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「伺う」は「行く」「聞く」「尋ねる」の謙譲語
「伺う(読み方:うかがう)」は目上の人に対して使う謙譲語であり、次の3種類の意味があります。
1. 行く
2. 聞く
3. 尋ねる
文脈の中で正しく使い分けたい言葉です。それぞれの使い方について見ていきましょう。
■「行く」という意味での例文
・これからそちらに伺います。
・明日の2時、御社にお伺いしてもよろしいでしょうか?
「お伺い」は敬語の接頭語である「お」を付けた二重敬語になりますが、より敬意を込めた言葉として一般的に使われています。むしろ、取引先などに使う場合は「お伺い」の方が丁寧であるため、許容範囲といえるでしょう。
■「聞く」という意味での例文
・御社の〇〇様より伺っております。
・お話を伺ってもよろしいでしょうか?
「伺う」は、話を聞く側から、話をする側の人に向けての敬語表現です。そのため、社外の人に「弊社の課長より伺っている」といった使い方をするのは間違いです。
■「尋ねる」という意味での例文
・ご予定を伺ってもよろしいですか?
・お名前を伺えますか?
・お伺いしたいのですが、この電車は〇〇駅に止まりますか?
「尋ねる」という意味で使う場合、初対面の人に何か質問するときなどにもよく使われます。
「伺う」と「窺う」「参る」との違いは?
「伺う」には「窺う」や「参る」といった、似た意味で使われる表現があります。ここでは、それぞれの違いについて見ていきましょう。
■「窺う」はそっと様子を見ること
「伺う」と同じ読み方をする言葉に「窺う」があります。「窺う」には「そっと様子を見る」「密かに探りをいれる」といった意味があり、「伺う」のような謙譲語ではありません。「窺う」を使った例文は次の通りです。
・あの人はいつも上司の顔色を窺っている。
・次の試合に勝つため、相手チームの様子を窺っている。
漢字の違いでまったく違う意味になるため、メールなどで使う場合は注意しなければなりません。
■「参る」は「行く」の謙譲語
「行く」の謙譲語には、「伺う」の他に「参る」という言葉があります。例文を見てみましょう。
・明日の1時に御社へ参ります。
・のちほどそちらへ参りますので、もう少々お待ちください。
「伺う」は行く先の相手を敬う意味合いがありますが、「参る」には自分の行為を丁寧に示す表現です。どちらも敬語表現として適切ですが、より敬意を表したい場合は「伺う」を使うとよいでしょう。
「伺う」の類語表現
「伺う」には他にも、類似した表現があります。場面に応じて使い分けてみるとよいでしょう。それぞれの内容をご紹介します。