スターフェスティバル株式会社 広報部 部長
石尾怜子さん(38歳)
いしお・れいこ/1979年生まれ、 青森県出身。大学卒業後、メーカーに新卒入社。23歳で結婚。弟の逝去で人生観が変わり、自分の成長を求めて10年間で5つの仕事を経験。34歳で現在の会社に転職。広報として法人・団体向けのお弁当のケータリングサービスのPRに力を注ぐ。
【目次】
TPOに合わせたメールが人の心を打つ
「連絡メールの文字がひときわ大きく、原稿で疲れた目に優しいと感じました。文面も急ぎの確認は短く早く。掲載誌到着後のお礼メールは、ほっこりとしたお手紙のような内容で、文字とともに心に残りました」(本企画担当ライター)
人生はすべて自己責任。何事も、他責にしないこと
自分にはありのまま正直に。他人にはできるだけ誠実に
昨年6月号の連載記事に登場してくれた石尾さんは、お弁当やケータリングなど、〝ごちそう〞を全国に宅配するサービス運営会社の広報部長。取材の際に企画概要を送ると、ご本人から通常より少し大きなフォントのメールが送られてきて、日々受信する仕事メールの中でもインパクトは大。
「メールは、ぱっと見たとき文字が大きいほうが見やすいですよね。また、人は100文字書いてあっても、そのまま100文字全部は読まない方のほうが多いと思うので、大切なメールは要点を目立たせて、受け取る方の負担を減らす工夫をしています」 仕事の対人関係で留意していることは、相手の気持ちや状況、背景を考えることと、その人自身を理解すること。 「広報は、一生懸命につくられたサービスや商品を世の中に伝える仕事です。それだけに社内外含め、携わった人の意図や〝想い〞をきちんと推し量ることや、情報に齟齬がないことが大切だと思っています」
キャリアを積む中で変わってきたのは〝若いころは明らかにもっとガツガツしていた〞という点。 「せっかく一度きりの人生だから、何者かになりたいと思っていました。でもどのように目ざせばいいのかわからず、手当たりしだいに仕事をした時期もありました。くたびれて疲れたり、悩みもしましたが、その中で徐々に見えてきたのは、自分が得意なことへの理解でした。苦手な業務を手放せるようになってきたのはここ3年くらい。自分の得意領域で責任を果たして、足りないところは強みをもつ人の力を借りるほうが、みんながハッピーになれるだろうなと思えてきたんです」
そんな石尾さんが最近うれしかったことは、ひとまわり下の部下の成長。 「明るくて前向きな子なので、ありがたいです。止まることなく、どう成長し続けてもらうかが課題ですね。〝じゃ、これもやってみようか〞と、トスをどんどん上げようと思っています。たぶん、え〜っ、と言いながらも、やってみますと受けてくれるのではないかと。最近、人が伸びていくのを見るのが楽しいと思えるようになってきました」
迷いがあった時期に読んだ本
「イギリスの作家、ジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則』(サンマーク出版)シリーズは、迷いがあった時期に読みました。いちばん残っているのは〝自責であって他責にするな〟という言葉です。起きたことはだれのせいでもなく、どう受け止めるかが大切なんだと思えました」
大切なコミュニケーションのために常備しているもの
(左)「外勤が増えてから、仕事先へのプチおみやげを準備しておくようになりました。相手の負担にならないぐらいの〝ちょっとうれしい感〟を心がけています」(右)「ミドリの〝紙シリーズ 便箋〟が好きで、お礼の手紙に愛用しています。四季折々の柄をそろえて季節感も意識してます」
リフレッシュ法はトライアスロン!
「ふとした興味からトライアスロンを始めたのは33歳。おかげで人生が大きく変わりました。競技を通して知り合った仲間は、仕事も趣味も人生もすべて愉しむことの大切さを実感している人ばかり。常に笑いがあり、一緒に頑張っていると、自分もポジティブになれるのを実感します」
石尾怜子さんのサンクスルール
仕事メールのマイルール
・ なるべく即レスすることを心がける
・ じっくり対応する必要がある場合でも、改めて返信をするのはいつごろになるのかは伝えておく
電話対応のマイルール
・ 相手が都合の悪そうな時間帯はなるべく避ける
・ 用件が多い場合はいったんメールで送り、その後電話を入れるように
人とつきあううえで、大切にしていること
・ 裏表なく、噓なく、常に誠実であること
Domani2018年3月号『「サクセス志向」→「サンクス志向」でうまくいく』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/トヨダリョウ イラスト/齋藤よしこ 構成/谷畑まゆみ