
原因1:カラーやパーマのアルカリ性の薬剤
カラーやストレートパーマの薬剤は、強いアルカリ性のものが主流です。
しかし、髪の毛にとって最も健康な状態は弱酸性。強いアルカリ性の薬剤によって髪がアルカリ性に傾くと、髪は大きなダメージを受け、傷んでチリチリした状態になってしまう可能性があるのだそうです。
原因2:ヘアアイロンの使い過ぎ
ヘアアイロンの使い過ぎも、髪がチリチリになる可能性があるといわれています。摩擦によって髪表面のキューティクルが傷むだけでなく、熱によるダメージで髪が乾燥したり、髪質が変化してしまうのだそう。
また、髪が絡まった状態で無理にヘアアイロンを使うと、さらに髪に負担がかかって大きなダメージを与えてしまう可能性も…。
原因3:加齢による髪質変化
「特に髪に悪いことをしていない」という場合は、加齢による髪質の変化が原因である可能性があります。
髪は年齢が進むにつれて生え変わりのサイクルが遅くなり、髪の内部に含まれる脂質量も減少してしまうため、細くツヤのない状態になりがちなのだそう。
年を重ねるほど、髪のダメージが内部にまで影響を及ぼしているということも…。
原因4:頭皮の毛穴汚れ
毛穴の汚れなどによって頭皮が酸化すると、「エイジング毛」と呼ばれる独特なうねり毛が生えやすくなるといわれています。髪のツヤ低下にもつながり、髪がチリチリに見えてしまう可能性があるそうです。
原因5:生まれつきのくせ毛の場合も
遺伝的要素により生まれつき髪の毛がチリチリしているという人もいるよう。くせ毛にはそれぞれタイプがあるといわれ、一般的には以下の4種類に分けられるそうです。
1. 波状毛
ウェーブタイプのくせ毛で、日本人に一番多いタイプと言われています。うねりの強さ・大きさはそれぞれですが、波打つようにうねるのが特徴です。
2. 捻転毛
髪1本1本がコイルのようにねじれているくせ毛で、ザラつきやデコボコした手触りを感じるようです。
3. 縮毛
一般的に、細かく縮れているタイプのくせ毛を縮毛と言います。髪をストレートにするために縮毛矯正をする人も多いようです。
4. 連球毛
髪の所々に数珠のように連なったボコボコがあるくせ毛で、ゴワゴワした手触りが特徴と言われています。
同じ「チリチリ」とした質感でも、くせ毛の種類は異なるかもしれませんね。
【自宅でできる】髪のチリチリ改善方法
アミノ酸系シャンプーを使う
アミノ酸系シャンプーは、健康な髪や肌と同じ弱酸性の成分でできています。そのため髪や頭皮にやさしく、傷みを抑えて洗うことができます。髪のダメージを最小限にして、チリチリを防ぐことにつながるでしょう。
トリートメントを取り入れる
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髪のダメージが強くチリチリしている場合は、髪を保湿・補修する効果があるトリートメントの使用が推奨されています。
おすすめは髪の中のたんぱく質を補ってくれる「コラーゲン」や「アミノ酸」が含まれたもの。髪の毛が細い人や、ハリ・コシを与えたい場合は「ケラチン」入りのトリートメントが良いといわれています。
頭皮を正しく洗う
頭皮の状態が原因でチリチリ髪が生えてくる場合は、髪の毛の洗い方を見直すことがおすすめです。
人気ヘアサロンGARDEN Tokyoのトップスタイリスト、本木亜美さんに正しいシャンプー手順を教えてもらいました。
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髪は夜に洗うこと!
「洗髪は夜にすることが鉄則。1日の活動で出た皮脂が酸化して、毛穴を詰まらせてしまうことがあるためです。また、髪のアンチエイジングにも関わる成長ホルモンは22〜2時に多く分泌されると言われていますので、その時に頭皮が清潔になっていると髪の健やかな成長につながることも考えられます。朝の洗髪で必要な皮脂を落としてしまうと、日中、頭皮への紫外線によるダメージが増えるという観点からも、できるだけ夜に!」(本木さん)
シャンプーの量は髪の長さに合わせる
「ショート〜ボブは1プッシュ、ミディアムは2プッシュ、ロングは3プッシュが基本。髪の多さや硬さで、半プッシュ程度ずつ調整してください。シャンプー前のお湯洗いをしっかりしておくと汚れが半減しているため、シャンプーの量が少なめでも泡立ちがよくなります。シャンプーを多く使うと泡立ちはいいですが、すすぎ残しが出てくるので注意してくださいね」(本木さん)
髪ではなく頭皮を洗う
「シャンプーの目的は、頭皮の洗浄です。頭皮にたまった老廃物や皮脂汚れを落とすためと考えてください。まずシャンプー液を手のひらになじませてから、髪でなく頭皮につけます。前髪の生えぎわから前頭部、耳の後ろから後頭部、襟足の3つのブロックを、順番に3回洗います。パーツごとに洗うことで、洗い残しを防ぎます。洗い方は、指先で頭皮をしっかりとらえて揉むように。何度も言いますが、頭皮を意識して洗ってください」(本木さん)
すすぎは洗うときの倍、時間をかける
「洗うときよりも長く時間をとります。例えば2分かけてシャンプーしたら、すすぎには4分かける。すすぎ残しがあると髪や頭皮の負担になり、頭皮の炎症の原因になることも。完全にぬめりがなくなるまで、よーくすすいで。すすぐ前に、髪についている泡を手で落としておくとすすぎ残しが減ります」(本木さん)
トリートメントをつけたらコームでとかす
「髪に悩みを抱えている場合は、トリートメントがおすすめです。すすいだあとの髪の水分をギュギュッと絞ったら、トリートメントを毛先→中間の順につけます。油分の多いトリートメントは、残ると頭皮トラブルの原因になるので頭皮にはなるべくつかないように注意を。なじませたあとは目の粗いコームでザッととかすと、液が全体に行き渡るのでおすすめです。目の細かいコームを使うと髪に力がかかりすぎてダメージにつながる場合があるため、避けて。そのまま、湯船に入りながら5〜10分ほど放置します」(元木さん)
最後のすすぎも丁寧に!
