中国語で「送礼禁忌 (Sòng lǐ jìn jì)」は「NGギフト」の意味
私が台湾で過ごしてきた思ったことは、台湾人は「很愛送礼(禮)物 (贈りものが大好き)!」ということ。もらうのも好きだけど、どちらかというとあげるほうが好き。(台湾では「礼」よりも繁体語の「禮 (Lǐ)」のほうが一般的)
旅行に行けば伴手礼 (お土産) を忘れないし、旬の水果 (フルーツ) があれば大量に買い込んで会社で配ったり、同僚の早餐 (朝ごはん) まで余分に買ったり、とにかく愛照顧别人 (世話好き)。特に海外からの戻りが多い航空会社、社内を歩いていたら「千幸〜 這個給你 (千幸、これあげる)」とお菓子をいただくことも少なくありませんでした。
そんな贈り物好きの台湾でも、あげてはいけないもの「送礼禁忌 (Sòng lǐ jìn jì)」というのがいくつかあります。
中国語メモ:送礼禁忌 (Sòng lǐ jìn jì)= NGギフト
送 → 贈る、あげる
礼/禮 → プレゼント、ギフト
禁忌 → タブー、NG
今回はそんな台湾のメジャーなタブーギフト【BEST6】をご紹介いたします。
1 【銭/錢包 (Qián bāo)】= 財布
台湾人はわかりやすくお金好き。給料のこと、株のこと、購入したものの値段など、躊躇することなく話題にします。そんな台湾人 (中華圏) の人にとって “財布をあげる” ということは、自分の金庫を人に渡してしまうのと同じことなのだとか。金運が悪くなったり、貸したお金が返ってこなくなったり、と贈り物をした側にとってよくないといわれています。
2 【枕頭 (Zhěn tou)】= 枕
毎晩寝るときに頭を休める枕は、相手が何の心配事もなくぐっすり眠れるようにと気にかけるものという意味があるのだとか。そのため、反対に贈り物をした側のリラックスする時間が減り、面倒事さえ降りかかってくるといわれています。
3 【傘、扇子 (Sǎn、Shàn zi)】= 傘、うちわ、扇子
「傘 (Sǎn)」も「扇 (Shàn)」も「散る、別々になる、別れる」という意味がある「散 (Sàn)」と発音が近いため、こちらも贈り物としては相応しくないといわれています。日本の美しい扇子はお土産の定番。中華圏の人にあげるときには、ひと言それを選んだ特別な意味などを一緒に伝えてあげるといいかもしれませんね。
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4 【綠帽 (Lǜ mào)】= 緑色の帽子
中華圏で緑の帽子を被るということは「妻に浮気をされた、不倫をされた男性」という意味。男性に「妳不要給我戴綠帽喔 (おれに緑色の帽子を被せるなよ)」といわれたら、それは「浮気するなよ」という意味です。心配されているのかも?
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5 【時鐘 (Shí zhōng)】= 掛け時計、置き時計
「時計を贈る」という意味の「送鐘 (Sòng zhōng)」は人の最期を看取る「送終 (Sòng zhōng)」という言葉と発音が近いため、こちらも贈り物としては相応しくないといわれています。ちなみに、腕時計は「手錶 (Shǒu biǎo)」と発音が異なるので、あげてももらってもOK♡
6 【鞋子 (Xié zi)】= 靴
「鞋 (Xié)」は、有害なものという意味の「邪 (Xié)」という言葉と発音が非常に近いため、こちらも贈り物としては相応しくないといわれています。また靴をプレゼントすると贈ったほうは「走って逃げられる、フラれる」ともいわれています。反対にお別れしたいときには「靴が欲しいなぁ〜」なんておねだりもありかも…?
外国の人にはじめてプレゼントを渡すときには、まずその国の文化について調べたり、「何がいい?」と予め探りを入れたりすると失敗が少ないかもしれませんね!
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official