今年の夏はダブル高気圧で猛暑予想。コロナ禍も相まって増えるのは…
ウェザーニューズが発表した2021年夏の暑さの見通しによると、今年の7月~9月の気温は広い範囲んで平年並みか平年よりやや高く、全国的に暑い夏になるそうです。特に関東など東日本と近畿地方は平年よりやや高くなる傾向とされています。
そこで予想されるのが『食材のまとめ買い』の増加です。
「こんなに暑いと買い物に行く気にならない!」今年はなことさらそんな夏になるようで、この猛暑と外出自粛が推奨される世情が合わさった結果”まとめ買い”の増加が見込まれているんですね。しかし、まとめ買いとなると気を付けたいのが「購入した食材を腐らせない」こと。夏は食材の傷みが早く、うっかり腐らせてしまった…なんて場合も少々ありますが、せっかく購入した食材を無駄にしないためにも! ぜひ活用していただきたいのが『冷凍術』です。
昨今、冷凍に関するテクニックやレシピなどは独自の進化を遂げており、目から鱗のワザがいっぱい。早速プロに学びましょう。
冷凍王子・西川剛史さんが教える『まとめ買い食材のおすすめ冷凍術』
まず教えてくれるのはテレビや雑誌、ラジオなどで幅広く活躍する冷凍生活アドバイザーの“冷凍王子”こと西川剛史さん。卵・生魚・夏に旬を迎えるしじみのかんたん冷凍術をお聞きしました。
食感が変わる! 冷凍たまごレシピ(加熱調理一切なし)
1. 卵を殻ごとラップで包み、保存袋に入れて冷凍させます。
2.凍った卵を解凍し、醤油やみりんを混ぜた調味液に漬け込むだけで出来上がり。(長時間漬け込む必要はなく、10分程度で味が染みこむのだそう。)
『卵を冷凍すると、黄身だけが固くなり、生の時とは全く違う面白い食感になりますよ。』と西川さん。この冷凍術ならば、ついついストックして賞味期限を切らしてしまう卵も美味しく食べられそうですね。お子様と試してみるのも理科の実験のような感じで楽しいかも。
消費期限の短い魚の冷凍保存術
『生魚はそのまま冷凍すると水分が出やすいので、“ふり塩”と呼ばれる下処理をしてから冷凍することをおすすめします。ふり塩で身を引き締めて冷凍することで、美味しさを保つことが出来ます。味噌や麹などの調味料で下味冷凍をしておけば風味がしっかり染み込み、加熱するだけで料理が完成するので時短にもなります。』
冷凍することで栄養&旨味アップ! しじみの冷凍術
『しじみ全体を氷漬けにして保存します。冷凍すると長持ちするだけでなく、肝機能を助けるオルニチンや旨味がアップしますよ。』
生魚やしじみは、買ってすぐ調理できなかった場合など、ちょっと機を逃すと触るのが億劫になりませんか? なんとか踏ん張って先に冷凍しておけば、腐らせる後悔と献立を考える時間が減るかも知れません。ありがたし冷凍術…!
