社交的で明るいところに惹かれたのに…夫はただの「外面のいい浪費家」だった
30代半ばまで仕事が恋人!とばかりに、恋愛とはご無沙汰だった由香里さん(仮名・41歳女性)。知人の紹介で36歳のときに知り合った10歳年上の男性と電撃婚をしました。
「共通の知人が紹介してくれた安心感もあって、当時の私は夫を“性善説”で見ていた気がします。いま、結婚3年目に入りましたが、社交的で明るいのが取り柄だと思っていた夫の性格は、実はただの“外面のいい浪費家”でしかなかったとわかり、愕然としているところです」
夫の年齢のこともあり、子どもは“流れに任せる形”にした由香里さん。現在も、夫婦ふたりの生活が続いています。
「夫は経営者で、外では羽振りよくお金を使います。交際中には、私を素敵な高級レストランにしょっちゅう連れて行ってくれましたし、仲間との飲み会にもよく連れて行ってくれました。お酒を飲んで楽しそうにしている夫のそんな姿が好きで『年上だし、包容力がありそうだな』と感じたのも、結婚を決めた理由のひとつでした」
ところが沙織さんは、“好き”だと感じていた夫の長所が、結婚後には短所だと感じ始めます。
「釣った魚に餌はやらない」どころか家庭にはドケチ
「いわゆる“釣った魚に餌はやらない”の典型でしたし、単に外面がいいだけで、妻になった女性には何も与えないタイプでした。しかも見栄っ張りな部分も強く、実力以上に浪費したがるので家庭に入れる生活費はわずかで、外にバンバンお金を使うんです」
世帯年収としては決して低くないものの、夫が家庭に入れる金額が少ないために、日々の生活費はほとんどを沙織さんの収入でまかなっているとのこと。
「何度か話し合いを試みましたが、まったく無意味でした。夫とはこの点について話が通じないというか、話の論点が噛み合わないので、価値観が違うんだと思います。家庭にお金をもっと入れてもらいたい旨を何度も説明していますが『君も働いているのに、どうして?』『家より外に使うお金が大事なのに、なぜそんなことを言われなくてはいけないの?』と言われてしまうだけで、なんの改善もできませんでした」
「子どもができれば変わるかもしれない、けれどこの状態が続くのであれば、子どもがいても自分が苦労しそうだし…」と考えているという沙織さん。離婚も頭をかすめるほど、夫と意見が噛み合わないことに苦慮しています。生活費や家庭運営にまつわるお金の話は、実際に結婚して一つ屋根の下で暮らしてみないとなかなか見えにくい部分だけに、いわゆる“外の顔”しか見せてこなかった男性の本性を知り、愕然としている女性も決して少なくないのが現実です。
取材・文/並木まき
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