「トリートメントの油分のめりがなくなるまで、丁寧にすすぎます。毛先には少しトリートメント成分が残っている方がいい?と聞かれることもありますが、絶対によくありません。頭皮から毛先まで、十分にすすいでください」(本木さん)
髪の乾かし方も重要
チリチリ髪にさせないためには乾かし方も重要だといわれています。髪の絡まりを無理にほぐしながら乾かしたり、ドライヤーの熱を近くで当て過ぎたりすることで、髪は大きなダメージを受ける可能性が…。また、自然乾燥も髪が傷む原因に!
本木さんに、正しい髪の乾かし方を教えてもらいました。
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木本さんによると、まず大前提として髪は〝一刻も早く乾かすこと〟が重要だといいます。
「髪が濡れているときはキューティクルが開いている状態なので、そこからどんどん水分や栄養分が抜けていきます。乾いているときに比べて強度も低下しているため、摩擦や引っ張りに弱くなっています。濡れたままの頭皮は、必要な水分が奪われ乾燥してトラブルの原因に。雑菌も繁殖しやすいんです。髪を洗ったら一刻もはやく乾かすことが大事です」(本木さん)
その上で以下の3点を意識して髪を乾かしてみましょう!
1. タオルドライは、吸水性のある髪用タオルでこすらず拭き取る
「頭皮→髪の順にタオルで水分を拭き取ります。まずタオルを頭にかぶせ、手で押さえながら頭皮の水分を吸収させます。髪はタオルで挟んで、水気がなくなるまで押さえます。ポンポンと優しく叩くのはOK。頭皮も髪も、ゴシゴシこするのは絶対にやめてください。髪のキューティクルをはがし、ダメージにつながります」(本木さん)
▲ハホニコ|ヘアドライ マイクロファイバータオル
2. オイルなど洗い流さないトリートメントをなじませてコーミングする
「タオルドライが終わったら、ヘアオイルやクリームなど洗い流さないトリートメントを髪の毛先を中心になじませます。髪が濡れている状態はキューティクルが開いているため、栄養が入りやすいからです。アイテムは、髪質やテクスチャー、仕上がりの好みでチョイスしてください。毛先全体になじませたら、目の粗いコームで軽くとかしてムラなくのばしつつ毛流れを整えます。濡れている髪はかなり弱いため、ブラッシング用のブラシでとかすのはやめてください。このあと、すぐにドライヤーを当てずに、髪をタオルでもう一度包みます。タオルがさらに水分を吸収して、ドライヤーを使う時間が短縮されます」(本木さん)
3. 乾かす順番は前髪→後頭部→耳周り
「ドライヤーのタイプは、風量と熱量、イオン量などいろいろ異なります。1万円台は、高性能のヘアケア機能がついているものが多く、各メーカーの売れ筋や人気商品がそろいます。2万円以上はかなり高機能で、プロ使用やスキンケア機能がついているものも。通っているヘアサロンの担当者や、ドライヤーが数多く置いてある家電量販店の店員さんに相談するのがいいかもしれません。
基本的に強風で、根元を先に乾かします。最初に乾かすのは、生えグセがあったり割れたりする前髪。手を開いて地肌に軽く指を当て、左右に揺らしながら根元にドライヤーの風を当てて乾かすと、根元のクセがとれてフラットな状態になります。
次は、髪が密集していていちばん乾きにくい後頭部(襟足)を乾かします。そして耳周りを乾かします。意外と乾かせていない場所なので、手を開いて根元から指を通しながら根元までしっかり風を当てます。ドライヤーを小刻みに動かすようにすると、熱が一定の場所に当たらずに分散して、熱による負担が軽減されます。
根元が乾いたら、全体に手ぐしを通すようにして毛先を纏めながら乾かします。このとき、ドライヤーの風は斜め上から当たるように。毛先までしっかり乾いたら、ドライヤーを弱い冷風に切り替えて全体に当てながら手ぐしを通すとキューティクルが整ってツヤが出ます」(本木さん)