冷凍テクニックの達人・島本美由紀さんが教える『まとめ買い食材のおすすめ保存術』
次に教えてくれるのは、テレビや雑誌・講演会を中心に活動し著書は70冊超え! 6月25日に最新著書「栄養素も鮮度も100%キープ! おいしい冷凍保存術」(宝島社)を発売予定の料理研究家でラク家事アドバイザー・島本美由紀さん。豚肉・鶏肉や豆腐、納豆と、日常に欠かせない食材の冷凍術をお聞きしました。
主婦の味方! 豚こま切れ肉・鶏むね肉の冷凍術
『豚肉や鶏肉に下味をつけて冷凍保存すると、簡単に味も染み込み、肉のおいしさをキープしたまま保存することが出来ます。下味冷凍をすることで調理の時のアレンジも自由自在です。ただ焼くだけですぐに一品出来上がるので時短にもなります。』と島本さん。
豚・鶏肉はプレーンのまま冷凍する派の筆者も、下味をつければおいしさをキープしたまま保存できると言われてしまったら、もう試すしかありません。面倒な時はカット野菜セットを買ってきて、炒め合わせるだけで立派なおかずになるじゃん…と、ラク家事の素敵さを嚙み締めております。
まるでお肉みたい? 豆腐のフリージング術
『豆腐は水分が多いので、一見冷凍には向かない食材と思われがちですが、上手に保存すると様々な料理に応用できる優れた食材なんですよ。凍らせた豆腐は生のときとは違い、しっかりした食感に変わります。外出制限で「コロナ太り」を気にされる方にはおすすめの調理法です。アレンジ方法として豆腐ステーキなど、お肉代わりに使用することをおすすめします。』
免疫力を高める万能食品♡ 納豆の冷凍術
『納豆はパックのまま冷凍用保存袋に入れ、乾燥を防ぐために出来るだけ中の空気を抜いてから封を閉じて冷凍しましょう。食べるときは、自然解凍してからいただきます。冷凍保存で2、3か月キープ出来ます』
「気づいたら賞味期限が切れていた!」あるあるな豆腐や納豆の冷凍術も覚えておいて損はないはず。冷凍豆腐は麻婆豆腐にしてみたいなと思いました。
食材を生かし、時短もかなえてくれる下味冷凍のすすめ
先ほど、島本さんのお話にも登場した『下味冷凍』。フリーザーバッグで肉や魚などの食材に下味をつけて冷凍する方法です。簡単に味も染み込み、食材の美味しさをキープしたまま保存することが出来ます。使いたい日の朝に冷蔵室に移しておけば、夕方には解凍されているので煮たり焼いたりするだけでメインのおかずが簡単に作れます。比較的時間のある休日に下味冷凍しておくと、平日の夕食作りを時短&楽に済ませること可能です。
お次は下味冷凍のおすすめ3つと、それを応用したお料理レシピをご紹介します!
下味冷凍おすすめその1!豚バラねぎ塩味
塩とごま油のシンプルな下味なので、そのまま焼いてもよし、炒め物やめん類のトッピングにもおすすめ。スタミナがほしい夏にぴったりです。◆ 材料 ◆(2~3人分)
豚バラ肉(焼き肉用厚切り)…300g
【A】
長ねぎ(みじん切り)…10cm分
しょうが(すりおろし)…小さじ1
酒…大さじ1
ごま油…小さじ1
塩…小さじ1/3
◆ 作り方 ◆
1.「ジップロック(R)フリーザーバッグ(M)」に【A】を入れ、バッグの上からよくもんで混ぜ合わせる。
2. 1に豚バラ肉を入れてよくもみ込む。なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、平らにして冷凍保存する。
応用レシピ・豚バラのねぎ塩焼きレモン風味(2~3人分)
◆ 材料 ◆
下味冷凍した「豚バラねぎ塩味」…300g
※あらかじめ冷蔵室に入れて解凍しておく
【A】
レモンの皮(すりおろし)…少々
レモン汁…小さじ1
キャベツ…3枚
塩…少々
レモン汁…小さじ1
トマト(くし形切り)…適量
◆ 作り方 ◆
1.「豚バラねぎ塩味」にAを加え、バッグの上からもんで軽くなじませる。
2. キャベツは1cm幅に切り、塩をふってしばらくおき、水けを絞る。レモン汁をかけておく。
3. フライパンに「クックパー®フライパン用ホイル」を敷いて(1)を入れ、中火で片面2~3分ずつ、カリッと焼く。
4. 器に(2)とトマト、(3)を盛りつける。
ワンポイント
・下味冷凍しておけば、朝冷蔵室へ入れて解凍、夜は焼くだけ!
