【目次】
・まずは髪のつくりを理解しよう
・髪の毛がパサつく原因は?
・キューティクルを守るために
・パサついた髪をケアするには?
・頭皮のケアも忘れずに
まずは髪のつくりを理解しよう
髪のダメージ対策としてヘアケア用品をやみくもに使っても、根本的な解決にはなりません。まずは髪のつくりを理解して、予防や対策をチェックしていきましょう。
髪の主成分はタンパク質
髪は主に「ケラチン」でできています。ケラチンはヘアケア用品に含まれていることも多い成分で、タンパク質の一つです。タンパク質は体をつくる重要な成分で、主に骨や皮膚をつくるコラーゲンと髪や爪をつくるケラチンに分かれます。ケラチンには、シスチンと呼ばれるアミノ酸が多く含まれているのが特徴。そのため、健康的な髪を維持するために、アミノ酸やケラチンに着目したヘアケア用品が多く販売されています。髪は1カ月で約1cm伸びるとされており、毎日大量のケラチンが体内で作られているのです。
3段構造の外側がキューティクル
髪は細い糸のように見えますが、断面は3段構造になっています。中心部分は「毛ずい質(メデュラ)」と呼ばれ、多くの空砲があり空気が含まれているのが特徴です。中間部は「毛皮質(コルテックス)」と呼ばれ、メラニン色素が含まれている部分。メラニン色素の含有量によって髪の色が決まり、メラニン色素がない髪が白髪となります。一番外側が「毛小皮(キューティクル)」です。毛の表面を覆っている成分ですが、透明のため目には見えません。さまざまな外的刺激から髪の内部を守る役割があり、何層にもなっているため丈夫ですが、ぬれると柔らかくなる性質があります。髪を洗った後にタオルなどでこすったり、ブラッシングしたりするだけでキューティクルがはがれてしまうため、ぬれたあとは早めに乾かすのが鉄則です。
髪の毛がパサつく原因は?
髪がパサつく原因は主に三つあります。どのようなことがダメージにつながるのでしょうか?
熱によるダメージ
ドライヤー・アイロン・コテなどの熱によるダメージが原因の一つ。キューティクルは髪を外的刺激から守る大切な役割があるため、熱にも強く丈夫です。しかし、ぬれた状態では熱に弱くなる性質が。乾いた髪であれば180℃という高温でもタンパク質は変性しませんが、ぬれた状態では130℃程度で変性します。温度の高さや使用時間が長くなるほど変性しやすくなり、160℃以上になるとコルテックスの繊維構造が破壊されてしまうのです。変性することで髪の水分量が低下したり弾力がなくなり、パサついた毛質になります。
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紫外線によるダメージ
夏や紫外線の強さを感じる時期、「髪が傷む」「茶色くなる」という悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。紫外線が強い夏は、日焼け止めで肌を保護していても、髪は何もせずそのままにしているという人もいるかもしれません。しかし、肌と同様に、髪も紫外線のダメージを受けるため対策やケアが必要です。髪の毛は紫外線を浴びると、タンパク質が破壊されやすくなります。頭部は他のパーツよりも太陽に近い位置にあるため、一番紫外線が届く場所。海やプールでぬれた髪は強度が低くなり、より紫外線のダメージを受けやすくなっています。紫外線はメラニン色素にも影響を与えるため、それによって髪の色が茶色になってしまうのです。
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物理的ダメージ
シャンプーのやり方を間違えると、髪にダメージを与える原因になります。ぬれた髪は外的刺激に弱い状態です。力任せにゴシゴシ洗ったり、ぬれた髪をタオルで拭くときも、摩擦によってダメージを受けます。ぬれたまま寝てしまうのもダメージの原因です。毎日髪をブラッシングするようにしてる人もいるかもしれませんが、やりすぎると摩擦によって髪が傷むことも。さらにぬれた状態でブラッシングをすると、より髪を傷める原因になります。
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キューティクルを守るためにできること
健康な髪を維持するのに欠かせないキューティクルを守るためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?大切な三つのポイントを紹介します。
ぬれた髪はしっかり乾かす
ぬれた髪は、できるだけ早くドライヤーでしっかり乾かしましょう。ドライヤーの温風を使わないで自然乾燥させた方が、髪によいと思っている人もいるかもしれません。乾かすのが面倒だからと乾かさない人もいるでしょう。しかし、ぬれた状態のままでいると水分やタンパク質がどんどん失われ、ダメージにつながります。摩擦によって髪を傷める原因になることも。また、海やプールでは髪に塩分や不純物が付着するため、よりデリケートな状態です。さらに紫外線を浴びることでキューティクルがダメージを受け、髪がパサつきやすくなります。外に長時間いた日や海・プールへ入ったあとはしっかりケアし、すぐに乾かすようにしましょう。
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できるだけ紫外線を避ける
紫外線によるダメージを防ぐためには、なるべく紫外線を浴びないようにすることが肝心です。例えば、UV加工が施されている帽子をかぶったり、日傘をさすだけでも、直射日光によるダメージを軽減することができます。帽子はつばの広いタイプにすると、広範囲を守ることが可能です。帽子が苦手という人でも、通気性がよいタイプを選んだりなど快適に過ごせる素材や仕様のものを選び、できるだけ紫外線から髪の毛を守りましょう。また、日傘はデザイン性も大切ですが、UV効果が高いタイプを。さらに近年は、UV効果が期待できるヘアスプレーやスタイリング剤も販売されています。普段の外出時はもちろん、海やスポーツなどレジャー時にも活用するとダメージの対策に。
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ブラッシングの方法を見直す
髪にダメージを極力抑えられるブラッシングを心掛けましょう。忙しい朝は、からまった髪を無理やりとかしてしまう人もいるかもしれませんが、優しくブラッシングするのが基本です。ブラッシングするときは、根元から一気にとかすのではなく、根元・中間・毛先と3部分に分けてとかします。とかす順番は、からまりやすい毛先から始め、中間、最後に根元です。分けてとかすことで、髪がひっぱられることによる切れ毛や抜け毛を防げます。ぬれている状態でのブラッシングや過度なブラッシングは、髪を傷めるため注意が必要です。静電気も髪を傷める原因になるため、ナイロン製のブラシは避けましょう。静電気が起こりにくく髪への負担が少ない木製や天然毛素材を選ぶのがおすすめです。
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パサついた髪をケアするには?
