「七転八倒」とは？意味や使い方と「七転び八起き」との違いを解説

「七転八倒」の意味や読み方とは？

「七転八倒」という言葉、どんな意味か知っていますか？ なんとなく知っていても、「七転八起」「七転び八起き」など似た言葉もあるため、意味を混同してしまいがちです。そこで今回は「七転八倒」の意味や使い方、「七転び八起き」との違いなどを解説していきます。意味をきちんと理解して、いざというとき正しく使えるようになりましょう。

意味や読み方

「七転八倒」は、「しちてんばっとう」と読みます。「苦痛のあまり、転げ回ること」または「とても混乱している様子」を表す言葉です。

「七回転んで、八回倒れる」と書くことから、痛みのあまり転げ回ってもがくさまを表す四字熟語です。多くは、激しく身体の痛みを感じたときに使われますが、状況が激しく混乱したときにも使用します。

ちなみに「七転八倒」は、中国の故事に記された「七顛八倒」という言葉が由来で、「世の中が乱れている様子」を表しているそう。先述した「状況が混乱している様子」という意味と共通していますね。

「七転び八起き」との違いとは？

「七転八倒」によく似た言葉に「七転び八起き」「七転八起」があります。「七転八起」は「しちてんはっき」と読みますが、「七転び八起き」という読み方の方がよく知られていますね。七回転んでも、八回起き上がることから、いずれも「何度失敗しても、屈することなく立ち上がること」という意味になります。一度や二度の失敗でへこたれず、辛抱強く挑戦するさまを表すため、座右の銘としても人気のある言葉です。

「七転八起」は、失敗しても最後まで諦めないという前向きな意味の言葉なのに対して、「七転八倒」は、あまりの痛みに苦しむというややネガティブな言葉です。字面はよく似ていますが、正反対の意味を持つ言葉といえるでしょう。

使い方を例文でチェック！

先述したように「七転八倒」は、主に「身体的な苦痛」「精神的な苦痛」そして「状況が激しく混乱した時」の3つの使い方があります。それぞれの具体的な例文を挙げますので、ぜひ参考にしてみましょう。

ドアに強く指を挟まれ、七転八倒するほどの痛みが走った

身体を怪我したり、病気をしたりして激しい痛みを感じたときに「七転八倒」が多く使われます。とにかく痛すぎて声が上げられず、その場でもがいているような状況が想像できますね。例文のような経験をして、思わず七転八倒したという方もいるのでは？

彼女にふられたショックで七転八倒した

身体的な痛みだけでなく、精神的な苦痛にも「七転八倒」は使われます。失恋などの強いショックで、いてもたってもいられないような状況のときにも、この言葉は当てはまるかもしれません。

社会人になりたての頃は、仕事に慣れず七転八倒の毎日だった

「七転八倒」は、状況が激しく変動したときにも使われます。例文のように学生から社会人になる時期は、生活スタイルも人間関係もガラッと変わるもの。新しい仕事を覚えたり、職場の人に気を遣ったりと、忙しい毎日を送っていたことが伝わってきますね。

類語や言い換え表現とは？

「七転八倒」の類語には、「四苦八苦」「艱難辛苦」「七難八苦」などがあります。同じく漢数字を用いた言葉もあることから、意味が混同してしまいがちです。それぞれの正しい意味を紐解いて覚えてみましょう。

四苦八苦

「四苦八苦（しくはっく）」は、日常生活でも多々使われますね。「非常に苦しむこと、苦労すること」という意味の四字熟語です。慣れない作業に苦労している時や、辛いことを行っているときに「四苦八苦する」といいますよね。

「四苦八苦」は、もともとは仏教語で、人間のあらゆる苦しみを表す言葉でした。「四苦」とは、「生苦、老苦、病苦、死苦」のこと。「八苦」は「四苦に、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦の4つを加えたもの」のことです。病気になる苦しみや歳をとる苦しみ、愛しい人と別れる苦しみなど、人が経験する様々な苦しみを含んだ言葉なのです。