・そのまま焼いてもおいしく食べられますが、レモン風味にすることでバラ肉がさっぱりとし、つけ合わせの塩もみキャベツとの相性も抜群に。
下味冷凍おすすめその2! 豚ひき肉オイスターソース味
オイスターソースのうま味で色々な食材と相性抜群。中華風のアレンジ料理に重宝します。
◆ 材料 ◆(作りやすい分量)
豚ひき肉…250g
【A】
オイスターソース…大さじ2
酒…大さじ1
みりん…大さじ1
しょうゆ…大さじ1/2
ごま油…大さじ1/2
◆ 作り方 ◆
1. 「ジップロック(R)フリーザーバッグ(M)」に【A】を入れて軽く混ぜ合わせる。
2. (1)に豚ひき肉を加えて、バッグの外側からよくもんで混ぜる。なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、平らにして冷凍保存する。
応用レシピ・ずぼらシューマイ(2~3人分)
◆ 材料 ◆
下味冷凍した「豚ひき肉オイスターソース味」…全量
※あらかじめ冷蔵室に入れて解凍しておく
玉ねぎ(みじん切り)…1/2個分
シューマイの皮…1袋(30枚)
むきエビ…16個(50g)
冷凍グリーンピース(市販品)…16個
からし…適宜
◆ 作り方 ◆
1. 「豚ひき肉オイスターソース味」が入っている「ジップロック®フリーザーバッグ」に玉ねぎを加え、バッグの外からよくもんで混ぜる。
2. シューマイの皮は5mm幅に切る。
3. 耐熱皿に「クックパー(R)クッキングシート」を敷き、(1)を広げ、20cm角ほどに形を整える。
4. (3)に(2)のシューマイの皮を広げてのせ、包丁の背で16等分の目安となるよう筋目をつける。むきエビとグリーンピースを、16等分したところに1つずつのせる。
5. (4)に「サランラップ(R)」でゆったりとふたをし、電子レンジ500Wで約8分加熱する。
6. (4)でつけた筋目に沿って切り分け、器に盛りつける。お好みでからしをつけて召し上がれ。
ワンポイント
・朝、冷蔵室へ入れて解凍しておけば、夜は簡単調理で自家製シューマイがパパッと完成。1個1個包まなくても、蒸し器がなくても作れます。
・下味がしっかりついているので、しょうゆをつけなくても、おいしく食べられます。
下味冷凍おすすめその3! サケのみそヨーグルト味
お子様・女性人気抜群のサケ。そのまま焼くだけはもちろん、和にも洋にもアレンジできる下味。意外なおいしさがクセになります!
◆ 材料 ◆(3切れ分)
生サケ…3切れ
塩…適量
みそ…大さじ2
ヨーグルト(無糖)…大さじ4
◆ 作り方 ◆
1. サケの両面に塩をふって5分ほどおき、キッチンペーパーで軽く水けをふき取る。
2. 「ジップロック(R)フリーザーバッグ(M)」にみそとヨーグルトを入れてよく混ぜ、(1)を加えて全体にいきわたるようになじませる。
3. なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、平らにして冷凍保存する。
応用レシピ・サケのチャンチャン焼き風(3人分)
◆ 材料 ◆
下味冷凍した「サケのみそヨーグルト味」…3切れ
※あらかじめ冷蔵室に入れて解凍しておく
キャベツ…3枚
玉ねぎ…1/2個
しめじ…1パック
ホールコーン(缶詰め)…大さじ3
バター…大さじ1/2
水…大さじ1
◆ 作り方 ◆
1. キャベツはざく切りに、玉ねぎは縦5mm幅に切る。しめじは石づきをとってほぐす。
2. フライパンに「クックパー®フライパン用ホイル」を敷き、漬けだれをぬぐった「サケのみそヨーグルト味」を並べ、中火で焼く(漬けだれはとっておく)。両面に軽く焼き色がついたら、いったん取り出す。
3. あいたフライパンに(1)の野菜を入れて再び火にかけ、残った漬けだれに水を加え混ぜたものをまわしかけ、バターを加えて軽く炒める。
4. (3)に(2)のサケをのせ、汁けをきったコーンを散らし、ふたをして弱めの中火で4~5分蒸し焼きにする。
ワンポイント
・下味の漬けだれも調味料に利用するので、とても簡単です。
・サケにしっかり味がついているので、野菜もたっぷり食べられます。
時短や経済的な面でメリットがあるだけでなく、食品ロス削減にもつながる冷凍術。旭化成ホームプロダクツのホームページにはこのほかにも下味冷凍のレシピが掲載されており、料理のレパートリーも広がりますよ。まとめ買い×冷凍術で、来たる猛暑を上手に乗り切りましょう!
平日が楽になる!下味冷凍のすすめ・保存テクニック 旭化成ホームプロダクツ
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