パサついた髪は、ヘアケア用品で丁寧にお手入れを。具体的な方法を確認して、いつものケアに取り入れてみましょう。
アミノ酸シャンプーを取り入れる
ダメージを軽減し健康的な髪に導いてくれるのが「アミノ酸シャンプー」。髪のダメージは、さまざまな外的刺激によりアミノ酸を含むタンパク質が変性することで起こります。髪は毎日のように洗うので、アミノ酸シャンプーで失われがちなタンパク質を効率よく補充。さまざまな製品が販売されているためどれを選べばよいか分からない場合は、「加水分解ケラチン」や「加水分解コラーゲン」という成分が含まれているタイプを検討しましょう。天然成分配合・シリコン不使用・無添加など刺激の少ない優しいタイプであることも大切なチェックポイントです。
ヘアオイルでダメージ予防とケア
ヘアオイルは、髪に潤いを与えパサつきを予防する役割があります。ドライヤーやアイロンなどの熱から髪を守る効果も期待でき、ダメージ予防にもおすすめです。ヘアオイルと一口にいっても、配合されている成分によって大きく3タイプに分かれます。ナチュラル成分にこだわるなら、アルガンオイルやホホバオイルなど植物の種子などから作られている「植物性」をチェックしましょう。主に毛先のパサつきをケアしたい場合は、髪の表面を覆う効果に優れツヤ感がでる「鉱物性」も選択肢の一つです。浸透性が高く、しっとりしたタイプが好みなら、馬油やスクワランなど「動物性」を。
3つの種類をまとめると、
- ナチュラル成分派→「植物性」
(アルガンオイル、ホホバオイルなど) - 毛先のパサつきが気になる→「鉱物性」
(髪の表面を覆う効果があるもの) - 高浸透でしっとりタイプ→「動物性」
(馬油、スクワランなど)
自分の目指したいスタイルや悩みに応じて成分や効果などを確認しながら選ぶと、より効果が出やすくなります。
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食生活を見直す
健康的な髪をつくるには、食生活を見直し栄養バランスのよい食事をとることも注目したいポイント。髪の毛はタンパク質でできているため、良質なタンパク質を摂取することが大切です。タンパク質は主に、肉・魚・大豆・卵などに多く含まれています。ただし、タンパク質の吸収にはビタミンなど他の栄養素も必要です。とくに緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA、青魚に含まれるビタミンB、玄米やオリーブオイルなどに含まれるビタミンEは健康な髪をつくる栄養素。また、血行不良だと必要な栄養素が体の隅々まで運ばれません。血行促進のために、ニンニクやタマネギも積極的に摂っていきたいところです。
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頭皮のケアも忘れずに
健康な髪を維持するには、頭皮のケアも忘れずに行いましょう。手軽にできる頭皮ケアを二つピックアップしました。
手軽にできる頭皮マッサージ
頭皮の血行が悪い状態は、必要な栄養や酸素が髪の毛に運ばれなくなるため、血行を促進させることが大切です。頭皮をマッサージすることで血行がよくなり、必要な栄養などが行き渡り健康で丈夫な髪に導いてくれるのです。マッサージの方法は、頭の左右に開いた手を置き、指先で円を描くようにマッサージするだけ。爪で傷つけないように気をつけながら優しくマッサージするのがポイントです。髪のパサつきを抑えるホホバオイルやアルガンオイルなどを使えば、同時に髪のケアも。頭皮を指先でつまむように軽く刺激を与えながらマッサージすると、血行促進効果が高まります。襟足から徐々に頭頂部に向かい、おでこの生え際までマッサージしましょう。
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ブラシを使ったマッサージ
ブラシを使ったマッサージ方法は、毎日のブラッシングのついでにできるのがメリットです。心地よい刺激で頭皮の血行がよくなります。まず絡まっている毛先をほぐし、次に頭頂部から毛先に向けてブラッシングしましょう。このとき、ブラシを縦に使うのがポイント。次にブラシを横にし、下から頭頂部に向かってブラッシングします。ブラシ全面を使い、こめかみ周辺に円を描くようなイメージで動かしましょう。頭頂部と頭皮全体をポンポンと軽く圧をかけるように刺激します。ブラシは大きめで頭皮を傷つけない弾力性があるタイプがおすすめ。髪にダメージを与えないように、乾いた状態で行うこともポイントです。
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