1:「あなたはかわいそうな人」
「すでに離婚しましたが、元夫の母親はとにかく言葉がきつくて、話すたびにダメージを受けていました。そのなかでも私がどうしても流せなかった表現が『あなたは、かわいそうな人』。義母は、何かといえば私に対して『かわいそうな人だから、仕方ないわね』『かわいそうな人だから、許してあげるわ』などと言っていました。
私は幼い頃に両親を亡くしているのと、経済的に苦しい状況で育ったので、人並みの学歴がないことがコンプレックス。義母は、そのことを“かわいそう”という言葉で表現していました。ほかにも、いろんなモラハラを浴びせられましたが、実はこの言葉が一番つらかったです。そして、顔を合わせるたびに2年間ずっとそんなふうに言われた私は病んでしまい、結局、身体を壊して離婚しました」(38歳女性/サービス)
2:「ブスなのに努力家」
「私は美容が趣味なので、結婚後もコスメの新製品を使うのが唯一のストレス発散です。だけど、近居をしている義母は、そんな私を浪費家だと思っているようで、家に遊びにくるたびに『あなたはブスなのに努力家ね〜』と笑いながら言うのが許せません。私自身、自分のことを美人だとは思っていませんけれど、美容が好きなことと、容姿がどうであるかはまったく関係ないと思いますし、そんな言葉を平然と口にする義母のモラルも疑います。
夫になんとかしてもらいたいと話しましたが相手にしてもらえず、義母のこの言葉だけが私の頭の中でリフレインしまくっていて、ストレスが溜まっています」(40歳女性/パート)
3:「みっともない女」
「もともと義母は、私と夫の結婚には賛成はしていなかったようです。結婚してからというもの、義母は私に対してとにかく失礼な発言しかしません。滅多に顔を合わせることはないのですが、年に数回会う機会があるときには『相変わらずみっともない女ね』などと、わけのわからない言葉を浴びせてきます。最初のうちはそんな義母の言葉を流していたのですが、あまりにも毎回言われるので、なんだか自分が“みすぼらしい女”と言われているような気分になり、最近では自信を失いつつあります」(41歳女性/飲食)
モラハラは長期化するほど心をえぐられる
モラハラ義母から受けるダメージは、長期化するほどに心をえぐられます。最初のうちは「そんなことない」と義母のモラハラ発言を自分のなかで否定できていても、長期にわたって批判的なことを言われる続けるうちに、自尊心を傷つけられるほど深刻化しがちです。
夫が協力的であれば対処もできますが、義母からのモラハラに対して、息子である夫がまともに間に入ってくれない場合には、専門家の助けを借りるなど早めの対処がベスト。「このくらいなら、まだ我慢できるかも」と耐えているうちに、自分でも気づかないほど心の傷が深まり、心身に不調が出てくる例も珍しくありません。モラハラの芽は、放っておいても枯れることは稀。早いうちに摘めるほど、被害を小さく食い止められます。
取材・文/並木まき(メンタル心理カウンセラー)
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