皆さんは、「思慮分別のある人」と聞くとどのような人をイメージしますか? 目の前の問題について深く考え、状況に応じて適切に判断を下すなど、「思慮分別」をわきまえた振る舞いをお手本にしたいと考える方も多いでしょう。
本記事では、思慮分別の意味や使い方、思慮分別がある人の特徴を解説。ビジネスシーンで一目置かれる知的な振る舞いについて学んでいきましょう。
思慮分別とは物事を慎重に考え判断すること
まずは、思慮分別の意味を見ていきましょう。
思慮分別の意味を解説
思慮分別の読み方は、「しりょふんべつ」です。「ぶんべつ」と読むと「種類別に分ける」という意味になるので、気を付けてくださいね。意味は以下の通りです。
物事の道理や正邪・善悪などを注意深く判断すること。また、その能力や判断。「―のある行動」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
思慮分別とは、物事を慎重に考えて判断することです。また、物事の道理や是非などをよく考えて、正しく判断することでもあります。
つまり、「思慮分別のある人」とは、相手に気を遣う発言・行動ができるため、軽率なふるまいしない人と言えるでしょう。さらに、慎重に計画を立てて行動するため、ミスも最低限。その結果、職場の人から信頼され、一目置かれる存在になるのです。
思慮分別を使った例文を紹介
「思慮分別」を使った例文を以下に紹介します。
・あの人は思慮分別がある人だから、何も心配することはない
・彼は、思慮分別のある行動ができる人だ
・こんな軽率な行動するとは、あの人は思慮分別がない
思慮分別は、ポジティブな場合でもネガティブな場合でも使われています。紹介した例文を参考にして、その時の状況に合わせて正しく使ってみてくださいね。
思慮分別の類義語や対義語を紹介
「思慮分別」の類義語や対義語について、紹介します。
<思慮分別の類義語>
思慮分別の類義語である「思慮深い」は、「物事を注意深く考えて判断することができる」という意味で、ポジティブな意味合いで使われます。「思いやりがある」という意味で誤用されているケースがあるので、正しく使ってみてくださいね。
「熟慮断行」も思慮分別の類義語です。「十分に考えた上で、思い切って実行に移すこと」という意味があります。
<思慮分別の対義語>
思慮分別の対義語として、「浅慮(せんりょ)」が挙げられます。この熟語自体が「浅はかな考え」という意味をもっているため、「浅慮な考え」という使い方をすると、意味が重複してしまいますのでご注意を。
「思慮に欠ける」も、「軽率な行動をすること」を表わす思慮分別の対義語です。
思慮分別の英語表現
「思慮分別」に近い意味合いを持つ英語表現として、「thoughtful」「consider」「considerate」などがあります。シーンによってうまく使い分けてみてくださいね。
thoughtful
「thoughtful」は、「思慮深い」「思いやりのある」などの意味があります。「思慮分別がある人だ」と代わりに、「思慮深い人だ」と言い換えられる場合に使ってみるといいですね。
(例文)
・She’s a voracious reader and very thoughtful.(読書家の彼女は、非常に思慮深い人だ)
consider
「consider」は、「熟考する」「よく考える」などの意味があります。何かの課題や問題に対して深く考える、検討するといった場合に使ってみてください。
(例文)
・He considered how to cut costs on new products.(彼は新商品のコストカットについて熟考した)
considerate
「considerate」は、「思いやりのある」「理解のある」「思慮深い」などの意味があります。周囲の人の意見に対して理解を示し、よく考えて行動する際によく用いられる表現です。
(例文)
・No matter how busy she is, she never forgets to be considerate of her friends.(どんなに忙しくても彼女は友人への思いやりを忘れない)
思慮分別がある人の3つの特徴
ビジネスシーンでは、思慮分別があるふるまいが求められます。まずは思慮分別がある人がどんな人なのか特徴を理解しておきましょう。それでは、特徴を1つずつ紹介します。