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2024.08.06

「紺屋の白袴」の意味は? 使い方と似たことわざを紹介

〝紺屋の白袴〟は「こうやのしろばかま」と読みますが、言葉を聞いても意味がまったく予想できないという方も多いのではないでしょうか? 本記事では、意味や語源、注意点まで丁寧に解説します。

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毎日部下の指導をしたり、子供の世話をするのに忙しくて、自分のことはいつも二の次… というのは、ワーママにとって日常茶飯事ですよね。そんな様子のことを、ことわざで「紺屋の白袴」と表現するのはご存じですか? 

本記事では、「紺屋の白袴」の意味や使い方、類語・対義語などを解説します。一体、どんな由来があるのか見ていきましょう。

「紺屋の白袴」の意味や読み方とは?

まずは、「紺屋の白袴」とはどんな意味なのか紹介します。

読み方と意味

「紺屋の白袴」は「こうやのしろばかま」、もしくは「こんやのしろばかま」と読みます。

紺屋が、自分の袴は染めないで、いつも白袴をはいていること。他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。こうやのしらばかま。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「紺屋の白袴」とは、「他人のことで忙しく、自分のことをする余裕がないこと」を指すようですね。

現代ではあまり馴染みのない言葉ですが、「紺屋」は、もともと「藍染め屋」のことで、後に「染め物屋」全般を指すようになりました。江戸時代の紺屋は非常に忙しく、自分の袴を染める時間がないことから「紺屋の白袴」という言葉が生まれ、「他人のことばかりして自分のことができない」という意味になったようです。

藍染のれん

(c)Adobe Stock

「紺屋」を使ったことわざ

「紺屋の白袴」と同じく、「紺屋」を使ったことわざに、「紺屋の明後日」という言葉があります。「紺屋の明後日」とは、「約束したとしても、その期日があてにならないこと」。

紺屋の仕事は天候に大きく左右されることから、客が期日を聞いても、紺屋はいつも「明後日」と言うことからきています。「紺屋の明後日七十五日」と言うこともできます。「他人のために、自分を構う暇がない」という意味の「紺屋の白袴」とは、まったく異なる意味ですので、間違って使わないように注意しましょう。

今ではあまり知っている人が少ない紺屋ですが、これほど紺屋を使った表現があるとは、当時いかに紺屋が一般的な職だったのかがうかがえますね。

【その他の“紺屋”にまつわることわざ】
紺屋の地獄:「紺屋の明後日」のように、紺屋はいつも約束を破るので、死んだら地獄に落ちるということのたとえ。
紺屋の地震:謝罪を意味する「相済まない」のしゃれの言葉。地震があったことで、染料の「藍(=相)」を入れた桶が揺れ、その染料が「澄まない(=済まない)」の意味から。

使い方を例文でチェック

実際に「紺屋の白袴」をどのように使えばいいのか、例文を見ていきましょう。

残業

(c)Adobe Stock

「上司からの仕事や部下への指導で、就業時間のほとんどを費やしている課長は、自分の仕事を終業後に行っている。紺屋の白袴とはこのことだ」

中間管理職は、上司や部下の間にはさまれ、とても忙しいポジションです。他人の仕事のフォローを行なうのに忙しく、自分のことは後回しになってしまう課長の状態を「紺屋の白袴」を使って表現した例文です。

「責任感の強いあなたは、なんでも自分でやろうとするけど、紺屋の白袴とならないよう注意が必要だよ」

まだ「紺屋の白袴」のようにはなっていないものの、そうなる恐れがあるという状況を示した一文です。相手を気遣ったり、注意を促したりしたい場合には、このような表現を使ってみましょう。

「マッサージ師の友達は、仕事を頑張るあまり、体調を崩してしまったそうだ。これではまるで紺屋の白袴だ」

身体の不調を改善するマッサージの仕事をしている人自身が、多忙により体調を崩してしまったことを「紺屋の白袴」で表現しています。後に似たことわざでも紹介しますが、他人に行なっていることを自分には行えていないことを意味する「医者の不養生」と、似たような表現といえますね。

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