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「不易流行」とは松尾芭蕉が示した俳諧の理念
「不易流行(ふえきりゅうこう)」とは、いつまでも変わらないものの中に新しい変化を取り入れることを指す言葉です。また、新しさを求めて変化をすること自体が、世の常であるということも指します。
元々は松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、いつまでも変わらないことを指す「不易」と、時代に応じて変化することを示す「流行」という相反する概念がひとつになった言葉です。
【不易流行】ふえきりゅうこう
蕉風俳諧の理念の一。新しみを求めて変化していく流行性が実は俳諧の不易の本質であり、不易と流行とは根元において結合すべきであるとするもの。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「不易」も「流行」も同じぐらい重要
松尾芭蕉は俳諧の理念として「不易流行」を掲げましたが、その解釈はさまざまです。「変わらないものと変わるものをひとつにすることが俳諧なのだ」と解釈されることもあれば、「変わらないものも変わるものも元々は同じで、区別しないのが俳諧」と解釈することもあります。
松尾芭蕉は「奥の細道」の中で、「変わらないものを理解しないで基礎は成立しないが、変わるものを理解しないときには進展がない」と述べました。この言葉からも、「不易」と「流行」はどちらか一方を重視するものではないことがわかります。また「不易と流行を同じ位置に置くからこそ、確かな基盤に基づいた新しい芸術が生まれる」と芭蕉が考えていたとうかがえるでしょう。
「不易流行」の使い方を例文で紹介
「不易流行」の考え方は、俳諧などの文学や芸術においてのみ使われるのではありません。特にビジネスと教育のシーンにおいて、「不易流行」という言葉はしばしば用いられます。実際にどのように用いられるのか見ていきましょう。
【ビジネスシーンでの例文】「不易流行」の原理
ビジネスでは「不易流行の原理」という言い回しが用いられることがあります。変わらないものと変わるものを両方取り入れることが大切であるというビジネスの真髄を指す言葉として、「不易流行の原理」を使うことができるでしょう。例えば次のように使うことができます。
・創業者の思いを基礎として、現代ならではの価値観を加えたビジネスを行っていかなくてはならない。それこそ【不易流行の原理】というものだろう。
・【不易流行の原理】は、マーケティングの指針を立てる際にも当てはまる。質の良さに最近注目度が高まっているサステナビリティの要素を加えることで、より多くの消費者の心をつかむことができるだろう。