夫は「穏やかで芯のある人」だと思ったのに
結婚4年目を迎えている実里さん(仮名・41歳女性)は、6歳年上の夫と子どもとの3人暮らし。実里さんには婚歴があり、前夫とのあいだの子どもを連れて再婚しました。
今の夫とは知人の紹介で知り合い、交際期間半年でゴールイン。最初は夫のことを「穏やかで芯のある人」だと惚れ込み、結婚を決めたそうなのですが…。
「結婚してみて、夫の“長所”だと思っていた性格が、実は“短所”だったと気づきました。穏やかで芯のある人だと思っていたところは、結婚してみたら家庭に無関心で、何事にも現状維持を好み、自分からは何ひとつ行動しないという、共同生活を送るには致命的な性格だったんです…」
交際期間が短かったこともあり、喧嘩という喧嘩もしたことがないまま結婚。実際にひとつ屋根の下に暮らすようになって、価値観や生活習慣の相違をすり合わせようと実里さんが夫に話をしても、“ぬかに釘”状態で何ひとつ思うような話し合いすらできないのだとか。
「穏やかなんじゃなくて、他人に対して興味がないって感じで、家のことを何か相談しても『どっちでもいいよ』『任せる』しか言いません。それに、芯のある人だと感じていたのは、単に現状維持を好んで物事を変えようとしないだけで、何か問題が起きても見て見ぬふりをして逃げようとするだけ。なんでも私が解決するのを待っているって感じで、頼りになりません」
義実家の問題や子どもの問題など家庭の課題はすべて「妻任せ」
「家庭の問題は、何ひとつ自分が解決しようとしない夫には、本当にウンザリしていますし、こんな感じならシングルマザーで子どもを育て、夫とはただの恋人関係でいたほうが気楽でしたね。と言うのも、義母や義父が過干渉な性格なので、離れて暮らしてはいるものの、私たちの生活にやたら口出ししたがるので、それを相手にするのも疲れますし、夫に相談しても解決しようとしてくれず、結婚したことによって“義実家”というストレス源がひとつ増えてしまったのを痛感します」
子どもが学校で問題を抱えたときに夫に相談しても「僕にはわからない」、コロナ禍で実里さんの仕事が危うくなったときにも「どうしたらいいんだろうねぇ?」と他人事な返事。最近では、そんな夫と関わることそのものがストレスになりつつある、と実里さんはため息をつきます。
「性格ってきっと、大きくは変わらないですよね。しかも、夫はもう40代も半ばを過ぎていますし。この夫と今後の人生もこんな感じで共にするのか…と思うと、ため息しかありません。そんな感じのパパなので、娘も夫にはあまり懐いていないし、信頼もしていないみたい。『ママ、なんであの人と再婚したの?』って真顔で聞かれたことも何回かあって、自分でも再婚に焦り過ぎたかなぁ…と反省しています」
とは言っても、現時点では「離婚だけは避けたい」と考えている実里さん。今後は、夫のそんな性格を理解したうえで、なるべく自分のストレスにならない接し方を模索したいと話していました。交際中には長所に見えても、実際に共同生活を送ってみたら、短所に転じた…という話は稀にあります。相手の性格が変わるのを期待するほど、期待通りにならなかったときの落胆も大きいもの。実里さんのように、相手の性格を把握したうえで自分にとって負担にならないコミュニケーションを心がけることが、平穏な生活を維持する秘訣にもつながるはずです。
取材・文/並木まき
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