【目次】
「戴く」の意味や読み方とは?
はじめに、「戴く」の意味や読み方から紹介します。日常生活では、あまり見かけない漢字ですね。
読み方と意味
「戴く」は「いただく」と読みます。まずは、辞書を調べてみましょう。
「戴く/頂く」
1 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。
2 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。
3 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。
4 「もらう」の謙譲語。
5 「食う」「飲む」の謙譲語。
<一部中略>
8 (補助動詞)
ア.(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)話し手または動作の受け手にとって恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。
<一部略>
(『デジタル大辞泉』より)
長くなりましたが、日常生活においてよく使われる意味としては、4.5が適応するのではないでしょうか?また、8の補助動詞としてもよく使われます。8の使用法はとても重要なので、後ほど解説します。
「戴く」と「頂く」の違いとは?
では、「戴く」と「頂く」の違いはどこにあるのでしょうか? 「戴く」は、常用漢字ではないというところに違いがあります。確かに、日常生活であまり見かけないはずですね。基本的に使用するのは「戴く」ではなく「頂く」だと覚えておくと便利でしょう。
ビジネス等で使う時の注意点
では、「戴く」、「頂く」をビジネスで使う時の注意点を見ていきましょう。「戴く」や「頂く」を使う時、「もらう」、「食う」、「飲む」の謙譲語として使用されることが多いのではないでしょうか。その際には、「頂く」を尊敬語として誤用しないように注意が必要です。
わかりやすい誤用の例を挙げましょう。会社にあったお菓子を上司の方と一緒に食べるときの声掛けに、「〇〇さん、こちらで一緒にお菓子を頂きませんか? 」とするのは、間違った敬語表現です。「頂く」は謙譲語ですから、この場合は「召し上がりませんか? 」とする方がいいでしょう。
ビジネスで使用する場合に注意すべきは、もうひとつの「いただく」です。辞書によると…
「いただく」
補助動詞として用いられる。
(1)自分のために相手に何かをしてもらう意の謙譲表現。(『日本国語大辞典』より)
上記のように補助動詞として用いられるときには、「頂く」ではなく、「いただく」と表記します。よく見受けられる誤用なので、間違わないようにしっかり覚えておいてくださいね。